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四十七回目

 照りつける日射し、喜ぶように芽吹く野菜たち。

 土が規則正しく整えられた様は太陽の光と相まって、とても清々しく見える。これを耕したのは私ことこの鍬を持ち麦わら帽子の下で汗を拭う農夫のおじさんである。

 この世界はやがて魔王の侵攻を受ける。真っ先に潰される村の住人Aである。

 圧倒的モブ。名前のない転生先はこれまでも何回かあったが、ここまで天晴れなほどに名前のないモブだと却って笑える。

 私は健康的な農耕民として悠々自適な暮らしをしていた。このモブ男さんには奥さんがいて子どもがいて、パンや芋を食べる生活だけれど、貧困を感じさせない豊かな生活を送っていた。

 幸せな家庭というのはこういうものなのだろうか、とぼんやり思いながら生活した。元々の私の家族というのは……もう姉以外顔をよく覚えていない。親不孝だろうか。

 けれど、平穏は長くは続かない。

「すごい黒い雲。不気味だな……」

 あれが、魔王の根城となる。

 村にどがーん、と大きな雷が落ち、そこで私の意識も途切れた。

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