第三話 始まりの物語終章
はじめましての方ははじめまして。
村瀬灯火です。
第三話始めます。
結局なんやかんやで入部することになった俺は部長に部について訊いてみた。
「部長。そういやこの部活ってなにするんすか?」
部長は少し考えてから俺に言った。
「文化研究部通称文研は本来ならば文化について研究するのが一般的であるが私たちは先程にも言ったようにあくまで形だけだ。
だから私たちは幻想能力者を集めてある事に望もうとしている。」
部長は今までとはより一層に真剣な顔で俺に言った。
俺には今の部長の話では一つの疑問が生まれた。
部長の言った「ある事」は詳しく部長は説明していないからだ。
もちろん俺は「ある事」について訊いてみた。
「部長。ある事とは一体何のことっすか?」
俺が聞くと部長は黙ったまま答えてくれることはなかった。
「想くんって本当になんにも知らないんだね。」
渚はまた呆れた顔で俺を睨んできた。
「本当に知らないの幻想能力界のことについて?」
渚は俺を情けなく思うような声で聞いてきた。
しかし最近まで能力とは無縁だった俺は当然わからないし答えることはできなかった。
「悪夢の暴狼って呼ばれる幻想能力者のなかでも凶悪な奴らがいま行動しだしているの。」
渚は俺のことを惨めに思ったのかもう残念な人を見ている目で俺に言った。
「悪夢の暴狼・・・」
俺は名前と凶悪である事は認識できた。
しかしどれほど凶悪なのか今の俺では認識できなかった。
「渚殿の言う通りだ。悪夢の暴狼とは幻想能力界でも凶悪な者の集まり。
その中でも悪夢の暴狼を率いてるキュベリアは幻想王の名を欲しいままにしている。」
部長は真剣な眼差しで俺を見つめていた。
俺は「幻想王」と言う言葉に疑問を抱いた。
しかしこれ以上質問ばかりしていても
渚にまた可愛そうに思われるも嫌なので訊くことをやめた。
「その悪夢の暴狼の手下共も幾人かいる。というわけで幻想能力者を集めて探しているというわけだが・・・
君はそうでもないな。」
部長は微笑んだ。
俺は馬鹿にされたのだろうか。
「とにかくだ想志殿、君の能力を教えてくれるかい?」
部長は俺の能力について聞いてきたので仕方なく
俺は自分の能力について語り始めた。
「俺は戦の能力者、能力名は「想作変換」あらゆる物を自分の想像する物に変えることができる。」
俺は部長に能力について語り終え
部長の能力を知りたかったので俺も訊いてみた。
しかし部長は教えてはくれなかった。
決して教える気はないようだ。
部長に訊き終えようとしたとき
後頭部を強く殴られた。
「私も能力者だってこと忘れないでよ想くん。
私も戦の能力者、能力についてはお楽しみに。」
渚は俺の後頭部を殴ったあと平然な顔で能力について語った。
「まぁいい、これからよろしく頼むぞ想志殿。」
部長は俺にやさしく言ってきた。
銀髪の可愛い女性にやさしく言われるのも悪くない。
俺は少し興奮してしまった。
それはさておき
ここまでが俺が物語の始まり地点に着くまでであり
これからが物語の始まりである。
戻ることのできない物語が。
これからが本当の展開