番外編 最たる異端と黒き十字架 後編
久しぶりの戦闘だぜ、いやっほぉぉぉいいい!!!!
後、これで終わらず、終編に続きます。
「さて、シークお願い。」
「うん、分かった。エミリアさん、ごめんね。」
「えっ?」
エミリアの反応を待たずにシークはゆっくりと右足を引き、思いっきり家の入り口のドアを蹴り飛ばした。
それによりドアとその近くにいた吸血鬼たちが吹っ飛ぶ。
「ちょぉぉぉおおおお!!!?」
「シークは親の方をお願い!!私は家の周りのやるから!!」
「了解!!」
エミリアの叫びは華麗にスルーし、お互いの役割を確認する。
その後まずシークから外にでて背負っている銀製の十字架の上らへんを右手で掴み上に抜く。
するとちょうどその部分が上がる。
それには刃がついていた。
どうやらシークの十字架は仕込み刀のようだ。
その刃は分厚く切り裂くよりも叩き切ることを目的としているようだ。
シークは刃を右の方に腰のあたりまで振り下ろす。
その後すぐ、リィが腰に差していた二本の刀のうち片方を抜き、シークのほうへ駆け出し跳ぶ。
ちょうどシークの左肩辺りまで届いた時その肩を踏み出しにしてさらに、今度は高さを重視して跳ぶ。
最高点に達したところで
「現れ、雷!!」
そう言うと刀は雷を帯びる。その密度は増していった。
「“神鳴”!!」
ある程度密度を増したところでそれをエミリアの家の前方にいる吸血鬼の集団に投げる。
それは技名の通りまさしくカミナリ、吸血鬼たちを轟音とともに消し去り後に残ったのは地面に刺さる刀だけ。
それを合図にシークは駆け出す。
突き刺さったリィの刀を抜き、リィの方へ山なりに投げる。
リィはうまく、投げられた刀の柄を掴む。
それを確認するとシークは再び吸血鬼の親を探しに駆け出した。
リィはシークが言ったのを確認すると“神鳴”の範囲外にいた吸血鬼の方へ向き、
「生まれたばかりのあんた達に言っても分かんないでしょうけど名のらせてもらうわ。」
そこで一旦言葉をきり、再び口を開く。
「我こそが、ジジィの二番弟子にて、ジールニオンの“トップ”レンジャー・・・リィ!!!」
この言葉の意味分かってくれるとうれしい。
「さぁ、私に出会ったこと・・・十分に後悔しなさい。」
だが、吸血鬼たちはまったく恐れはしない。
いや、気づきはしない。その言葉がハッタリではないことを。
一匹がリィに突っ込んでいき、右腕でリィの頭を砕こうと人外の力で真っ直ぐ突く。
だが、リィはそれを完全に見切り避けながら吸血鬼の懐に入りその胸を一突き、さらに上へと切り上げる。それにより完全に吸血鬼は絶命する。
その間に他の吸血鬼がリィの背後に回りその首を鋭き爪で切り裂こうとする、がリィはまるで後ろに目がついているかのように簡単に避ける。そして振り返りそいつの首を切り落とす。
「殺気ダダ漏れよ、バレバレ。」
そろそろ吸血鬼たちはリィとの圧倒的な力の差が分かってきた。
なので今度は四体で四方を囲んで同時に攻撃した。
するとリィは少し俯き、
「・・・・を糧に、我が力となれ。」
そう呟く、吸血鬼たちには最初の言葉はよく聞こえかった。
リィの前にいる吸血鬼にだけリィの表情が見えた。その表情は先までからは考えられないほどの穏やかな笑みだった。
そしてここからは見事なものだった。
まずいつの間にか前方の吸血鬼の両腕を切り落としそれから跳び、前方の吸血鬼の胸を蹴り宙返り。
なおこの際そいつの首を切り落としている。
宙返りで他の吸血鬼たちの攻撃を避け、後方にいた吸血鬼の後ろに着地しそいつの首も切り落とす。
さらに残りの二体の片方の方の背後に素早く回り、また首を切り落とす。
そしてそいつの死体を思いっきり蹴る。それに巻き込まれ最後の一体も倒れる。
そして倒れた吸血鬼の胸辺りを踏み、最後に首を切り落とす。
すぐにリィは周りを見渡す。まだまだ吸血鬼はいっぱいいる。
「わざわざ全員相手すんのもめんどくさいわね・・・」
一度溜息をこぼし、それから吸血鬼たちに片手で刀を向け、
「喜びなさい。特別に私の秘剣の一つ、見せてあげる。」
そう言うと向けていた刀をゆっくりと腰の右まで動かし、刃を吸血鬼たちがいる方向に向ける。
「現れ、焔。」
今度出ている炎の量はさっきの“神鳴”の時の雷の量すらちっぽけに思えるほどの大きさだった。
「秘剣、“火乃伽倶土”」
正直に言う。この秘剣は剣術の一欠片もない、それでもリィが自分の秘剣の一つにしているのはただ単に圧倒的な攻撃力があるからである。
そしてその炎をただ横に奮う。
それだけで吸血鬼たちはほぼ全てが炎に包まれ、ほぼ全てが灰と化す。
「じゃ、後はあんただけね。」
リィは最後の吸血鬼に刀を向ける。
「ねっ、エミリア。」
その先にはエミリアがいた。
まぁ場所は変わってシークSIDE
おびき出されているのかな?見事に一体ずつそれもこの方向の探索を止める絶妙な距離で遭遇する。
まぁそうだとしても別にいい。
リィの方は“あの”刀もあるし、どんな事があっても負けないだろうし、エミリアさんの正体も見抜いてる。多分あの人も親なのだろう。
しかし、僕の本能・・・そう、夢が破れたいや、奪われた上で手に入れてしまったこの力が、それの本能がエミリアさんだけではないと叫ぶ。
そうシークが考えていると吸血鬼たちの新手が来る。その数六体、一気に増えてきた。
そのうち一体がシークに右腕で殴りかかってくる。
それは人間相手ならとても力強く、重そうな拳だった。だが、
「軽すぎるよ。」
シークは剣を持っていない左手でその拳をやすやすと受け止める。そして、握り締める。
すると、吸血鬼の右拳はいつの間にかなくなっていた。いや、もげていた。
シークは左手を軽く振った後、剣を振り上げ、下ろし、吸血鬼を真っ二つにした。
シークは一体目を真っ二つにした後、力強く前に右足を踏み込み二体目の顔を左腕で殴る。
さて、ギャグ漫画で殴られたりして顔に穴が開く、というのを見た事があるだろうか?無論それはギャグだからこそで、殴ったぐらいでは顔に穴なんて空くはずがない。
だが、今シークはそれをやった。いや正確にいうと顔全部吹き飛ばした。
そう、シークの一番の武器は十字架に仕込んでいる剣ではない。自身が持つ人間離れした剛力。
最初のもその剛力をもってただ握りつぶしただけ。
さて話を戻そう。
シークは次に剣を横薙ぎに思いっきり振った。人間離れした剛力をもって振られたその剣もまさしく剛剣、まぁその分技術のへったくれもないが、吸血鬼たち三体をまとめてやすやす切り裂く。
そうして最後の吸血鬼にゆっくりと近づく、シークの今の格好は神父のようなものなのだが、吸血鬼には悪魔のように見えているだろう。
恐怖に駆られ、吸血鬼が自棄気味にシークに殴りかかる。が、もちろんそんなもの当たるわけなくシークは避け、間合いを詰める。そしてその顔を掴み握り締める。さすがに頭は全部握ることは出来ないので握りつぶしたその光景はかなりグロいのでどんなふうかは略す。
最後の吸血鬼を絶命させてからそのまま少し佇んでいると、この光景には似合わない、拍手をする音が聞こえてきた。
その音のする方へ振り返って見るとそこに一人の男がいた。
「素晴らしい、実に素晴らしい!!」
シークが男に気づいたのを知るといきなりその男はそう叫びだした。
「本当に見事だった。吸血鬼の頭すらたやすく握りつぶすとは。いわゆる能力というやつかね?」
「まぁ、そんなところだよ。」
「ほう、やっぱりか、まぁだからこそ人間と殺しあうのは実に面白い。」
その言葉とともに男から濃密な殺気を感じられた。
こいつは今までの奴らと格が違う。
「さて戦う前に名乗りというこうか、我輩はこれが大好きでね。」
ちなみに俺も好きだ。
「我こそはヴァンパイアロードの一人、ジュラン。」
「ヴァンパイアロード!?」
「まぁ、真のロードにはほど遠いがね。」
「ふぅん・・・それじゃあ僕も名乗らせてもらうよ。僕はヒリュウが三番弟子、ジールニオンのナンバースリーレンジャー、シーク!!」
「ふむ、お互いの名も分かったことだし、いざ尋常に・・・」
「「勝負!!」」
TO BE CONTINUE・・・
リン「今回は私と・・」
マオ「・・・僕のボケボケコンビ+作者でお送りするよ。」
自覚あるんかい。
リン・マオ「「うん。」」
・・・んなはっきり言われても。まぁ今回は速攻で本題に入るとするか。
リン「今回は何?」
マオ「・・・作者のことだからきっとたいしたこと無い。」
・・・言い返せないけど、今回は違うぞ!PVアクセスが一万超えた。
リン「ふぇ〜凄いじゃん。」
さらに正確に言うなら+二千。
マオ「・・・まぁ、毎回土日来てくれる人もいるしね。」
うむ。まぁ少ないけどそんな人がいるだけでも本当嬉しい。
リン「確かにそうだね!!とうわけでこれからもこの小説をよろしくお願いします!!」
マオ「・・・まだま駄文だけどね。」
ぐっ!!まぁ出来るだけ精進します。後エミリアを英語で書ける人がいたら出来ればどう書くか教えてください。それでは感想待ってます!!