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太陽は昇る  作者:
16/34

第十四話 日の出

今回は後書きを本文中に書きましたそして第一章完。



 体が動かへん・・・ははは、最上級魔法くらって無理やり動いたんやけ当たり前か・・・誓い、守れへんかったな。

「無様だな。」

「!?・・・悪い、あの誓い守れんかったわ。」

「何言ってやがる、あんな誓い守ってもらうより、お前が死ぬ方がよっぽど悲しい。」

「なっ・・」

 ふっ、こいつは・・・昔からこんな恥ずかしいことさらりと言うな・・

「第一、たった一度敗れただけで最強になれないわけないだろうが。」

「ははは、そうやな。」

「マキたちもやられたみたいだし・・・はぁ、しょうがねぇな。後は俺に任せろ、フウキ。」

「あぁ、まかせたで、フウガ。」




 突然、その男は現れた。

 そいつは男にしては珍しく、銀色の髪を腰の位置よりも長く伸ばしていて男の俺でさえ一瞬見惚れるほどの美しい顔だった。特に自身に満ちた髪と同じ銀色の目が。

「さぁ・・・」

 ゆっくりと口を開き、

「来い、雑魚ども。」

少年ように笑いながらそう言った。

その笑みとは裏腹にとてつもない殺気を感じた。多分こいつは滅茶苦茶強い。

「あああああああああ!!!!」

 俺はあいつとの距離を詰め、剣を振り下ろした。

 あいつは避けようともせず、

「開け、東の門。“風掌”」

そう呟き、左腕をかざした。

「・・・!?」

 信じられないことに俺の剣はただの腕に止められた。いや、よく見てみると剣とあいつの腕の間にわずかな空間がある。

「開け、東の門。“風蹴”」

 おそらく、やつは右足でのミドルキックをしたのだろう。おそらくなのはまったくあいつのやったことが見えなかったからだ。今まで体験したことのない激痛がしたと思うと、俺の体は宙を舞った。三件ぐらいの家を巻き込み、俺の意識は途絶えた。



 

 信じられなかった。あのウィルがあんな簡単にやられるなんて。

 あいつには生半可な魔法は効かないと思う。なら、

「ふうううう・・・」

 全ての魔力を動体視力、反射神経、運動能力の強化に回す。

 あいつはその様子を見て少しだけ口をつり上げ次ぎの瞬間、一私との距離を詰め右からのまっすぐな突き、それまでの動作はとても速かったがなんとか反応できた。

その突きを左手で右に捌き、あいた顔に右腕の一撃を与えようとしたが、あいつはすぐに体を沈め足払いをしてきてそれを私は上にとんで避けてしまった。

あいつはにやりと笑って、足払いに使った足をそのまま回転させ左足を軸とした回し蹴りをした。

私は両腕を下げ、足も出来るだけあげてガードした。瞬間物凄い衝撃が私の体を奔った。

そのまま少し飛ばされたがなんとか着地した、その衝撃さえ今ではつらかったがなんとか耐えた。

今度は私から行った。右腕を振り上げ、顔を狙う。

「甘い。」

 その手は捕まれた。だったら左で。

「だから甘いって。」

 その手も捕まれた。なんとか振りほどこうとするが一向に離されない。

「なぁ、お前は何故戦う?」

「それは・・」

 その続きを言おうとしたが、あいつが顔で上を指すので見上げてみる。

 そこには一つの大きい袋が浮かんでいた。

「あの中にはこの村から盗んだ物が入ってる・・・言いたいことは分かるか?」

「あんたにはもう戦う理由はないってこと?」

「あぁその通り、お利口だな。そう、俺は別にお前と戦わなくてもいい。でも戦ってんのは部下たちの尻拭いだ。

だからな。見逃してやってもいいぞ?」

「はっ!断るよ!」

「ほぉ、何でだ?」

「何故か?そんなの決まってるよ・・・負けるのはなんか癪だ!!」

「なっ・・・!?」

 私は・・・まぁ急所に思いっきり膝を蹴り上げた。

 あいつは必死に痛みに耐えている。捕まれていた手も離された。なので左腕を振り上げ顎を打ち抜く、そして全力で鳩尾に一撃を。

「くっ!」

 あいつは二、三歩後ろによろめく。

「て、てめぇ・・・」

「ふっふっふ・・油断大敵だよ♪」

 私が言うのもなんなんだけどね。

「く、・・・くく、ははははは!!!おい、お前!名は!?」

「人の名前聞きたければ自分から名乗りなさい!!リン・トウノだよ!」

「えっ!?いやどっちだよ!?・・・まぁいっか。こっちも名乗ろう。元カエデ家直属部隊疾風総隊長フウガ・カエデだ。」                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            

 あいつ・・・フウガはそこでいったん黙る。また風が吹き、木がざわめく。そしてフウガはゆっくりと口を開く。

「お前のこと気に入った。亜風に入らないか?」

 これには驚いた。私の答えはもちろん決まっているがそこに行き着くまでには時間がかかった。そしてその答えを言うことはなかった。だって・・・

「ふざけんなあああああああ!!!!!」

「ぶっ!?」

 なんかライムがいきなりフウガにむかって跳び蹴りしてきたから。





 よし、やっとついた。ん?リンの前にいる奴って・・

「・・・・疾風総隊長フウガ・カエデだ。」

 やっぱり。しかしあいつガキの時と変わらず髪長ぇな。

「お前のこと気に入った。亜風に入らないか?」

・・・はい?えっと、何言ってんのかなあいつ?よしとりあえず助走をつけて・・・

「ふざけんなあああああああ!!!!!」

「ぶっ!?」

 腐ったあいつにドロップキィィィィック!!!

 元ネタ分かる人いるかな?




 先ほどの突然のドロップキックの痛みを乗り越えたフウガはライムの方に振り返り、

「なっ!?誰だ!いきなりなにしやが「そいつは俺が狙っとんじゃあああああ!!」

「「はっ!?」」

 文句を言おうとしたフウガの声を遮ってライムが・・・ライム?私とまだ会ったばっかだよね?

 多分今私の顔は真っ赤だと思う。

あっ、そういえばライムって告白して振られたんだっけ(リンの勘違い)←まだまだ引っ張りマス♪

 その悲しみの中私に出会って(以下果てしなく暴走が続きそうなので略)




「そいつは俺が狙っとんじゃあああああ!!」

 そりゃあな?この試験(?)って無茶苦茶な奴やけどな。(テンションの上昇によりフウキと同じ状態)ジジィに一人前って認められるためにもわいは絶対達成してみせる!!でもな、あのめっっちゃ緊張感ない六神王(正確に言うとフェルト)のおかげで世界中リンを探さんといけんことになったんや・・・そんなリンがもう見つかったんや、いやもう最初は驚いたけど嬉しかったよ?これでもう当てのない旅せんでええしね。だから・・・もうこれ以上リン探索に手間かけてたまるかああああああ!!!!



 

「そいつは俺が狙っんじゃあああああ!!」

 えぇと・・・恋愛関係か?(違います)ていうかあいつよく見たらライムじゃねぇか。なんでここにいんだ?

まぁいい。リンはおそらくマオやアスより強いだろうし十分戦力になる。俺は・・・デモン騎士団を倒すためにも亜風を強くしないといけないんだよ。だから・・・

「リンは渡すか!!!」

 そうしてそれぞれの意地をかけ二人は駆け出す。




状況(それぞれの思考)整理

ライムとフウガ(こいつをぶっ倒す!!!)

リン(私を巡って争わないで!!)ノリノリ

村人達とフウキ(えぇと・・・何これ?)




「開け、東の門。行け、“風竜波”」

 風が集まり小型の竜の姿になり、ライムに向っていく。

 それをライムは横に転がり込むことによって避ける。

 そこから急いで立ち上がると目の前に少し口を吊り上げたフウガが立っていた。

 コンマ一秒もたたず、鳩尾あたりを殴られた感触を感じ、凄まじい激痛がライムを襲った。

 しかし、ライムはその痛みに耐え、

「“ボルト”!!」

右手の拳にスタンガンほどの電気を帯びさせフウガに向けて押し込もうとする。

だが、人間の限界よりを遥かに超える速度で移動できるフウガに当たるわけがなく、逆に右足からの先ほどの一撃を超えるほどの強力な蹴りを喰らい、ライムは吹き飛ぶ。

少しだけ時が経ち、ライムはゆっくりと立ち上がる。

「ライム・・・」

 その姿はぼろぼろでとても戦えそうではない。

「もう、お前に勝ち目はないな。」

「あぁ、そうだな。」

「?」

 フウガはライムがあっさりとそのことを認めたことに疑問を覚える。しかし、その疑問はすぐに消えた。

「今の俺、“ライム”じゃお前には勝てない。さすがにもう魔力も尽きたしな。」

「お前、まさか!」

「半覚醒。」

 言い終わると、ライムの体に異変が訪れる。

 まず、髪が伸びていく。

 次に、額から真っ赤な角が生える。

 そして、そこを中心に髪も含めて体全体が赤く染まっていく。

 まるで血のように紅く染まっていく。

 赤く紅く、染まっていった。

「・・・“朱雷”」

 その姿はまさしく異形、だがとても美しく誰もが見惚れた。

「その姿は・・・?」

「俺なりに努力したんでな、十分の一だが何とかコントロールできる。」

「そうか・・・まぁあれから五年もたってんだしな。」

「あぁ、もうあんなことはしたくない。」

 思い出す。血まみれの村、血まみれの自分、怯えた彼女・・・

「まぁそれはもういい。俺はリンを渡さない、だから・・・決着といこうか。」

「あぁ。」




「開け、東の門。東より出でて全てを飲み込め!」

 フウガの周りに膨大な風が集まり、竜の姿になる。その姿は先ほどよりも忠実に竜の姿を再現していた。鱗が紅葉のようなことを除いて。

「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 ライムの咆哮とともにライムの前方に今のライムと同じように紅い雷が現れる。

「秘技“烈風竜王・・・」

「“クリムゾン・ボルテ・・・」

 二人が技を放とうとした瞬間。

「ちょいまちぃなぁ〜」

 果てしなく場違いな間抜けたフウキの声。

「「なんだあああああ!!!!」」

 そりゃあ、キレるわ。

「いやぁな、一つ思ったんやけどな。この流れをマキが見たらどうなるやろうな?」

「「・・・!!」」

『?』

 分かる人には分かるセリフ。

「あ、あははは。そそそそんな恐ろしいこと言うなよ、フウキ。」

 先ほどまでの態度からは考えられないほどの怯えっぷり。

「そうか、それは残念やったな。」

「は?」

 フウガは最初フウキの言っている意味が分からなかった。が、すぐに理解した。

「フ・ウ・ガ・さ・ま〜」

 後ろからのとても聞き覚えのある声によって。




 後ろを振り返る。そこには冷や汗だらけのアスに寄りかかって微笑んでいるマキがいた。勿論その目は笑ってない。

「ななななんでしょうか、マキさん。」

「いやですわ、フウガ様〜。ただの部下であるわたしに敬語なんて使わないでください。」

 やばい。語尾が伸びてないし怒ってる。

「いや、でも年上は尊重しないとね。」

「そうですよねぇ!!どうせ私はもうババアですよね!!!」

「いや言ってない、言ってない!!てかお前まだ23だろ!!」

「こんんな年増より、若い子の方が良いですよね!!!!」

「聞いてない!?」

「フウガ様の浮気者!!」

「いや、いろいろ言わせぶっ!!?」

 マキは土の塊をフウガに放っていた。本来なら余裕で避けられるのだが、まぁ、コメディの法則。

 それによりフウガは倒れる。

「うわあああん!!!」

 マキが泣きながら走って行く。

『・・・・・・・』

 そして残されたものたちにはなんかやるせなさが、

「・・・帰っていい?」

『・・・・あっ、あぁどうぞ。』





 朝早くに花束を持ってウィルは歩く。

 目的の場所につくとそこには大量の真新しい花束があった。

 誰が置いたのか心当たりがとても多いことに思わず微笑む。

 片膝をつき自分の持っている花束をそこに加える。

 そして、大量の花束が添えられている墓を見て、

「言ってきます、母さん。」


「ウィルーーー!!!」

 ちょうどやることが終わったときに彼女の声が聞こえたので振り返る。

 昇った太陽が眩しかったので目を腕で覆った。



『第一章完結!!!』

 いやぁ・・・まさか二・三ヶ月もかかるとは思わなかったよ

リィ「まぁ、週一だし当たり前でしょ。」

 本来不定期なんっすけどね。

シーク「今回は何時もよりも多かったね。」

 ふっ、まぁな。

リィ「他の小説からみたら普通か短いくらいけどね。」

 くっ、たしかにそうだけど。

シーク「そういえば一章が十話ほどで終わったけど、八十話ぐらいで出る僕たちは何章で出るの?」

リィ「そうそう、大分先なんだよね・・・」

 次の章で出るけど?

『えっ!?』

 て、言っても後半ぐらいだから、速くて五十話、遅くて予定通り八十話ぐらいかな?

リィ「一章が十話ほどなのに六十話ぐらいあるの!?」

 まぁ、三章も合わせたからね。それに二章では今回あんまり出来なかった日常編も入れていくつもりだし。

シーク「なるほど。」

 なんなら“一方そのころ・・”的な形でだそうか?

『是非ともそうしてください。』

 まぁそれは考えておくとして、これから二話はキャラ紹介とこの小説の中での魔法とかの説明するつもりです。

リィ「後者いんの?」

 まぁまぁ、それでは次章“地と風の四門”を楽しみに待っていてください。

リィ「相変わらず駄文だろうけどよんでやってください!!」

 ・・・もう、いいや。

シーク「感想待ってます!!」



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