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《 蝶と花 》


  

       絢爛な簪 飾り


       帯は 前結い


       艶やかな 紅さして





       此処は 一昼一夜の戯れ所 





       手練手管で


       虜にさせんした おゆかり様 





       積んだ金子の上で


       あちき 花


       主さん 蝶





       花びら 広げ


       たっぷり 蜜 吸って


       夢見心地 思うまま


       遊んで欲しいのでありんす







      《 一途な おゆかり様 》



     今宵 褥で待つのは


     まるで恋慕う娘を見るような


     ひたむきな目で


     あちきを見つめる主さん


     その一途な目が 愛おしゅうござりんす






         《 願い 》



     あちきが


     おゆかり様を虜にしたいと


     思っていたのでありんすが 


     声を聞くだけで


     体 感じ 潤うほど


     主さんの


     虜になっちまったのでありんす




     金子は要らねえと 思っちまうほど


     主さんに 一人の女として


     抱いて欲しいと 思っちまうほどに


     心奪われ


     取り返そうと思っても


     それは無理だと


     解っているのでありんす




     だから主さん


     お願いでありんす


     蕩々に溶けちまうくらい


     あちきの全てを可愛いがって


     あちきの全てを愛しておくんなんし



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