三体の宇宙人
三体の宇宙人は船の中から惑星を見下ろした。気候は温暖で、水も豊富にあり、非常に安定した惑星だった。
「ゲームをしよう。あそこに見える星の知的生命体を先に滅亡できた奴が勝者だ」
一体の宇宙人が提案した。もう二体もそれに同意した。
細かなルールが追加され、生命体の時間単位を基準として、百年を時間制限とした。
順番が決まりゲームが開始された。
一人目の宇宙人は、生命体に気付かれないように、毒の霧を撒いた。
瞬く間に数を減らす生命体。わずかに生き残った者たちは、地下に逃げ隠れた。すぐに死に絶えると、宇宙人は考えたが、五十年もすると奇妙な面をつけて地上に現れるようになった。制限時間の百年にもなると霧にも慣れたのか、ゲーム開始前となんら変わらない生活をするようになった。
二人目の宇宙人は失敗をふまえ、少し考えた後、船から怪電波を発し、好戦的で野蛮な性格になるように生命体の脳を変質させた。すぐさま気がふれたように戦争を始める生命体。反戦を願う歌はむなしく響き渡り、着実に数が減っていった。しかし半分に差し掛かった頃に変化が起こった。
脳を自ら改造した人造人間が現れた。人造人間は新人類を名乗り、戦争を止めない者達を旧人類と揶揄し、粛清と称して彼らを蹴散らしていった。百年目。ゲーム開始前とは違う生命体がそこには住んでいた。
三人目の宇宙人は気だるそうに、二人目に倣い、怪電波を発した。
生命体は性交に痛みとストレスを感じるようになった。
百年待たずに滅亡した。