四十三回目
目を開けると、そこはどこぞの会社のオフィスであった。外は暗い。中央の壁にかけられた時計はてっぺんに向かおうとしている。こんな状況下で職場、目の前のパソコンは目に悪そうなブルーライトを発している。
社畜かな。
今回は男性らしい。前回……列車に飛び込んだ女性はOLっぽかったが、社畜かどうかまではよくわからなかったからな。
どうやらうたた寝をしていたらしい。あと一時間ほど待てば草木も眠る時間になる。そりゃ人間だって眠くなるというものだ。
だが、私のものでない体が無意識的に仕事をしようとする。パソコンの画面にうっすらと映る顔は幽霊と間違えそうなくらい顔色が悪い。目の下に隈ができているし。
見ると、仕事はまあ出来上がっていた。あとは最終チェックをするのみ。
細かくメモされた項目を照らし合わせていき、最後の項目までくまなくチェックしたところで、私は深く息を吐いた。
少しの時間、資料のチェックをしただけなのにえらく疲れる。大人って大変だなぁ。
あとは帰るだけ……とりあえず外に出よう。
思ったが、この男性の家がわからない。免許証でも見ればいいだろうか。
そうして、横断歩道が青になるのを待っていたとき。
がしゃーん!!
車が突っ込んできた。電信柱との間に挟まれる。骨が何本か逝った。
派手な音がしたので、周囲が騒然となるのを聞きながら、意識は闇に落ちていった。




