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 ゴーリキンは開始位置まで来て、にこやかに話し掛けてきた。

「いやあ……受けてくれてありがとう。アリーナは三回目で……」

「嘘をつく必要は、もうない」

「え?」

「お前のメインキャラは、グリムフォース――だろう?」

「なぜそれを……」

「安心しろ。まだ通報はしない。ランキングを駆け上がってお前に並んだそのとき、デュエル申請を送る。そいつを拒まなかったら一生通報はしない」

「なら、ここで勝ってもいいんだな?」

「好きにしろ」

 試合が始まった。

 ゴーリキンは警戒したのか、いつものように仕掛けてこない。

「ゼキ、負けろーっ!」

「百敗を実現してくれ!」

 もはやギャラリーたちに、悪意を隠すつもりはないようだ。

(集中しろ……俺には目的がある。怒りにかまけている暇はないはずだ)

 深呼吸してエペ・ラピエルを構え、突撃。ゴーリキンと打ち合う。

 俺の編成は《シュヴェルト・ブリッツ》を元にしているけど、扱いやすいサーベル系の武器を捨て、習熟の難しいエペ・ラピエルを採用した。刺突技の性能が上がり、回避や移動速度が有利になる一方、断ち斬り技の性能が落ち、パリィの軽減値も不利となっている。モーション・ドライブという、剣技のスタイルを決定する要素があるのだが、エペ・ラピエルはこれが独特で、変則攻撃やアクロバットな空中戦などが多く、癖の強い構成になっていて、使う方も相手も困惑するような武器だ。

 三手目くらいから形勢が見えてきた。互いに連撃を与え合う形ではあるけど、俺はバック転や宙返りなどのアクロバティックな機動性を活かしてサッとくらわせ、サッと退く。だんだん総ダメージに微妙な開きが出てくる。

(この小さなリードが、相手を焦らせる)

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