夢現
初投稿です。
未熟な文章表現が多いと思いますがご了承ください。
久しぶりに夢を見た。
面白い夢だったはずなのに、なんの夢を見ていたかは全く思い出せない。
目が覚めると、毎日繰り返し見ている自室の天井だ。
家が木造なだけあって、木目が人の顔のように見え、いつも目覚めが悪い。
誰かに見られているという感覚は非常にストレスだ。
しかし、今日はその顔は見えず、しかもなんだか頭が冴えていて気分が良い。
朝の目覚めで頭がすっきりしているのはいつぶりだろうか。
普段サボりがちな学校にも今日は行けそうだ。
学校に行く準備をして、階段を降りてリビングへ向かう。
いつもうるさいほどに元気な家族が今日は静かだ。
普段は思春期ということもあり、「行ってきます」といった挨拶はしないが、今日は気分が良いので、ドア越しで顔も合わせてないが、元気に挨拶をして学校へ向かう。
学校に行くのは久しぶりだが、クラスメイトは気軽に話しかけてくれる。
仲の良い友人である省吾がカラオケに誘ってくれて、嬉しくてついOKしてしまった。
家に帰ってやりたいことがあったのだが、今日は仕方ない。
それにしても友達とカラオケなんていつぶりだろうか。
いつも断っていたため、省吾の方が驚いていた。
放課後、駅から近くのカラオケに向かうところで省吾が
「遊びに誘うといっつも『今日は家で勉強する』とか言って断ってきたくせに今日はどうしたんだよ」
確かにここ最近省吾の誘いを断ってばかりだった。
今まで断ってきてしまった分、これからはいろんなところに遊びに行きたい。
そんな風に軽く返事をして、最近あったことを2人で話す。
お互い受験生というのもあって、話すことは勉強のことが多かった。
勉強しろと口酸っぱく言ってくる親のことや、この前の模試はどうだったかといった話だ。
他には、気に入らない社会の先生の愚痴や、最近見たお笑い番組のこと、あとは隣のクラスの女子で誰がタイプかとか、そんな明日には覚えてないようなくだらない話だが、仲の良い友達との話題なんてこれくらいがいい。
最近は勉強や模試等の気が疲れる出来事が多かったので、こんなに笑ったのは久しぶりだった。
そしてカラオケを楽しんだ後、各々帰路につく。
今日の夜ご飯は何かと楽しみに帰っていた。
好物のハンバーグがいいな。
デザートには冷蔵庫にあったプリンを食べよう。
そんなことを考え家の前に近づくと、人だかりが見え始めた。
自分の家の前に集まっている。
嫌な予感がした。
自然と歩幅は大きくなり、全力疾走と小走りの中間のような速さで帰宅を急ぐ。
嫌な汗をかき始め、呼吸もでたらめになり、普段運動をしないのもあって走り方もめちゃくちゃだ。
人だかりをかき分け、ようやく家の前に着くと、警察官が数人いた。
家の中に入ろうとするのを止められたので、
「この家の人間です」と言うと、
中に通してもらえた。
玄関に入るとすぐ
警察官が1人いた。
そいつは何か話しかけようとしてきたが、はやる気持ちを抑えられず、勢いよくリビングへのドアを開けた。
そこには、胸に包丁を刺されて横たわっている両親がいた。
そこで、朝思い出せなかった夢を思い出した。
やはり、頭がすっきりとした。
疲れた。