第6話!~番外編・不良潰しと赤姫~
2ヶ月振りの月詠学園更新です。
これは式神トーナメント開催の3日前の出来事である。
その日、結華は何とな〜く街をふらついていた。
「ん?今の声は衛伊里か?」
結華の耳に聞いた事のある声が届き、結華は声がした方に歩いて行った。
「だからよ、俺達に付き合ってくれたら良いって言ってるじゃねぇかよ」
「そうだぜ?別に取って喰おうってんじゃねーんだからよ」
路地裏で数人の男達が二人の女の子を取り囲んでいた。
「や、止めて下さい!」
「あ、茜ちゃん怖いよう」
赤い髪のショートカットの女の子・山形茜が黒いロングヘアーの女の子・衛伊里鏡を庇うように立ちはだかっている。
「やっぱり、衛伊里かよ。それに山形も一緒か」
不意にかかった声に二人が見ると其処にはご存知里村結華が「よっ」と言わんばかりに片手を上げて立っていた。
「「里村さん!」」
「お?何だよ。また美人が来てくれたぜ♪」
鏡と茜が揃って声を上げると、男達の一人が結華に向かって歩き出し……不意に立ち止まった。
「おい、どうしたんだ?」
「……がぼっ」
不信に思った男の一人が声をかけると、結華に向かって行った男は鼻から血を流しながら仰向けに倒れた。
「山形、衛伊里。もう良いから行きな。コイツラはあたしがきっちりシメとくから」
そう言って結華は二人に早く行くようにとでも言うように手をヒラヒラと振った。
「え、でも」
「良いから行けって。それにこんな奴らアタシの敵じゃねぇよ」
躊躇う茜に結華はそこらに落ちていた鉄パイプを拾いながら言う。
「……わかった。行くよ鏡!」
「わひゃっ!?」
茜は結華に頷くと鏡の手を引っ張って行った。
「さてと。まさかこの辺りでまだこんな事やってる奴らが居たとはな。デッドラインの奴ら何やってんだ?」
白いポニーテールを揺らしながら結華は呟く。
尚、デッドラインは結華が総長を務めるチームでこの月詠市の裏を仕切るチームでもある。
因みに、龍星もその事は知っており一度デッドラインと大喧嘩をやらかしている。
「デ、デッドライン?まさか、てめぇ赤姫か!?」
赤姫。それはデッドラインを仕切る結華のもう一つの名前。喧嘩の際、白い髪が返り血で真っ赤に染まる事からついた渾名だ。
「御名答。んじゃサクッと行くか」
結華は鉄パイプ片手に男達へと走り出した。
「ご、後藤君!」
「ん?確か山形だったな。どうした?そんなに慌てて」
結華が男達に向かって走り出した頃、茜と鏡は買い物途中の冬樹と遭遇した。
「お、お願い!里村さんを助けて!」
「どう言う事だ?」
「わ、私達が悪い人達に絡まれてるのを助けてくれて、里村さんが残ってそれで〜!」
「落ち着け。理由は大体分かった。済まんがコレ持っててくれるか?暫くしたら龍星達も来るからそれ渡して待ってて貰ってくれ」
言うや否や冬樹は買い物袋を茜に渡すと走り出した。
「その先の路地裏!」
「分かった!」
茜の声に手を上げて答えると冬樹は走りながらポケットからサングラスを取り出して装着した。
「これは……」
冬樹が路地裏に到着した時、既に全て終わっていた。
血で真っ赤に染まった結華が地面に倒れ呻く男達の真ん中でケタケタと笑って立っていたのだ。
「ンア?ナンダテメェハ?コイツラノナカマカァ?」
ゆらりと振り向きながら結華はゆっくりと鉄パイプを構える。
「これは、何を言っても無駄のようだな」
結華の状態から極度の興奮状態にあると見た冬樹は一戦を免れない事を知りゆっくりと拳を構えた。
「まさか、こんな所で里村が言ってた一戦をやる事になるとはな……」
「オラァ!」
冬樹が呟くと同時に結華が鉄パイプを振りかぶって襲いかかって来た。
「くっ!」
「ハッハッハッハーッ!」
笑いながらデタラメに鉄パイプを振り回す結華を何とか抑えようとする冬樹だが、興奮状態の結華には効果は無い。
「仕方ない。なるべく傷付けないようにするから許してくれよ!」
やむを得ず冬樹は結華に向かって攻撃を開始した。
「ケタケタケタケタ♪ヤルジャネェカ!」
「我も修羅場はくぐって来たつもりだが、お前も相当な修羅場をくぐって来たようだな?」
「テメェナマエハ?」
「不良潰しと呼んでくれ」
「テメェガフリョウツブシカ!」
そう。最近噂の不良潰しとは冬樹の事だった。
「テメェトナラココロオキナクトコトンマデイケソウダゼ!」
そう言ってニンマリと笑うと結華は再び攻撃を開始した。
その時である。
「ゆ〜い〜か〜!なぁ〜にやってんだ?お前は」
「!」
突如かかった龍星の声に結華の動きが鈍る。
「今だ!」
冬樹は結華に当て身を当てて気絶させようとしたが結華が気付き動いた為に、
ムニュン♪
結華のGはあろうかという豊満な胸を触ってしまった。
「「「あ」」」
三人の声が重なった。
「〜〜〜ッ///き、きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「あ、いや、す、済まん!ワザとじゃない!」
胸を腕で隠し真っ赤になってしゃがむ結華に慌てふためく冬樹。
「ったく。ほらとりあえず此処から逃げるぞ?こいつ等の事は警察に任せとけ」
所変わって龍星の家。
「はい、どうぞ〜♪」
龍星の母である榊美桜は冬樹達(冬樹・秋斗・結華・茜・鏡)に珈琲を出すとごゆっくり〜と言って下がって行った。
「まさか、冬樹が不良潰しだったとはな」
龍星が幾ら何でもやり過ぎの結華のこめかみをお仕置きの意味を込めてグリグリしながら呟く。
「痛い!龍さん痛い!」
「痛くしてんだから当たり前」
「それにしても、突然悲鳴が上がったから何の騒ぎかと思ったけど、冬樹も大胆だね?」
「ワザと触った訳じゃない!というかその話は止めろ!///」
秋斗(地獄耳)が冬樹を見ながら言うと冬樹は真っ赤になって言い返す。
「後藤君大胆……///」
「はうっ///」
茜と鏡が真っ赤になって呟く。
「だから止めろと言っている!」
「///」
茜の言葉に冬樹は叫び結華は先程の事を思い出したのか胸に手をやって赤くなって俯いた。
「……責任」
「ん?」
ポツリと呟いた結華に冬樹が振り向くと、
「責任取れよ!アタシの胸を触って良いのはアタシの旦那になる人だけなんだからな!///」
結華は爆弾発言を叫んだ。
「も、勿論!」
結華の勢いに押されたのか冬樹はそれを承諾した。
「あら嫌だ。奥さん、お聞きになりまして?」
「若いって良いですよね〜♪」
「はうっ///」
「おめでとう冬樹!」
龍星と茜がオバサンの井戸端会議の真似をしながら二人を冷やかし、鏡は真っ赤になり秋斗は純粋に冬樹を祝福した。
『マスターもやるね〜♪』
『ウチの主にもいつか良い人が現れて……あぁ、つぐみさんが居ましたね♪』
「だぜ♪」
そして、式神達も二人をニヨニヨしながら見つめていた。
この後、冬樹と結華は月詠学園第二のバカップルと呼ばれるようになったとかならないとか。
結華は純情と言うイメージがLAN武の中にあります。
故に胸を触った冬樹を伴侶に選びました(笑)




