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サヨナラ世界  作者: こぶた
19/19

0・サヨナラ世界



これは、「目が覚めたら虫になっていた」でも「恥の多い生涯を送ってきました」でもない、平凡で退屈な始まり方をする物語。




日々繰り返される自己否定、自己破壊衝動、希死念慮。

叫びのような、許されたい、愛されたい、嫌われたくない、苦しい、辛い、救われたい、助けてと言う声。





何度繰り返されたかわからない脳内大戦では、毎日「生きたい」「死にたい」がひたすら殺し合い、停戦しては共食いを始め、腐り死に果ててはまた生まれ、殺しあう。







ーーー想像も出来ないだろう?



日々を溶かし続ける無気力な僕の脳内では、こんなに葛藤が、苦悩があることを。





ーーー想像はつくかい?



凶悪事件のニュースを見るたび、「いつか自分がこんな事件を起こすんじゃないか」という恐怖。



そして、全ての存在に自分は否定されている、誰も味方がいない、という孤独。



生きていることへの罪悪感、生きる意味のわからない無価値感。






いつ目覚めても地面を這いずり歩く虫ケラ以下の存在で、恥の多い生涯をこれから先もずっと続けなければならないという絶望。






ーーー全てが怖い。全てが嫌い。





生きることも、死ぬことも、僕を否定する誰かも、頭の中に浮かぶ誰かも、耳元で聞こえる声も。




変わりたいと願うだけで、何もしない自分も。




全部大嫌いだ。死んでくれ。






そんな僕の綴る物語。だから、この物語は平凡で退屈。


何も変わらない、誰も救われない。







生きるのも死ぬのも、全部誰かのせい。

都合よく誰かが救ってくれるのを誰もが期待している。



そんな、くだらないお話。







それでも………



絶望を叫ぶ誰かに幸せになってほしい、と願ってしまう。


希望を歌う誰かに救われる人がいて欲しい、と願ってしまう。





どんなに非現実的でも、そうなってくれれば僕が救われることになるから。






だから僕は、この物語を綴る。



僕のために。

僕の脳内で生まれる、希望と絶望の世界のために。






「死にたい」と思うこともそれを口に出すことも許されないこの世界に、いつかサヨナラを告げるために。




サヨナラ世界:オープニング

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