初めまして!!(はじめました)
そんな時代が10年も前にあったそうな。
この事件の果てに世界中が結束。宇宙人への対策に乗り出した。
衛星にいた宇宙人の死骸。未知の兵器。これらが地球の科学を飛躍的に進歩。
世界の平和を守るため、世界に隠れていた超人、超能力者も名乗りを上げ、「ヒーロー」が生まれた。
今、この世界には4種類の人種がいる
1、一般市民・・・一般人。とても脆弱。宇宙人の対策に作られた都市NEONに住む。基本的にヒーロー にを支持。
2、ヒーロー・・・超人、超能力者。強い。宇宙人と戦うために名乗りを上げた正義の人たち。
3、プラナクローン・・・人造超人。科学の進歩により生み出された。超人より強さがやや劣るが死んで も変わりがいるのが特徴。
4、宇宙人・・・宇宙外生命体。とっても強い。
鋼 鉄心。親がこの時代でも負けないようにとつけてくれた、立派な僕の名前だ。
僕はNEONでの学校で日々勉強に明け暮れている。
勇気とやさしさを。幼いころ、親に言われたこの言葉。その言葉を胸にヒーローになる為の研鑽をしている。
この学校はヒーロー学を専門とする学校だ。とある超人が、その人の潜在能力を引き出す力を持っており、彼の能力を科学的に解明。人々の潜在能力を引き出す機械が生み出され、様々な人が超人になった。
能力を持つのは基本的に任意でおこなう。なぜなら、潜在能力に耐えられなくなり死ぬ可能性もある危険な作業なのだ。ぼくは、この超人化を志望した。そして生きている。つまり、超人になれたのだ。
能力はまだない。
「おー、ノーポテンシャルの鉄君じゃないか」
「やめなよ悪事~。本人も気にしてることなんだから~」
「・・・」
「超人化を受けたのに生き残った。だけど力を手に入れられなかった雑魚。いや、稚魚のお前は、さっさとこの学校をやめた方がいいぞ!!」
そう言ってくるのは黒磯悪事横にいるのは鳥 巻男
入学当初から僕につっかって来る奴だ。
「毎度の忠告、痛み入るよ。けど僕はまだあきらめるつもりはない。発動条件のある能力かもしれない。今は頑張るだけさ」
「そーかい!なら、勝手につぶれろよ~」
「どうやって潰れるか楽しみだね、悪事~」
嫌味を言って教室から出ていく悪事たち。
ノーポテンシャル。この言葉が重くのしかかる。
能力を持ち合わせていない一般市民を、超人化したものがよく言う言葉だ。
僕は、ノーポテンシャルだ。
力ない一般市民。確かに、炎も出せないし、怪力もない。しかし、あきらめてなるものか。
劣っているのなら人より鍛錬をすればいい。人より考えればいい。それは、分け隔てなく「平等」なのだから・・・
「「「「「「「「「「「「「「ヴゥーーーーーーーーーーーーー!!!!!」」」」」」」」」」」」
なりだすサイレン。唸る轟音。この音は、、、
「宇宙人!!!」 「宇宙人がやってきた!!!」
宇宙人の攻めてきた音。英雄の学び舎その頭上にUFOが飛来した。
体は勝手に駆け出していた。止まってなんていられない。走る。走る。逃げる。走る。
逃げる逃げる逃げる逃げる・・・・・
気が付いた時には学校を離れて、暗い路地に逃げ込んでいた。
体は恐怖を思い出し、勝手に逃げ出していた。ふざけた話だ。この10年。この日のために鍛錬をしてきた。なのに、なぜ逃げた。なぜ・・・
「鉄~ビビってんのか~」
後ろから声がした。こびりつくように。からめとるように。
「巻男、、、なのか?」
恐る恐る、声を絞り出す。
「そうだよ~ゥップ。」
ぴちゃり。ぴちゃり。水の滴る音。
嫌な予感しかしない。きっと、振り向いたら、見たくないものを見てしまう気がして、
「・・・て」
声がした。か細く、そして聞きなれた声。
「たす・・けて・・」
その場を全力で飛びのく。怪物がその場所を食らいついていた。
「鉄~。よけるなよ~」
シュルルルルと吐息が漏れる。巨大な蛇の姿をした巻男がいた。
「おまえ・・・宇宙人だったのかよ・・」
「うん。そうだよ~。いわゆるスパイ?エイリアン側もあの事件のあと、いろいろ画策してるってこと~」
ふと、腹に目が行く。腹が膨れている。そこから、、、
「その腹、まさか、、」
「んぁ?これか~悪事が入ってるんだぜ~、こいつしぶとくてさ~。中々溶けないんだわ~。」
「てめぇ!!」
死ぬと、確信があった。やけになって突っ込めば一飲みだ。逆に言えば、突っ込めば食らいついてくる!
思いっきり間合いに踏み込む。予想どうり、齧りとってきた。それにあわせて体をひねってよける。
しっぽはこの狭い路地では振り回せない!!
目を狙・・・
「うぶぅ!?」
腹に衝撃が走る。骨のきしむ音と、肉の裂ける音。壁に体は吹き飛ばされた。
何かが腹を打ち付けた?しっぽは届かないはず・・・
腹からしっぽが生えていた
「は?」
「俺ぁ宇宙人だぞぉ~。なんでもありに決まってるだろ~。でもぉ目を狙うのを想定してたから当たったんだしな~。戦うセンスあるのかないのか、はっきりしろよな~」
そういうと巻男は迫ってくる。もう無理だなと悟った。結局、僕は何もできなかった。
勇気とやさしさを。忘れたことのない、俺の楔。でも、それがどうだ。目の前の災厄に逃げ出し、悪事を無視し、目を狙った。腹に体当たりをしていれば悪事を吐き出していたかもしれない。
そしたら、こっちは2人だ。勝機もあったかもしれない。
全部、自分が足りなっかったからだ。
心さえ、信念さえ守れない。こんな男、そうなって当たり前だ。
あとはもう、食われるだけ・・・
瞬間。巻男が吹き飛んでいた。
吹きすさぶ暴風。暴れ狂う怪奇。目の前に少女がいた。
「・・・」
少女は静かにこちらを見る。そして
「初めまして!!あなたヒーローになりたいの?」と口にした。
体中が恐怖や絶望に縛られた状態で、絞り出すように、ぽつりと。
「なりたい」と口にした。