第1話 時空の風来坊
お待たせしました。
1人の青年は片手にリュックを背負い異次元空間を歩いていた。
彼はふと立ち止まり後ろを振り向いた。
「隠れてないで出てきたらどうだ?ガレーラ!」
そう青年は片手に真っ黒な剣を持った男性に言った。
「よく気づいたな。お前は俺に気づいていないと思ったが」
ガレーラはそう青年に言った。
「俺とお前は光と闇。もう共には解り合わないだろ」
そう青年は片手にリュックを背負い歩き始めた。
ーーー第56次元・メルトリアーーー
科学が発展したこの世界に住む少女ヴィヴィアは空をじっと見ていた。
「この世界は平和だね~」
ヴィヴィアはそう言って空をじっと見た。
すると黒い何かが太陽を横切った。
それは昆虫の様な怪獣だった。
「キュララララララララララララ!」
怪獣は口から緑色の液体を放ちビルを溶かした。
人々は脅えながら逃げ出した。
ヴィヴィアはあまりの恐怖に立ち上がれずにいた。
「助けて」
ヴィヴィアは目を閉じて言った。
するとヴィヴィアの中から何かが光出した。
「えっ?」
目の前に現れたのは黒い革ジャンに赤い腕時計をしていて藍色のジーンズを掃いていて頭に帽子を被っていた。
「やれやれ、異世界に来ても闇の怪獣は切りがないな」
そう言って青年は片手を前に出して水色のカギを持っていた。
「立ち上がれ!光の騎士・マルチオリジウム覚醒!」
青年の体は光出して巨大化した。
そしてヴィヴィアは目を見開いてじっと見た。
そこには金色のボディに青い線が体に刻まれていて赤色の鎧を装備していた。
「光の騎士?」
そうヴィヴィアは言った。
巨人はタイプBの怪獣と交戦していた。
巨人は拳を連続で打ち込み回し蹴りを打ち込みそのまま左手から赤い光弾を放った。
「こいつで最後だ!クラレント光線!」
巨人は両手をクロスして赤色の光線を放った。
怪獣はそれを喰らいゆっくりと地面に倒れた。
体から紫色の鍵が出現した。
巨人はそれを掴み体内に宿した。
「やれやれ、世界が変わっても闇は変わらないか」
そう言って巨人は青年の姿に戻り片手にリュックを背負い歩き始めた。
「待って!」
ヴィヴィアは青年を呼び止めた。
「何だ?」
青年はそうヴィヴィアを見た。
「あの、貴方があの巨人なんですか?」
ヴィヴィアはそう青年に聞いた。
「ああ、俺は光の戦士のオリジウムマンだ」
そう青年は言った。
「あの、貴方はどこに住んでるんですか?」
ヴィヴィアはそう青年に聞いた。
「どこにも住んでない!風来坊だからな」
そう言って青年は歩き出そうとした。
「あの、家に来ませんか?」
ヴィヴィアはそう青年に言った。
ーーーヴィヴィアの家ーーー
青年は片手のリュックを置いて写真をじっと見ていた。
そこには黒髪の男性と金髪の女性が写っていた。
「あっ、その写真は父と母なんですよ」
ヴィヴィアはそう青年に言った。
「ご両親は?」
青年はそうヴィヴィアに聞いた。
「今から3年前に飛行機事故で亡くなりました」
そうヴィヴィアは話した。
「そうか、すまないな聞きたくない事を聞いて」
青年はそう頭を下げた。
「あの、名前は何て言うんですか?」
ヴィヴィアはそう青年に聞いた。
「俺は、コウガだ」
そうコウガは名前を言った。
「コウガさん、私と一緒に暮らしてくれませんか?」
ヴィヴィアはそうコウガに言った。
「別に構わないがいいのか?」
コウガはそうヴィヴィアに聞いた。
「はい!」
ヴィヴィアはそう頷いた。
「ならよろしくな」
そうコウガは片手を差し出した。
「はい!」
二人は握手を交わした。
ーーー?ーーー
西の都にある基地。
名を特殊チームオルメルド。
怪獣災害や遺跡の調査で出現する兵器を破壊するために作られた組織である。
「隊長!」
1人の女性が中年男性に書類を渡していた。
「どうした?エルム隊員?」
男性はクルガ隊長。
このチームオルメルドの責任者である。
「あの、今日の昼に出現した巨人なんですが」
エルムは書類をクルガに見せた。
「光の戦士の伝承によく似ているな」
そうクルガは言った。
「今から400年前にこの世界で闇と光の戦争で出現した戦士によく似ているんです」
エルムはそうクルガに話した。
「また、新たな伝説が始まるのか」
クルガはそう言ってデータを見ていた。
ーーーヴィヴィアの家ーーー
コウガはヴィヴィアと話をしていた。
「あの、コウガさんはどうしてその力を手に入れられたんですか?」
ヴィヴィアはそうコウガに聞いた。
「俺はかつてこの世界で試練を受けた。その試練を乗り越えて光の力を手に入れたんだ」
その試練が何なのかヴィヴィアには解らなかった。
するといきなり何かが揺れ始めた。
コウガは外を見た。
外には空間が割れて中から恐竜の様な体に頭は魚の様な頭に背中には突起物が生えていた。
「あれは?」
ヴィヴィアは怪獣をじっと見てコウガに聞いた。
「あれは時空魔獣ムルバニー!」
そうコウガは怪獣の名前を言った。
「お前はここにいろ!俺が奴を倒す!」
コウガはそう言って家を飛び出した。
ーーー街中ーーー
コウガは逃げ惑う人々が居なくなったのを確認して片手に水色のカギを持ち前に突き出した。
「立ち上がれ!光の騎士!マルチオリジウム覚醒!」
コウガはオリジウムマン・マルチナイトフォームに変身した。
「いくぜ!」
オリジウムマンは走り出して回し蹴りをムルバニーのボディに打ち込みパンチを連続で叩き込んだ。
「へへ、噂には聞いていたが大した事無さそうだな!」
そう言ってオリジウムマンは片手に光の力を集めた。
「ソーラーエッジ!」
光の矢はムルバニーに向かった。
だが。
パシィィィィン!
黒い光がオリジウムマンの光の矢を打ち消した。
「お前は!」
黒い霧から現れたのはオリジウムマンと同じ姿の巨人だった。
「久しぶりだな、オリジウム。貴様は確か400年前に消えたはずじゃなかったか?」
そう黒い巨人はオリジウムマンに聞いた。
「そんな事は知らないな!」
オリジウムマンはそう言って走り出した。
オリジウムマンはパンチを連続で打ち込んだ。
だが闇の巨人は片手でそれを全て防いだ。
「おやおや、かつての力はどこへ行ったんだ?」
そう闇の巨人はオリジウムマンに聞いた。
「黙れ!マルチポーラー光輪!」
2つの丸い刃が黒い巨人に向かった。
だが巨人は片手でそれを受け止めた。
「君は失望したよ!オリジウムマン」
そう言って黒い巨人は姿を消した。
オリジウムマンはムルバニーとの戦いを再開した。
「消え去れ!クラレント光線!」
赤い雷の光線はムルバニーに直撃してムルバニーは跡形もなく消し飛んだ。
「二つ目のカギか」
そう言ってオリジウムマンはコウガの姿に戻った。
この世界で起きる闇。
それを解決するまで彼の物語は終わらないのである。
つづく
次回は闇の巨人がわかるかも。