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ウソツキ村の女の子

作者: 山神ゆうき

今日はエイプリルフールです。

昔々。あるところにウソツキ村がありました。


その村にとある女の子がいました。


「私の名前はライ。村のみんなは嘘つきだけど、私だけ正直に生きたいわ!」


そう、ライはウソツキ村に住んでいても嘘をつかずに生きていきたいと思っていました。

しかし、村のみんなは嘘つきなので、それはそれはとても大変でした。


「やあ!今日はとても天気がいいねぇ。」


「あのおじさんが『天気がいい』って言うことは今日は雨が降るわ!」


ライは傘を持っていきました。


「おやおや、ライちゃん。そこの橋は安全だから渡っても大丈夫だよ。」


「あの橋は危険なのね!じゃあ、回り道をするわ!」


そう言ってライは近道である橋を渡らずに、時間のかかる回り道をしました。


ライは天気のいい日に傘を持ち遠回りをする変な子だと皆が思いました。


ある日のことでした。ライが森の入り口で遊んでいると、一人の若者が来て言いました。


「こんにちは。僕はトナリ村の若者だよ!」


「こんにちは。私はウソツキ村のライだよ!」


丁寧に挨拶をしてくれた若者にライも丁寧に挨拶をしました。


「ねぇ、ライ。僕はこの森を抜けなければならないの。しかし、途中に分かれ道があって、片方は森から出られる。しかし、もう片方は迷い道で二度と出ることができない道。ライはどちらが本当の道かわかるかい?」


若者は困った顔でライに聞きました。


「もちろん!知っているわ!」


そう、ライにはこの森を抜ける道は知っていたのである。




「あの森には分かれ道があってね。・が正しい道なんだよ。」


「あの森を抜けるには、・の道を行かないとな!」


ウソツキ村の皆はライが小さい頃からそのように言っていたのである。


「えっとね。この森を抜けるには・の道を行かないといけないんだよ!」


とライは若者に言った。


「ありがとう、ライ。これで僕はかこの森を抜けられるよ。」


若者はライの手を握りブンブンと振り嬉しそうに言った。

そのあと、森に入った若者を見たものはいなかった。


ウソツキ村ではトナリ村の若者が消えたと大騒ぎになった。なぜウソツキ村で大騒ぎになったかというと、トナリ村の住人が最後にウソツキ村のライと一緒にいるのを目撃していたからなのである。その話がウソツキ村まで入ってきたのだ。


ライはたちまち村人に囲まれてしまった。


「ねぇ、トナリ村の若者と一緒にいたって本当なの?」


「お前が若者に道を教えたのだろ?」


村人はライの周りに集まり口々に言う。


「う、うん。私は若者に会ってちゃんと正しい道を教えたよ!」


ライはムキになって村人に言う。


「そうなのか?じゃあ、若者がライをウソツキ村の人と知って反対の道に行ったのではないか?」


「いいや。ライが違う道を教えて若者はその道を進んだのではないか?」


次は2つの意見に分かれて口論をし始めた。


「ちょっと待って!」


村人の口論を止めたのはライであった。


「ねぇ?森の出口って・なんだよね?ということはそれは嘘だから逆の方の・が正解なんだよね?」


私は村人一人一人の顔を見て言った。すると村人は皆、悲しそうな顔をする。

私は怒ってこう言った。


「何がウソツキ村よ!私の住んでいる村の名前をウソツキ村ってするなんて!この作者も相当な嘘つきね!」

ご愛読ありがとうございました。

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