三十回目
とても甘い匂いがする。
私はクリームで飾りつけられ、プリンを乗せられ、フレッシュなフルーツに囲まれて……爆弾を抱えていた。
は? って感じなのだが、とても美味しそうなプリンケーキに仕込まれているのは、ほわほわプリンに不似合いなまでの武骨な時限爆弾である。これ作ったやつ頭狂ってんだろ。
「芸術は爆発! スイーツは芸術! つまりスイーツは爆発!!」
出た、イカレポンチ。こいつの名前はルドルフ・タルナス。パティシエである。見習いとかではなく、世界的に認められているパティシエである。
ルドルフは元々、芸術方面の才能があり、絵も描くし、花も生ける人間である。しかし、頭のネジを母の胎内に忘れてきたのか、基礎がしっかりできているのに、最後には破壊するという狂人になった。原因は不明だが、元々は飴細工職人として一目置かれており、その飴細工をハンマーで叩き壊した辺りからいっちゃったらしい。
で、私は、そのイカレポンチルドルフの作品、「ミラクルボンバイエプディング」になってしまった。
WHY!?
正直何から突っ込めばいいかわからない。お菓子になりたいとか、ちっちゃい頃に言ったかもしれないが、こんな形で叶うくらいなら、普通に殺してほしかった。なんで時限爆弾をお菓子の中に仕込むの? 芸術とは?
ここはそんなイカレポンチがパティシエとして名を馳せ、一人の冴えないパティシエ見習いの少年を教育していくコメディ「BOMBBOMBPRIN」という作品の世界観である。
ふざけた名前だと私も思うよ。でも爆弾仕掛けられたプリンが出てくるんだよ。名が体を表しすぎだと思うな。
ちなみに、これは冴えないパティシエ見習いヒロの誕生日ケーキである。
ルドルフはヒロが来るのを今か今かと待ち構え、扉が開き、ヒロの冴えない顔が見えると同時。
「Happy Birthday ヒロ!!」
私はボンバイエした。




