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《 花の女の生きる悦び 》




      金子を蹴って


      情に濡れ


      淫らに乱れ


      主さんの想いと あちきの想い


      体の隅々から溢れ出て


      真の情の その熱が蒸し


      絹褥を湿らせる


      刹那の夜の交わりに


      活き生きんす







       《 花の女の恋の哀しみ 》



     惚れた腫れたと

     あちき等 遊女の

     愚かな戯れ事でありんす



     無垢な町娘のように

     愛でられたいと

     虚しい夢を見るのでありんしょう



     金子を積んで女を抱きに来んした

     おゆかり様を恋慕い

     自ら 虜になっちまい

     可愛がっておくんなんしと甘えたり…



     あちきにとっては間夫でも

     主さんにとっては唯の遊女



     惚れていると仰いんすが

     それは

     遊び興じる戯れ言葉でありんしょう



     床上手なのは

     深き愛の情 故ではのうて

     散々 女を抱いてきて

     遊び慣れた殿方だからと承知してやす



     承知しているのでありんすが…



     主さんとの

     口づけが忘れられなくて

     主さんが触れた手の感触が

     忘れられなくて



     そして何より

     たかが遊女を

     丁寧に扱ってくれるのでござりんす



     でありんすが

     気晴らしで あちきに

     逢いに来るだけでありんす



     だから あちきは

     この恋慕とは おさらばえ



     主さんの金子は要りんせん

     主さんの

     心が欲しゅうござりんしたから


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