アインシュタインは間違えている
人生には2通りの生き方しかない。1つは『奇跡など何もないと思って生きること。』もう一つは、『あらゆるものが奇跡だと思って生きること。』
アインシュタインはそう言ったらしい。だが、スペードはそれを否定した。
「アインシュタインは間違っている。」
「なにが間違ってるんだよ。間違ったのはお前の判断だろ。」
「おれの何が間違いなんだ。」
「お前がそんなバットを持ってやってきたから悪党が逃げ出したんじゃないか?」ファニーがバットを指差して指摘する。
「ああ、そうゆう考え方もあるかもしれない。」スペードが珍しく自分の失敗を渋々ではあるが認める。
「だが、おれを信じろ。今夜は奇跡は起きる。それは、奇跡は存在するからだ。だが、あらゆるものが奇跡なのだからじゃない。おれ達が奇跡を起こすからだ。」スペード力強く語る。
「な、なにを言ってるんだ!?」ファニーは意味が分からず戸惑った。
「大丈夫だ。」スペードは力強く答えた。
「なにがだよ?」ファニーは戸惑いながら答える。
「大丈夫だ。」スペードが強く、とても強く、ファニーの目を見ながら近づきながら答えた。
「おぉ、そうなのか?」ファニーはスペードの圧に負けて納得していないが同意する。
「ああ、間違っているのはアインシュタインだ。奇跡はおれ達で起こすんだ。」
「おぉ、そうだな。 それ以上近づかないでくれ。」ファニーは意味が分からなかったが、関係のないアインシュタインに同情しつつ調子を合わせる。
「それじゃあ、手分けして探そう。ファニーは大通りを探してくれ。」
「おぉ、そうだな。分かったよ。」ファニーは一刻も早くこの場を離れたかったので自転車を乗って「じゃあ、行ってくるよ。」と言ってその場を離れた。