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《 猛禽・黒鷲と花女 》



まるで…

木の実しか食べねえ様な 穏やかさなのでありんす



けれど瞳は熱を持ってやす



獲物を見つければ

躊躇う事なきんす一気に捕らえに行くのでありんしょう



肉食鳥類の その鷲に

空腹である事を渇望するあちきなのでありんす



まるで…

肌を晒して 野原に横たわる様に

あちきを補食しに来るのを待ってやす



鋭い爪と嘴で

あちきの体を引き裂いて欲しゅうござりんす

主さんの血となり 肉になりたいのでありんす



多分 艶々と潤い脈打つあちきの内臓は

すっかり熟しているでありんしょうから



優しさを愛しゅう思いんす

でありんすが

本能のまま激しゅう愛されたいのでありんす



生きている実感を得たいから



愛しい主さんに 愛されてると実感したいから



まるで…

大空を舞う 黒鷲の様な主さん



空腹と愛欲に

心滾らせて あちきを喰らいに来ておくんなんし



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