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五十一回目

 ぽつんと白い空間に一人、私は立っていた。

 自分では動けない。棒立ち状態だ。疲れはしないけれど、一体何になったのだろう。

 そう思っていたら、扉ががちゃりと開くような音がして、私の体が動かされた。

 はあ? と思った。無機物に転生することはこれまでもよくあったし、生き物じゃないのもよくあったが、誰が「扉」に転生するなんて思うだろう。不便と無意味さが天下逸品なのだが。

 扉に意識があったところで、喋れるわけでもなし……

 と、慌ただしくばたんと閉められて、ちょっと痛い思いをする。

 入ってきたのは、金髪の美少年だ。赤い目をしている。面差しは幼く、儚げな印象を受けるのだが、目よりも色濃い液体が身体中にこびりついていた。

 この子はたぶん、「傍若無人な勇者様!」の世界の魔王だ。強くなりすぎた勇者に仲間を虐殺される魔王イベリア。次元の狭間に逃げ込んで……ということは、これは次元の狭間の扉なのか。随分中二チックなのに転生したな。

 でも、嫌な予感がするんだけどかーんっ!!

 嫌な予感の直後、私は勇者によって木っ端微塵に粉砕された。

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