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反撃の日々が始まった。
まずは上位ランカーの戦いを徹底的に研究した。
動画を観て動きを真似て、自分の技に採り入れた。編成も組み直した。
ランカーの一人がリアルでもフェンシングを習っているという噂を聞き、俺もレクチャー動画をスマホで観ながら、剣の練習を始めた。
新しい編成を思いついたけど、俺の使っているフルーレという武器では、実現不可能だった。
動画で見つけた《絢爛のエペ・ラピエル》というレジェンドSSR級の剣を求め、同じモンスターを延々と狩り続けた。EXP的にも金策的にもおいしくない狩り場で、ダメージも大きく、デスペナを埋めるために時間が無駄に費やされた。つらくていっそ辞めてしまおうかと思った。
一ヶ月後、ようやく念願のエペ・ラピエルがドロップしたときには、涙が出た。
「ようやく新しい編成を試せる!」
少女を相手に稽古し、技を磨いていった。
そして二週間掛けて調整し、完璧に仕上げた。
「これだ……これなら勝てる……!」