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新春怪談

作者: 三芳野

 正月は太る時期である。

 年末にそばを食べ、年が明けてはうどんを食べ、目が覚めては雑煮を食べる、孤独な独身者ならこれで済むが、親戚づきあいや会社の上司への新年のあいさつなどで酒を飲まざるをえに状況になるとさらに太るのである。アルコール分解の過程で脂肪を作るかららしい。

 それはともかく餅の話である。

 煮てよし、焼いてよし、甘くてもよし、塩辛くてもよしの万能食品である。

 しかしこれを読んでる人もよく知っているだろうがのどに詰まらせて人が死ぬ原因にもなる怖い食品でもある。

 掃除機でのどに詰まった餅を吸い込んで助かったという話もあるので、皆さんは念のため掃除機をいつでもつけられる状態で食べるといいだろう。

 私の知り合いの新藤さんの話だが、彼の曾祖母も餅をのどに詰まらせて死んだらしく、正月が近くなると夢枕に立つそうだ。

 曾祖母なので顔も知らないらしいが彼の一族がなぜかみなそのような夢を見るらしく、曾祖母だと決めつけているらしい。

 まぁ彼の一族といっても曾祖母と同居をしていた彼の祖父母に連なる人たちだけらしいので、最期を看取ってくれた人たちに警告の意味を込めて出てくるのだろう。

 どのような夢かと聞いたら何ともすさまじい形相で右手をのどに当て左手をこちらに伸ばしているのだそうだ。

 毎年そのような夢を見るため彼の一族は餅を食べなくなったらしい。

 もったいないことである。

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