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Lost...  作者: 村瀬灯火
悪夢編 第一章 初心幻想
6/8

第五話 青い右目

はじめましての方ははじめまして

村瀬灯火です。

今回はすこし短めです。

莉怨は右目の眼帯をはずした。

「きっ貴様・・・何者・・・」

部長はその光景を見て驚きのあまり絶句していた。

右目は澄んだ青い瞳。

その瞳から無数の小さい手出ている。

その手は目の中からでようと必死に助けを求めているようにも見える。

「私は今までたくさんの人を殺し魂に作り変えこの右目に取り入れてきた。」

莉怨が話している間も無数の手は止まることなく動いている。

「貴様は何故人を殺した!」

部長の顔はもうやさしさを失っていた。

部長は莉怨に対し殺気立っていた。

「力を得るためには手段を選ばない。私は人の魂を貰い力を持つ能力者。」

莉怨は右目から出ている一本の手を持ち目から引き抜いた

その手はもう動くことなく止まっていた。

「手が動いているのは私とリンクしているから。私から離れるとただのゴミよ。

なんてもろいものなんでしょうね人間の命は。」

莉怨は笑った。

莉怨が笑っていると手も激しく動いている。

完全に莉怨とリンクしている。

「貴様は力のためだけに人を殺し、殺してもなお魂という形にかえ苦しませてきたのか。」

部長は静かな声で莉怨に尋ねた。

「ええ私は私の私欲のためだけに人を殺してきた。」

莉怨は部長からの問いかけをあざ笑うように答えた。

「ならば貴様に選択肢は一つ。」

部長は莉怨の元へ飛んだ。

莉怨は余裕の表情で部長を待ち構えている。

「どれだけ攻撃しても今のあなたには何もできない!」

莉怨の赤いオーラーは先程よりも大きくなった。

右目から出ている無数の手も激しく動いている。

「私の力となりな、白銀の騎士!」

莉怨が部長に殴りかかろうとしている。

部長はまだ剣も抜かず走っている。

複製(コピー)!」

部長は手で莉怨の手を止めた。

「なぜだ!」

莉怨は自分の力が効かないことに戸惑いを隠せていない。

部長の体からは莉怨と同じように体から赤いオーラが出ている。

「私は戦の能力者、能力名「複製(コピー)」能力を奪う能力だ。」

部長は莉怨の能力を奪ったらしい。

莉怨からは赤いオーラが消えている。

右目は元の黒に戻っている。

「能力が奪われた・・・」

莉怨は能力を奪われ戦意を失ったようだ

「ぐっ・・・あぁ。」

部長の苦しむ声が聞こえた。

部長のほうに目をやると

今まで莉怨の方にあった無数の手が部長の右目に入っている。

全ての手が目に入ったとき部長の右目は青く変わった。

「部長!」

俺は部長が心配になって部長の下へ駆け寄った。

俺が部長に駆け寄ったときもう亜空間は閉じられて

神戸莉怨の姿も消えていた。

「にげっ・・・られた。」

部長の目は元に戻ることなく無数の手はまだ動いている。

そのとき俺は莉怨の言葉を思い出したのだ。

「手が動いているのは私とリンクしているから。私から離れるとただのゴミよ。

なんてもろいものなんでしょうね人間の命は。」

部長と無数の手の魂のリンクを切ったら部長は助かる。

俺は無我夢中に右目から出ている無数の手を抜いていった。

抜くたびに苦しむ部長の声が心に突き刺さる。

渚は恐怖のあまりに気絶した。

全ての手を抜いたあと部長の目の色は変わることは無かった。

「なんでまだ青色なんだ。」

俺は自分のしていたことが無駄だったことに気付いた。

ただ部長を苦しめていただけだった。

部長は能力そのものを奪っているから

たとえリンクが切れてもなくなるのは

部長の体力だけだ。

「そんなに暗い顔をするではない想志殿。」

部長はいつものように俺にやさしく話しかけてきた。

「生きているだけよかったじゃないか。なにも失ってはいない。」

部長は俺をかばってくれている。

そんな部長の思いやりが苦しかった。

「部長・・・」

俺は言葉をつなぐことができなかった。

「私の自業自得だ。私の能力は禁じられた能力だから。」



またまた謎が残る終わり方。

こういうの大好きなんです。

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