第十三話メシア
学校の行事で先週に更新できませんでした。すいません。
何故あいつらは戦うのか?何故逃げない?分かっているだろう、私たちより圧倒的に強い奴らなら。あのサモナーにたった二人では勝てないことに。助けなどないことに。
「・・・戦っても意味はないやろ!このままじゃ負けるって分かるやろ!」
サモナーがあいつらに問う。
「確かにそうだね・・」
肯定する。やっぱり分かっていた、では何故だ?
「そうやろ。別に逃げてもいいんやで?お前ら殺したいわけやないし。」
「自分のことしか考えてなかったら、そうしてるよ。でも私たちが戦わなかったらこの村は誰が守るの!?」
私たちに驚愕と戸惑いが。何故だ!?お前らにそんなことをしなければならない理由などないだろう!!
「な、何言うとんや、自分!?わいらこの村のことに事前に調べとったけどな、あいつらに命かけて守る価値なんてないで!?」
「はっ!」
あいつはその言葉を鼻で笑う。
「守る価値なんてない?あぁそうさ。私もウィルも大分ひどい目にあった!でも、それがどうした!だったらこれから変えてやる!」
変えるか・・・変われるのだろうか?ずっと変わらなかった私たちが。何年も人を頼る、信じることなど出来なかった私たちが。
「それ以前に人を助けるのに理由なんているの!?」
「!?」
誰が最初だったのだろうか?その言葉で勝手に体が戦場へと赴いた。
『ウォォオオオン!!!』
やられる!
思わずリンは目を瞑る。
「リン!!!」
血がまた一つ湧き出る。
『キャン!!』
ウルフの、
「え・・?」
リンは目の前の光景が信じられなかった。目の前には助けてくれたであろう人。いや、よく見ると周りにはもっと、おそらく村で戦える人は全員いるだろう。
「何で・・?」
思わず呟く。それに対して目の前の人は呆れたように微笑んで、
「さっきで自分言ったことも忘れたのか?人を助けるのに理由なんていらないんだろう?」
「!?・・・そうだね!」
驚きはしたものもすぐに笑みになるが、
「信じて良いのか?」
ウィルの言葉によりその笑みが固まる。
ウィル・・・ウィルのお母さんは村の人に殺されたのも同然だしね・・・
「信じてくれなくていい。」
え?
「ただ、今俺たちがお前たちを助けたい。それだけは分かってくれ。」
「・・・じゃあ、時間を稼いでくれないか!?」
「あぁ、任せろ。」
「リン、手伝ってくれ!」
「うん!」
あぁ、嬉しい。はじめてだ、こんなに嬉しいのは。
今、闇は晴れていく。
「「ふううう。」」
二人は深く息を吸う。そしてそれぞれの手を向かい合わせ、
「「照らせ、導きの象徴!!」」
「うっ!?」
位置的にリンたちが見えるフウキの目が眩むほどの光が現れる。
「「覆いし闇払い、全てを照らす光よ!!」」
「ま、まさか、あいつら最上級魔法やる気か!!」
「「闇に輝き、全てを導く光よ!!」」
「い、行け、止めろ!!」
ウルフが駆け出す。
「おらぁああ!!」
「通させるか!!」
「轟け、破壊の象徴。今我が敵を打ち砕け、“サンダー”!!」
その進軍は村人たちに阻まれる。
「「闇の中でも一片だろうと輝け!!迷いしものを導く標となれ!!」」
「くっ、吹け、自由の象徴。今我が敵を切り刻め、“エアスラッシュ”!!」
リンたちに幾つもの風の刃が迫る。だがリンたちは詠唱をやめない。なぜなら、
「進め、侵略の象徴。今全てを打ち砕け、“ファイヤ”!!」
「吹け、自由の象徴。今全てを打ち砕け、“エア”!!」
「聳えろ、守りの象徴。今全てを打ち砕け、“ストーン”!!」
守ってくれる仲間がいるのだから。
「「今、絶望の闇も晴らせ!!全てのものに、希望の光を照らせ!!“メシア”!!!」」
『行けええええ!!!』
「くそぉぉおおおお!!!」
光が姿を変えていく、それは翼をはやした一人の女性。
そこから溢れだす光がウルフを、門をそしてフウキを包んでいく。
十二個の席が円上に並びどこか神秘的な雰因気を漂わせる部屋にそことは似合わない雰因気をもった三人の女性が一人の持つバレーボールぐらいの大きさの水晶を見ていた。
「わぁ、見て見て!ファル、セツナ!これメシアじゃん。」
水晶を持っている女性がはしゃぎながら他の二人に水晶を近づける。
「本当だ、なんかうれしいな、自分の創った魔法が使われるのを見ると。」
それに対しファルと呼ばれた女性は少し微笑みながらメシアとそれを使った二人を見る。
「そういえばそうだったね。」
おそらくセツナであろう女性がそれにたいして相槌をうつ。
「まぁ、世界を救う勇者さまの初陣は無事勝利ってとこかな。」
「そうだね・・!?いや待って。」
「どうしたの?・・・あぁなるほど。」
名前がわかっていない女性がそれに反応して水晶を見てみると、ファルの言ったことの意味を理解する。
「とりあえずサクラ呼ぶ?」
「うそ・・」
思わず驚きの声が、
「・・・・」
メシアを喰らってなおフウキは血だらけになりながらも立っていた。
「・・・・んや。」
「?」
「あいつにもらったこの名にかけて・・・負けられんのんや!!!」
助けられてから大分経ち、傷も癒えてきた。そんな時だった。
『そういえばあんた帰るとこあんのか?』
『いや・・任務に失敗した以上組織には帰れないし・・・』
『そうか・・・あんたって暗殺者ってことはそれなりに強いよな?』
『ま、まぁ。といっても俺は白兵戦より支援の方が得意だが。』
『そんなのどっちでもいい。行く宛てないなら俺に仕えてみないか?』
『えっ、まぁお前がいいのなら・・・』
『よし、じゃあ決まりだな。そういえばあんた名前は?』
『いや、ない。』
『そうか・・・じゃあ俺がつけてやるよ!』
『・・・じゃあお願いしようか。』
『うーん、そうだな・・・そうだ!フウキなんてどうだ!?』
『フウキ?風に鬼か?』
『あぁ、どうだ。かっこいいだろ。』
『ははは・・・(やっぱり、まだ子供だな)』
『・・・今のカエデには強さが必要だ。』
『?どうしたんだ。』
『俺はカエデをまた強くさせてみせる。カエデは俺が守る。そのためには強者が必要だ。たとえば鬼のような。』
『なっ・・・ふっ、はは、はははは!!』
『うわ!?どうした!?』
『分かったわ、その名に誓ってわいは最強になるわ。』
『?なんか口調変わってんぞ。』
『いや、いいんや。名無しの暗殺者は任務に失敗して死んだんや。いまここにいんのはお前の部下で最強めざしとるフウキや。』
『うん、そうか・・・あっ、でも最強は俺だかんな。』
『はっ、ガキに負けるか!!』
『んだと!!!』
負けられん!こんなところで負けたら最強なんかになれない。あの誓いは絶対に守る!!
「風刃“オーガス”!」
風が現れ、短刀の形になる。
「うおおおおおお!!!!」
そしてフウキは駆け出す。
それに対してリンは一気に距離を詰め、
「ごめん。」
そう呟いた後、フウキに渾身の一撃を。
「ガッ!!」
フウキは数メートルほど後ろにとび、立ち上がることはなかった。
「か、勝った・・」
一気に体の力がぬけ、膝をつく。
そして一陣の風が吹いた。
リン・ウィル・村人たち対フウキ・ウルフたち
結果リンたちの勝利。フウキ重傷、ウルフ全滅。ただしリン・ウィルの消耗も激しい。
こんな駄文ですが、これからも・・・
シーク「速いよ!!?後書きの意味ないじゃん!!」
リィ「そうよ!そして前回の誰だあああ!!!」
うっせえええ!!!!そう来ると思ってたんだよ!!つうか流れ的に分かるだろ!!
リィ「あんな本文読みたくもないし。」
ぐはっ!!!
シーク「今までで一番効いてそうだね。」
リィ「くっ!まぁいいわ。次回第一章完結よ!」
シーク「この作者だから多分グダグダになるとも思うけど、ぜひ読んでください!」
???「感想待ってるぜ。」
リィ・シーク「またか、貴様!!!」