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《 卯月の雨 》
茶屋での宴のその後に
桜の花散らす 雨降る宵の口
この色街の館の座敷とは思えねえほど
主さんとあちきの笑う声が響いて
金子の高さより
滑稽な話ばかり積み重ね
床入りする前の
帯を解き忘れちまうくらい
可笑しな話に笑っちまい
心温こう 口づけ熱う
心緩んで 肌に触れ
心開いて 脚開き
心絡めて 体絡め
心交わり 愛の情が交わって
笑い声は 啼き声に艶変わるのでありんす
あちきの花から情は滴り続け
桜散らす雨は上がり 生ぬるい風が吹いてやす
愛おしい主さんとの 卯月の丑三つ刻




