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第5話

寝て起きてを1週間繰り返した。身体はまだ戻らない。

永続系かよ、ホント強いなこの術。

この1週間は大変だった。主に風呂とトイレだよね。そこら辺はやっぱり慣れないし、けど、慣れるしか方法ないし。慣れないけど。

あとは触られる系だよね。主に道満に。

風呂の時からセクハラが増えた気がする。

お、俺を〜貰うとか貰わないとか言ってからかな。

まぁそれは置いとこう。うん、置いとこう。

「晴明様〜起きてますかー??」

ビクッと身体が反応する。いや、そういう意味じゃなくて身構える的なね。

「お、おう〜」

ちょっと声裏返った?

それから服を着替えて(まだサラシは道満にやってもらってる、当然セクハラも受ける)

朝飯を食べる。

「さて、今日はどうしますか?もう1週間ですが」

「うーん、色々考えたんだけど」

「そうですか、女として生きますか。私としては男でも女でも貰いますので関係ありません。では早速女としての色々を伝授しないといけませんね」

「オイ聞け、色々待て、布団を敷くな」

コイツ、色々吹っ切れ過ぎじゃない?

「古今東西、性別変化の話はいくつもある。その中に今回の問題にも効く物があるじゃないかと俺は思う」

「つまり、日本各地の性別変化の逸話を調べまわると」

「要約ありがとう」

朝飯を終え俺は提案する。

「とりあえずは本とか読みまくるかぁ」

俺達は書物庫に向かう。

ここ、俺や道満の住む貴族院には日本中から本を集めてある。

本好きのオタクが管理してる。

「書物庫行くんですか?」

「うん、だって本読むから。詳しい奴もいるし」

「やっぱりアイツに会うんだ!わたしアイツ苦手なんですよ!!」

「いやいや、そういうなよ。道満のお姉さんだろ」

「双子のね」

書物庫管理者は道満の双子の姉、名前を智徳法師。

昔は道満と一緒に陰陽術をやっていたが、まぁ色々あったり本人の性格だったり、向き不向きだったり、道満との色々だったりで今は趣味の本の管理者。ずっと書物庫にいる、もう住んでる。

「あ〜嫌だ〜〜〜」

「じゃあ一人で行くよ」

「それはダメ!」

「何で!?」

書物庫は院の一番奥にある。最初は10畳くらい部屋だったが本が増え、増築増築。

今はどのくらいかは分からない。

本の数も何冊あるかも分からない。

長い廊下の端にある書物庫の扉の前まで着く。

書物庫の扉は鉄で出来ている。これが中々重い、扉を引くとガガッと錆びが床と擦れる音がする。あれ?結構開けてなかったりする??

中に入ると何十個と本棚がある。その全ては埋め尽くされていて入りきらなかった本が床が見えなくなるくらい積んである。

「前より増えてるなぁ。さてどこにいるかな?」

「一番奥でしょう、どうせ」

「遠いなぁ。灯よ!」

部屋には当然窓はあるが本で埋まって光が全く入らず暗闇だ。

俺は術で灯りを作り、道なき道を進む。本のジャングルだなこりゃ。紙と墨汁の独特の匂い、そういえば智徳法師と会うのはどのくらい振りだろう。

中々書物庫から出てこないし、ご飯とかトイレとか風呂とか生活どうしてるんだ?

誰が世話してるってのも聞かないしなぁ。

部屋の奥の奥に進む、その奥に1ヶ所灯りが小さく灯ってる場所がある。

そこで布団を被り究極の猫背で座り本を読み耽る女性。

「智徳」

「・・・・」

返事がない、屍じゃないよな??

「智徳〜」

肩に触れる。と同時に左首筋にチョップをくらう!

「〜〜〜〜!痛いわ!」

「邪魔するな!ご飯以外は受け付けない!何だ、ご飯か!?」

「イヤ、違うけど」

「というか誰だ!?」

「まぁそうだよな、俺だよ、俺。安倍晴明」

「晴明?」

そう言うと智徳は俯瞰からジロジロと品定めのように俺を色々な角度から見る。

「え!?道満よりデカいじゃん!」

「何で私と比べた!」

「あ、道満。ご飯?」


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