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太陽は昇る  作者:
34/34

にの十二話 太陽は昇り始める〜5〜

久しぶりだな……

久しぶりだよぉぉぉおおお!!!週一更新!!!


〜闘技場、リング〜

アスを守っていた炎が消えていくそこには俯いた無傷の人がいた。

いや、正確に言うと無傷ではない。

その人の足元には三つ網にされた黒っぽい茶色の髪が落ちていて、その人自体の髪は千切られたように不格好だったから杭はその人の髪を貫いたのだろう。

だからこそその人物は間違いなくアスなのだろう。

だがアンには、いやこの戦いを見るもの全てがその人物がアスだとは思えなかった。


なぜならそいつはどう見ても女であったから。


「男装、を……して、いった、っていう、オチ……?」

「少し違う」

 アンの呟きにアス(?)は律儀に答える。

「正確に言うと男になっていたんだ」

 アス(?)はそのまま言葉を続ける。

「でも、それもお前に髪を切られたせいでもう無理だ」

 乾いた笑いをしながらアス(?)は顔をあげる。

「この落とし前とってもらうぞ……」

 一切の感情を込められずに放たれた殺気は幾重の戦場を生き抜いてきたアンですら恐怖した。

でもアンはその恐怖を振り払ってアス(?)に立ち向かう。

「私は死ぬわけにない。」

 さっきまでの途切れ途切れの口調ではなく、はっきりと言う。

「何故?」

「何故か?簡単なこと、私には仕える人がいるから、大切な仲間がいるから、守るべき人がいるから!愛した人がいるから!!」

「そう……」

 その言葉を聞きアス(?)は俯くそしてまた顔をあげた時の、その時の表情は……

「私にはいない。仕える人も、仲間も、守る人も、愛した人もいない……もういないんだぁあああああ!!!!」

 その叫びとともに変換コードを言ってすらいないのに炎が現れる。

その表情はいまにも泣き出しそうな見るものを同情させそうな表情だった。

「進め、侵略の象徴!!」

 さらに炎が現れる。あまりの熱量にアス(?)の姿が陽炎のように揺らぐ。

「炎よ、全てを奪え、全てを屠れ、全てを嬲れ、全てを征服せよ!!!“バイベルス・コクリュート”!!!!」

 炎は無数の人に変わり、アンに向っていく。

「覆え、闇の、象徴」

 アンも黙ってそれを受ける気はなく、対抗するために闇を出現させる。

「夜の、一つよ、今、現れよ、闇の、力、もちて、全てを屈服させよ……“ヴァンパイア・ナイト”!!」

 姿を変えた闇は蝙蝠の羽が生えた人型……吸血鬼になる。

吸血鬼が奮う腕は炎の征服者たちを薙ぎ倒していく。

しかし、征服者たちの数には敵わず、征服者たちの波に吸血鬼は飲み込まれていた。後は無防備なアンのみ。

(申しわけありません……私は先に逝きます……あなた……)

 そして、アンは死ぬ前に最愛の人がいる方を向こうとした。

「!?」

 そして気づいた、そいつの存在に。

 


「ウィル……?」

 “バイベルス・コクリュート”が“ヴァンパイア・ナイト”を破り、後はアンだけという時にアンを守るように、いや実際に守るため、“バイベルス・コクリュート”の進路上にウィルは立った。

“グラジエル”を眼前に構えた後、右肩よりに振り上げる。

「ブライト」

 その言葉で“グラジエル”の刃の部分が光に変わり、十メートルほど伸びる。

「ブレイド!!!」

 そう叫びながら縦に振り下ろす。

近くまで来ていた征服者をそれで何体か切り捨てる。

振り切った後で光が柄から離れ五メートルほど飛び、

「バスター!!!!」

 爆発。

爆風でウィルとアス(?)の髪が跳ね上がる。

それで征服者たちは全滅した。

跳ね上がっていたアス(?)の髪が降りる。

それと同時にアス(?)は右腕を地面と平行になるように横に上げる。

「邪魔を……」

 右手を開く。

するとそこに一本の槍が現れる。

その槍はもともとついている刃の他にもう一つ刃がついていた。

その槍が落ちる前に掴み、

「するなぁあああああ!!!!!」

 右腕を後ろに下げながら右足を一歩前に踏み出し下げていた槍を振り、思いっきり槍を投げる。

その槍は真っ直ぐとウィルに向っていく。

「光剣“グラジエル”!!」

 刃を失っていた柄に再び刃が現れる。

今度は右方向に横に引き、槍に備える。

「「!!?」」

 だが突如槍は空中で止まった。

ウィルもアス(?)も驚愕する。

「駄目ですよ〜喧嘩は〜」

 二人は一斉に声がした方を向く。

そこには右手を槍のほうに向けながら微笑んでいるマキがいた。

「アリス」

 アス(?)……アリスに向ってマキは手招きをしながら呼ぶ。

「髪……切りそろえてあげる」

 その言葉を聞き、アリスは自分の髪を触ってみる。

触ってみて、確かに切りそろえなければ不格好だなと思う。 

「……いい」

 でも今は人に何かを頼めるような気分ではなくそれを断る。

「いいから来なさい」

 しかしマキはその否定の言葉を聞き入れず、アリスに近づき右腕を掴むと無理やり連れて行った。

「……勝者、アス」

 アリス達がリングを降りたところで思い出したように小さくアリスの勝利が告げられた。

いままでと違い歓声はおこらず闘技場の中庭は静寂に包まれていた。

アリスを引きずっているマキに対して出番待ちの選手たちは今まで殺気だっていたのが嘘のようにおとなしく道をあける。

ウィルはどんどん遠ざかっていくアリスの背中を見えなくなるまで見つめていた。

 



 〜闘技場、回廊〜

 闘技場の中庭からでて回廊に着いたところでマキはハサミを取り出す。

アリスはそれを見ておとなしくマキに背を向けながら思った。

(なんで都合よくハサミ持っているんだ?)

“気にしたら負けだよ?”


「「・・・・・・・」」

 マキがアリスの髪を切りそろえている間、二人に会話はなかった。

「完成〜」

 いつのまにかマキはいつもの様子に戻っている。

そして手鏡をアリスに渡す。

アリスはそれで自分の髪を見てみる、今までずっと長かったせいか、髪自体は整っていたがまったく似合っていないなと思った。

そしてこうなってしまったしまった経緯を思い出し、ふと疑問が出来た。

「なんであいつはアンを助けたんだ……?」

「教えてあげようか?」

 その問いに答えたのはマキではなかった。

声がした方を向く。

そこには明るい、それゆえに眩しいと思えるような笑みを浮かべているリンがいた。

「いつだったかウィルは私に騎士に憧れてるって言ってた。」

 私の返事を聞かずにリンは話し始める。

「だからこそウィルは守る。自分の身もかえりみずに守る。自分が助けられるなら手を差し伸べる」



 俺たちには?byライム・フウガ

 細かいこと気にしてんじゃねぇよby俺



〜アリス視点〜

そうか……同じなのかあいつは……

「そんなウィルと一緒だったからこそ私は……」

 リンが何か言っているような気がするが……まぁ、いいや。

 あいつは同じなんだ……あのころの私と……

「ウィルに伝えてくれないか?」

 だからこそ私は……

「お前は必ず殺す」

 あいつにも気づかさなければならない。

騎士などに憧れる価値はない、騎士とは愚かなものだと。

 そう……かつて私のように。



 さぁて、アス=アリスに気づいていた人っていたかな〜♪

リィ「ふ、ふん。私は気づいて……」

シーク・俺「「なかったんでしょ(だろ)?」」

リィ「ぐっ……」

シーク「リィ、見栄なんてはらなくていいよ。だってリィは素でも十分素敵なんだから」

リィ「シーク……」

 そこ惚気るな。ついでに言うと伏線自体は張っていました。

シーク「例えば?」

 これ自体は直接的じゃないけど紹介の時アスだけ性別分かってるはずなのに書いてない。

リィ「マジッスか?」

 マジッス。他にもあります。気づけた方は是非言って下さい。ギアが褒めます。

ギア「何で、俺!?」

 それでは感想・評価をギアが待ってます。

ギア「マジでやるのか!!?」


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