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 俺の読み通り、ゴーリキンの表情から余裕が消え、差を埋めようと大技を恐れず出すようになってきた。

 何度か致命的にならない程度にくらって逆転させてやり、ヤツの脳に成功体験を植えつける。俺のHPが残り一割を切った頃には、ゴーリキンは勝利を確信した笑みを浮かべ、〔エリュプシオン〕の発動モーションを入力した。フェンシング系最大のダメージソースであるこの技は《シュヴェルト・ブリッツ》編成の要となっている。隙が多くて自分もダメージを受けるけど、それを上回る特大ダメージを与えられるから、フィニッシュ技としてほぼ確実に採用される。

(ここだ!)

 俺は〔コントル・アタック〕を入力。スライディング突撃を含む、カウンター専用の単発突き――威力は低く、スタンは入るが使い物にならないほど短く、なのにコストは大技並みに高い。誰も採用していない技だった。しかし、敢えて組み込んだ。なぜか?

 フェンシング系の技の中では、モーションが最短で、技の出が爆速。のちにこの技は、アリーナプレイヤーたちからこう呼ばれる。〝大物殺し〟(ジャイアントキリング)と――。

ゴーリキンの技入力が終わる前に、俺は〔コントル・アタック〕の入力を終えた。ダメージは小さい。しかしダメージを与えることが目的ではない。この技で入る極小のスタンでも、発動モーション入力は潰すことができる。意図通り〔エリュプシオン〕は不発に終わった。

「な……ッ、」

「初心者狩りは終わりだ! グリムフォース!」

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