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サヨナラ世界  作者: こぶた
13/19

12・羽田ヒデキの場合

「お前より不幸な人間はいくらでもいる」


「あの子はあんなに頑張っているのに」


「あの子は結婚して子供もいるのに」






ーーーごめんなさい。






これらの全ての言葉の後には、「なのに何故あなたはできないの?」とか、「これだからだからお前みたいな無能のクズは」と続くだろう。



僕がどれだけ頑張っても認められない。僕はどれだけ頑張っても人並みにはなれない。






両親は僕に厳しかった。一人っ子だったから、きっと期待していたんだろう。



それなのに、僕はどれだけ頑張っても人並み以下だった。


両親は僕の努力よりも結果を求めた。






ーーー僕の努力はなかったことにされた。結果が全てだと教わった。






僕はきっと両親に期待されて生まれてきただろう。



僕はきっと両親の期待通りに生きれなかっただろう。






ーーーごめんなさい。






両親は何故僕が周りと同じことができると思っているんだろう。


僕はなにもできないクズなのに。





いつからか「死にたい」と思うようになった。




それを口にすることも、自殺することもできなかった。


僕には死ぬ勇気なんてなかった。たぶん思ってるだけで死ぬ気なんてないんだと思う。




そんなクズのクセに、一丁前に脳も身体も「生きたい」と言っているように活動を続ける。



僕を苦しめ続ける。





そして、生きている以上は欲が湧いてしまう。




人並み以下の僕が普通の人ように何かをしたいなんて許されないのに。




ーーーごめんなさい。




僕にはもうどうにもならない。僕は底辺を這いずり歩くような生き方しかできない人間だ。





それでも、もしも………





もしも、僕がもっと不幸で、常に自分を責めつづけているなら……クズでも許されますか?



もしも、僕が心や体に深い傷を負っていれば……クズでも生きていていいですか?





もしも………



もしも、僕が死んだら僕が生きていることを許してくれますか?




ごめんなさい。

何もできない無能のクズの分際で許されたいだとか思ってしまって。


ごめんなさい。

五体満足で健康に生まれたのにそれを活かせなくて。



ごめんなさい、生まれてきてしまって。


サヨナラ世界:強欲

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