1・江沼スバルの場合
「被告人を極刑に処す」
僕に判決が下った。僕は死刑されることになった。
なんで、なんで…こうなってしまったのだろう。
昔から僕は何をやっても平凡な結果をのこす、普通の人間だった。
僕は運命で決まっているかのように普通で平凡な人生を送ってきた。
普通の両親の元に生まれ、愛され、普通の幼少期を過ごした。
高校に入ってから、強くも弱くもないサッカー部に青春を捧げた。楽しかったし、友達もできた。
特に何も考えず、とりあえず大学は出ておけって言われて入った大学だったけど楽しかったよ。
仲間達とバカなことばっかりしていたけど、本当にたのしかった。
大好きだったあの子に大好きだって伝えて、好きだって言われた時は本当にうれしかったなぁ。
……きっと、僕の人生は一般的に見たらいいものだっただろう。
それでも、そうだとしても。
…………僕は普通でいるのが嫌だった。
輝かしい何かを手に入れたかった。
友達も仲間達も誰もが羨むような何かになりたかった。
胸を張ってこれが自分だって言えるようになりたかった。
僕は普通で、平凡で。
それなのに…
身の丈に合わない希望を抱いてしまった。
僕は失敗した。
挫折した。
二度と立ち上がれなかった。
最初から僕の運命は決まっていたのに。
だから、思った。
口に出した。
「死にたい」
と。
___被告人、何か言い残すことは?」
「……ありません。」
何が間違いだったんだろう。
僕はなぜこうなってしまったのだろう…
サヨナラ世界:普通の人




