藤崎の選択
しまった寝過ぎた。藤崎は起きた時に寝過ぎたことを後悔した。時計の針は6時を示している。昨日は朝早くから来年から勤める会社の内定式に出席して、夕方に帰ってから中学からの友達から飲みに行こうという誘いに乗って朝日が出るまで遊んでいたのである。寝る前の自分の記憶に間違いがなければ12時間以上寝たということになる。だが、まだ眠い。しかし、これ以上寝ても取れる疲れはなく、逆に疲れてしまうと判断した藤崎は部屋から出て夕飯を食べることにした。夕飯を食べながらテレビを点けるとスポーツニュースがやっていた。藤崎の贔屓する球団は現在3連覇中で今年の前半戦は好調だった。前半戦を折り返した時には2位に5ゲーム差以上つけていて間違いなく優勝すると思われていた。しかし、後半戦が始まった途端に自慢の投手陣が打ち込まれるというケースが相次ぎ、リーグが終了したら首位と最大15ゲーム離されていた球団の優勝が昨夜に決まっていた。藤崎のひいきする球団は3位に甘んじていた。テレビでは奇跡のドラマと世間を騒ぎ立てているが、藤崎にはそんな奇跡は不快な出来事としか思えなかった。もちろん、そんなニュースは藤崎にとってはつまらないので、すぐにテレビを消した。なんだか、つまらない1日になる予感がした。
夕飯を食べ終えると、1日をどう過ごすか考えた。時計を見ると6時35分を示している。今夜はおそらく眠むれないだろう。明日は朝からバイトだ。藤崎は朝までDVDを見て過ごすのが一番の無難な選択であると考えた。そう思った藤崎は昨日は風呂に入らないで寝てしまったことに気付き風呂に入ってから出かけることにした。