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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

可愛いげのない私

ヒメゴト

作者: イブ

ギリギリアウトと言う漫画を知っている方なら受け入れてくれる物語です!



ある昼休みの時だった。


私が通う学校には外部生には食堂があり、内部生にはレストランが存在しているらしい。

レストランは何処に在るのか分からず見た事が無いのだが食堂は学校の敷地内にちゃんとあり、私達の校舎から少し離れてる。


私は食堂の料理の味に興味を持ち、食べてみたくなって利用したのだが満足でした。

ネットの知り合い達が揃って学校の食堂は美味しくないと書き込んでいたので少し不安だったが名門校となると違うようだ。



少しぼーとしていた様で帰る方向の逆へ歩いていた。しまったと思い、周りを見渡すと見知らぬ場所だったが自分の位置は理解した。確かトイレに行く方向だね。

人気がないと思っていたけど隅の方に誰かが蹲っているのを見つけた。


病人?ここで見て見ぬフリは違うなと思い、近づいてみると蹲っていたのはマリアだった。

はぁはぁと口で呼吸するマリアを見てどうしたのだろうと覗き込むとマリアはトイレ指を指す。



「……ま、まだ空いてない?」



どうやらトイレ待ちの様だった。

トイレは一つしかなく閉まった状態だったので空いてないと伝えるとそうと一言呟き必死に耐えているようだ。

スカートを抑えモジモジと必死に漏らさないように耐えてる姿はなまめかしくて、ちょっとドキッとした。

私は校舎へ戻る事を勧めたが既に限界らしく校舎に戻ってトイレを使うにも歩く余裕が無いらしい。そして、近くの草むらで隠れてやるのも恥ずかしくて無理と言う。

……これはかつてない程の乙女の大ピンチ!



「んあっ、くぅ……ふぅ、あぁん」


必死に耐える為に無意識に小さく漏れる吐息……何だろう、この色っぽさ。

近づかないと聞こえない吐息と切ない喘ぎにまたもドキッとする。先程からマリアが悶えてる姿を見ていると何かが目覚めそうだ。

限界に挑戦しているマリアの姿は何ていうかもうエロい。

一刻の猶予もないマリアは少し汗ばみ、いつもの艶っぽい黒髪ではなく汗に濡れた長い髪は制服から少し見えている鎖骨うなじに纏まりつき、私の視線は無意識にそちらへ向いてしまう。しゃがんでスカートを抑えモジモジする姿に私はマリアへ引き寄せられる。

マリアの艶やかな吐息にボリュームのある唇……どんどん吸い寄せられ私は顔を近づける。ふとマリアが顔をあげ、至近距離で見つめ合う体制になる。マリアは上目遣いになり、せつなそうに何?と聞かれる。

……だ、ダメだ!これ以上は私の理性がおかしくなる!既に私が今何をしようとしていたか分からない!

このままマリアを見続けたら私は何かに目覚めてしまうのは間違いない!

それに困っているマリアをどうにかしたくて私は考える。

私のクラスは胃腸炎が流行っているのだから携帯用トイレを持っていたらと後悔する。

そうだ!私には膨大なネット知識もあるのだ。

考えるんだ私!

すると一つの閃きが現れた。

チャバネさんの実体験の話しの書き込みだ。……う〜ん、あれは真似していいのか?しかし、携帯用トイレの変わりになってくれるはずだ。緊急時なのだ。割り切るしかない。

私はマリアの為にすぐに自販機に向かい、一つのペットボトルを買う。チャバネ御用達の炭酸飲料のレモンCGだ。

マリアは私が持ってきた飲み物に対してハテナを浮かべていた。

私はマリアの前でペットボトルをあけ500mlを一気飲みをして飲み干す。そして、マリアに草むらを指を指してペットボトルを渡す。

ペットボトルセット完了!



「……んふぅ、はぁぅ、あ、愛梨。一つ質問なのだけど……ね、これで……んっ、どうしろと言うの?」



今にも苦しそうなマリアは私に尋ねる。

あぁ、そうだよね。これもちゃんと渡さなきゃね!

ポッケからティッシュを取り出し、安心して下さいとグーをする。



「ふ、ふざけ……ないで!そんな……ひゃん!はした……ない真似が出来る……か!……ぐっ!あんっ、危なっ。お、怒らせないでょ……響くから」



なん……だって⁉︎

私の好意が無駄になった瞬間だった。やはり、チャバさんの実体験を参考にしたのが間違えだったようだ。下がるはずのないチャバネ好感度が更に下がった瞬間だった。

それにしても5分以上経ったのにトイレに入っている人が出て来る気配がない。

マリアも校舎に戻る事が出来たら問題解決なのにそこまで戻るのは保たないらしい。

などと考えていると。


ぎゅるるる〜〜


急に私のお腹から聞こえた。

すると私に急な尿意が襲う。

あ、あれ〜?そう言えば朝からト、トイレに行ってないな。



「……あら、ふふふ、愛梨もトイレに行きたいのね」



マリアは私を見てふふふと笑顔のない笑いを見せる。



「これ、渡すからあの草むらでして来ると……良いわ」



そう言ってマリアは私にペットボトルを渡してきた。

え?緊急時だからってペットボトルの中にするなんてあり得ないでしょう。

女の子としてどうなの?私はマリアに引いてしまい、首を思いっきりブンブンと横に振る。



「……何引いてるのよ……愛梨がした事よ。私の気持ち分かった?」



……な、なるほど。これがブーメランという奴ですね、はい。

私はどんでもない事をしてしまったようです。ちょっと悶えるマリアを見て動揺して冷静な判断を見誤ったようだ。

まずチャバさんを参考にする事自体間違えだ。チャバネさんの言う、携帯用トイレの代わりにレモンCGのペットボトルは偽装に最適だのネットの言葉をうわ飲みして疑わずに信じてしまうとは失態だ。

今考えると引きこもりの上位ジョブのボトラーと言う存在と変わらない事を言っていってしまった事になる。

危うくジョブチェンジしてボトラーデビューしてしまう所だった。



「〜〜〜〜〜っ!」



「あい……りも、そん……んぁ、表情が出来るのね……ふふ」



や、やばい!

声にならない声が出る程やばいよ!いつも声に出してないけど!

マリアと私は互いに尿意が限界になっている。

……何この状況は?



その時、やっとトイレが空いた。中から出てきたのは私の前の席のスイーツ擬きだった。

切羽詰まった私達の行動は速かった。



「……邪魔」

「早く退きなさい!」



私とマリアの剣幕に羊系スイーツ擬きは聞いた事ない叫び声をあげダッシュで逃げていった。


空いたトイレは個室で一人用。

互いにドアノブを離さない。

中に入りたいけど互いに牽制し合い、中に入れない。

……これはマズい。

互いに限界にキている状態の前では日本人の譲り合い精神は無く、互いにどうやって先に入るか蹴落としいが始まった。

マリアから愛梨はペットボトルまで用意してくれるのだから私に譲ってくれるよねと言われ、私はこれはこれ、それはそれと言い返す。互いに譲る気は無いようだ。

マリアはこうなったら仕方ないと眼に闘志を宿す。



「……愛梨。し、勝負をしましょう。互いにジャンプして、先に漏らした方が負け。勝ったら先に入る。勝っても負けても恨みっこなしよ」



ぴょんぴょんプレイ⁉︎

……いやいや、何言っているの!

そんな不毛な争いを受ける訳ないでしょう!もう色んな意味で終わるよ!

私は横にブンブンと思いきり振る。



「あっ……!」



マリアから急に声が漏れる。そして、もう諦めたような表情で切なそうに私を求める。



「ん!ぁ、もぅだめぇ、ぁいりぃっ!!」



目に涙を溜めたマリアを見て私の行動は早かった。姫様抱っこをして中に入りカギを閉め、スカートとパンツを脱がして洋式のトイレに座らす。

この一連の流れは私の持てる反応速度をフルに使い即座に行動した。

そして、私は一緒に中に入っている訳です。マリアを見ないようにそっぽを向いてもしている所にいる訳です。要するにマリアの恥ずかしい姿を見てしまったと言う事でマリアは顔を真っ赤になってしまい私も多分真っ赤になっている。

互いに沈黙する。

先に声を出したのはマリアだった。



「……私のを見たのだから愛梨のも見せなさいよ」



嫌だと言い返したいのだけど、もう限界にキているしマリアに負い目を感じている私はマリアの前でトイレをすると言う羞恥プレイを体験する事になった。

本当に何でこんな事が起こったのだろう。


後日私達は冷静になり、この事は忘れた様に振舞っている。でも、互いにしばらくは意識してしまうのは仕方ないよね。

だが、何故かマリアとの距離感が近いのは気のせいだよね?



そう言えば、トイレに居た羊系スイーツ擬きは次の日、治ってないのに学校に出てきたようでいつもの急性胃腸炎で休んでいた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 続編希望です。 面白いですね。
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