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インタールード2
彼女は悲しそうな顔で笑う人だった。
「希望」を歌う少女、MIKOTO。
彼女の歌は沢山の人を絶望から救った。
僕を孤独から救った。
小さい僕は孤独だった。
その孤独に寄り添うに彼女の笑顔が僕の心に沁み入る。
彼女は無条件でその孤独を愛してくれた。僕の心に寄り添ってくれた。
そして泣きそうな顔で「辛かったね」と言う優しい人。
「あなたは一人じゃないから安心して」と笑う彼女。
その顔がとても悲しそうな、泣き出しそうな顔に見えた。
希望を歌う少女。いつからか彼女はそう呼ばれるようになった。
テレビで、雑誌で、街頭ビジョンで映し出される彼女の天使のような笑顔。
僕に笑いかけた時と同じ、悲しそうな笑顔。
彼女が何故そんな顔で笑うのか、僕には少しだけわかる。
「助けて」を隠す、仮面。僕にはそう思える。
彼女の歌が人の心を打つのは、彼女が希望を求めているからなのではないか。
もしも彼女が孤独に押しつぶされそうになっているのなら。彼女が希望を求めているのなら。
誰が彼女に「希望」を歌ってあげられるのだろう。
サヨナラ世界:「希望」を歌う少女について




