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イノシシと鋼鉄  作者:
2/3

初めまして!!(はじめました)

そんな時代が10年も前にあったそうな。

この事件の果てに世界中が結束。宇宙人への対策に乗り出した。

衛星にいた宇宙人の死骸。未知の兵器。これらが地球の科学を飛躍的に進歩。

世界の平和を守るため、世界に隠れていた超人、超能力者も名乗りを上げ、「ヒーロー」が生まれた。

今、この世界には4種類の人種がいる


1、一般市民・・・一般人。とても脆弱。宇宙人の対策に作られた都市NEONに住む。基本的にヒーロー         にを支持。


2、ヒーロー・・・超人、超能力者。強い。宇宙人と戦うために名乗りを上げた正義の人たち。


3、プラナクローン・・・人造超人。科学の進歩により生み出された。超人より強さがやや劣るが死んで            も変わりがいるのが特徴。


4、宇宙人・・・宇宙外生命体。とっても強い。


はがね 鉄心てっしん。親がこの時代でも負けないようにとつけてくれた、立派な僕の名前だ。

僕はNEONでの学校で日々勉強に明け暮れている。

勇気とやさしさを。幼いころ、親に言われたこの言葉。その言葉を胸にヒーローになる為の研鑽をしている。

この学校はヒーロー学を専門とする学校だ。とある超人が、その人の潜在能力を引き出す力を持っており、彼の能力を科学的に解明。人々の潜在能力を引き出す機械が生み出され、様々な人が超人になった。

能力を持つのは基本的に任意でおこなう。なぜなら、潜在能力に耐えられなくなり死ぬ可能性もある危険な作業なのだ。ぼくは、この超人化を志望した。そして生きている。つまり、超人になれたのだ。

能力はまだない。

「おー、ノーポテンシャルの鉄君じゃないか」

「やめなよ悪事~。本人も気にしてることなんだから~」

「・・・」

「超人化を受けたのに生き残った。だけど力を手に入れられなかった雑魚。いや、稚魚のお前は、さっさとこの学校をやめた方がいいぞ!!」

そう言ってくるのは黒磯悪事くろいそ あくじ横にいるのはとり 巻男まきお

入学当初から僕につっかって来る奴だ。

「毎度の忠告、痛み入るよ。けど僕はまだあきらめるつもりはない。発動条件のある能力かもしれない。今は頑張るだけさ」

「そーかい!なら、勝手につぶれろよ~」

「どうやって潰れるか楽しみだね、悪事~」

嫌味を言って教室から出ていく悪事たち。

ノーポテンシャル。この言葉が重くのしかかる。

能力を持ち合わせていない一般市民を、超人化したものがよく言う言葉だ。

僕は、ノーポテンシャルだ。

力ない一般市民。確かに、炎も出せないし、怪力もない。しかし、あきらめてなるものか。

劣っているのなら人より鍛錬をすればいい。人より考えればいい。それは、分け隔てなく「平等」なのだから・・・


「「「「「「「「「「「「「「ヴゥーーーーーーーーーーーーー!!!!!」」」」」」」」」」」」


なりだすサイレン。唸る轟音。この音は、、、


「宇宙人!!!」 「宇宙人がやってきた!!!」 


宇宙人の攻めてきた音。英雄の学び舎その頭上にUFOが飛来した。


体は勝手に駆け出していた。止まってなんていられない。走る。走る。逃げる。走る。

逃げる逃げる逃げる逃げる・・・・・

気が付いた時には学校を離れて、暗い路地に逃げ込んでいた。


体は恐怖を思い出し、勝手に逃げ出していた。ふざけた話だ。この10年。この日のために鍛錬をしてきた。なのに、なぜ逃げた。なぜ・・・

「鉄~ビビってんのか~」

後ろから声がした。こびりつくように。からめとるように。

「巻男、、、なのか?」

恐る恐る、声を絞り出す。

「そうだよ~ゥップ。」

ぴちゃり。ぴちゃり。水の滴る音。

嫌な予感しかしない。きっと、振り向いたら、見たくないものを見てしまう気がして、


「・・・て」


声がした。か細く、そして聞きなれた声。

「たす・・けて・・」

その場を全力で飛びのく。怪物がその場所を食らいついていた。

「鉄~。よけるなよ~」

シュルルルルと吐息が漏れる。巨大な蛇の姿をした巻男がいた。

「おまえ・・・宇宙人だったのかよ・・」

「うん。そうだよ~。いわゆるスパイ?エイリアン側もあの事件のあと、いろいろ画策してるってこと~」

ふと、腹に目が行く。腹が膨れている。そこから、、、

「その腹、まさか、、」

「んぁ?これか~悪事が入ってるんだぜ~、こいつしぶとくてさ~。中々溶けないんだわ~。」

「てめぇ!!」

死ぬと、確信があった。やけになって突っ込めば一飲みだ。逆に言えば、突っ込めば食らいついてくる!

思いっきり間合いに踏み込む。予想どうり、齧りとってきた。それにあわせて体をひねってよける。

しっぽはこの狭い路地では振り回せない!!

目を狙・・・

「うぶぅ!?」

腹に衝撃が走る。骨のきしむ音と、肉の裂ける音。壁に体は吹き飛ばされた。

何かが腹を打ち付けた?しっぽは届かないはず・・・

腹からしっぽが生えていた

「は?」

「俺ぁ宇宙人だぞぉ~。なんでもありに決まってるだろ~。でもぉ目を狙うのを想定してたから当たったんだしな~。戦うセンスあるのかないのか、はっきりしろよな~」

そういうと巻男は迫ってくる。もう無理だなと悟った。結局、僕は何もできなかった。

勇気とやさしさを。忘れたことのない、俺の楔。でも、それがどうだ。目の前の災厄に逃げ出し、悪事を無視し、目を狙った。腹に体当たりをしていれば悪事を吐き出していたかもしれない。

そしたら、こっちは2人だ。勝機もあったかもしれない。

全部、自分が足りなっかったからだ。

心さえ、信念さえ守れない。こんな男、そうなって当たり前だ。

あとはもう、食われるだけ・・・


瞬間。巻男が吹き飛んでいた。

吹きすさぶ暴風。暴れ狂う怪奇。目の前に少女がいた。

「・・・」

少女は静かにこちらを見る。そして

「初めまして!!あなたヒーローになりたいの?」と口にした。


体中が恐怖や絶望に縛られた状態で、絞り出すように、ぽつりと。


「なりたい」と口にした。

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