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六十四回目
とてもゆるふわな世界だった。ぬいぐるみみたいな可愛い熊が暮らす世界。その名も「ゆるふわんだーらんど」。タイトルままである。
──というのは見た目だけで、本当はこの熊たちの中でも下級熊たちが「ころころしあむ」で殺し合いをするという、とても残忍なアニメである。
ゆるふわ世界とのギャップのありすぎるリアリティ溢れる流血シーンに世間が騒然とし、PTAからストップの入ったアニメだ。懐かしいが、その残酷性があの頃の私には爽快だった。軽く中二病の片鱗がその頃からあったのだろう。認めたくないが。
で、私は今、ゆるふわな熊の着ぐるみを着ているみたいになっているが、この世界に存在する下級熊としてころころしあむに投入されるところだ。下級熊とは?
なんとなく、死ぬのはわかった。まあ、こんな可愛い熊に殺されるのなら幸せかもしれない。パンチえげつないけどな。




