第五説 人面犬
ねぇねぇ… 「人面犬」って話… 知ってる?
夜中に一人で歩いているとね…
体が犬で… 顔だけ人の「人面犬」が…
話しかけてくるの…
普通は話をするだけで終わるんだけどね…
もしその時に怒らせて… 人面犬に噛まれたりしちゃうと…
同じように人面犬になっちゃうんだって…
怖いよね…
●第五説 人面犬
男「ふうっ… 残業ですっかり遅くなっちゃったなあ」
男「…しかし静かだなぁ…。こんな日は何か霊的なモノが出たりして!? なんてね…」
『おい…』
男「!? はい…?」
男「… ? 誰もいない…? アレ?」
『おい… ここだ』
男「えっ… …え!?」
『違う、もっと下を見ろ』
男「下…? !!うわあっ!?」
犬『そんなに驚くことはなかろう』
男「い… 犬が喋ってる!?」
犬『馬鹿者、顔をよく見ろ』
男「顔? … あ!ひ、人の顔…!」
犬『そういうことだ』
男「いや、そういうことって…」
犬『喋れるのも納得というものだろう?』
男「… いや、それ以前に納得できないことが多すぎるんですけど…」
犬『何だ?』
男「いや、あの… …あなた、何なんですか?」
犬『見ての通り人面犬だが?』
男「いやいや、おかしいでしょ!そんな『人面犬ですが何か問題でも?』みたいに言われても!」
犬『別によかろう。そんなことを言うならお前の独り言のほうがよっぽどおかしかったぞ』
男「ソコは別にいいじゃないですか!あれは導入として必要な処置だったんですから!」
犬『だいたい、最初に「第五説 人面犬」って言ってるんだから、わざとらしく驚くんじゃない』
男「それは本文と別の所で言ったんでしょ!次元を超越した切り返しはやめてくださいよ!」
男「それで、あの… 何か御用ですか?」
犬『ああ、そうだ。貴様が余計なことを言うから忘れるところだった』
男「僕のせいですか!?」
犬『いちいちツッコまずともよい』
男「ツッコミ無しじゃこのシリーズ成立しないでしょう!」
犬『読者も薄々「ああ、今回はこの男がツッコミ役なんだな~」と気付いているだろうし』
男「何でそういうこと言うんですか!?このシリーズのキャラクターは皆して世界観を軽視しすぎですよ!」
犬『黙れ。話が先に進まないだろう』
男「しかも今回の奴はやたら態度が尊大だし!うわ~僕ハズレだ~!」
犬『…無視して先に進むぞ』
男「… 確かにこのままツッコミ倒してたら先に進まなそうだから、ここらへんで一旦黙っておきます」
犬『うむ。お前は大人だな』
男「ありがとうございます。 …って何だこの茶番」
男「それで… どういった用ですか?」
犬『うむ。実はとある男に追われていてな…』
男「とある男?」
犬『そう。我々のような珍しい生物を狙う者達…』
男「あなた生物なんですか!?」
犬『当たり前だろう。私が機械でできているように見えるか?』
男「いや、確かに見えませんけど… そういうことじゃなくて」
犬『機械でできた犬はA○BOだけで十分だろう』
男「そういう返しいらないですから!」
犬『だいたいアレ今売っているのか?一時期大流行したそうだが、充電時間の割に稼働時間が短すぎるなどの欠点が目に付いたらしく、知らないうちに消えてしまった感があるのだが。だいたいだな…』
男「いつまでA○BOについて語ってんですか!てかこのくだり必要!?」
犬『まあとにかく聞け。 …とにかく私はそいつらに追われていて…』
男「…はい」
犬『もし捕まろうものなら… それはとんでもないことになるのだ』
男「…とんでもないこと… と言いますと?」
犬『… それはお前… アレだ。 ………
ジャキーンとしてギュワンギュワンな…』
男「ワケ分かんないですから!宮川○輔か!」
犬『オッペケペーでチョベリバな…』
男「死語にも程があるでしょ!そのセリフリアルに使ってる人ほとんど見たことありませんし!」
男「話が逸れましたけど… で、僕にどうしろと言うんですか?」
犬『うむ。平たく言えば助けてほしい、ということだ』
男「… いや、あの… いきなり助けろと言われても…。 話がさっぱり見えませんし…」
犬『難しく考える必要は無い。そいつらに見つからないように一晩かくまってくれるだけでいいのだ。決してお前に迷惑はかけん』
男「…ホントにそれだけですか?」
犬『不満か?』
男「いや、そういうことじゃなくてですね」
犬『分かった。キスまでならOKにしよう』
男「だからそういうことじゃねーよ!」
犬『な!? これだけでは足りんというのか…! この、ケダモノめが!!』
男「ケダモノはアンタだろ!見た目からしても!」
犬『仕方あるまい!それ以上もOKということにしよう!どうだこれで満足か!?』
男「違うっつってんだろ!だいたいアンタを襲ったら獣○になるだろーが!ってどぎつい下ネタやめろ~!」
犬『…とにかく、助けてもらわねばいかんのだ。何とか頼めないか?』
男「…ホントに一晩だけでいいんですね?」
犬『ああ』
男「… 分かりました。仕方ないですね」
犬『おお、恩に着るぞ! では早速だが案内してくれないか。いつ奴らに気付かれるとも知れんからな』
男「そうですね。じゃあ…」
― そうはいかないよ! ―
男「!?」
犬『!? ちっ!』
「…ふふふ、見つけたよ…」
男「… も、もしかして… あの男の人が?」
犬『そうだ… 奴は我々人面犬を狙う珍獣ハンターの一人…
…といっても眉毛の太いあの人物とは別だぞ』
男「見りゃ分かりますよ!てか男ってさっきから言ってるでしょ!」
犬『だが気をつけろ…。 奴は眉毛の太さは普通だが… 別のところの太さはハンパじゃないらしい…』
男「別のところってドコですか!?範囲としてはだいぶ限られますけど!?」
犬『ああ、そうだな』
男「ああ、そうだな じゃないですよ!」
犬『しかし、安易に下ネタに走るとネタ切れだと思われるからな… …ということで奴はデブであるという設定にしよう』
男「それアリなんですか!?いくらビジュアル面での設定が無いからって好き勝手やりすぎでしょ!」
犬『くそっ!まさかこんなに早く見つかるとは…』
狩「ふふふ、計算外かい?」
犬『何故だ…? ここまで誰にも姿は見られなかったハズ…』
狩「コイツがついに完成したんだよ」
犬『! そ、そうか… 何てことだ…!』
男「…何ですか、あの… 機械?」
犬『あれは… 全国の人面犬の位置を把握することができる最新機器「人面犬探知機」だ』
男「それリ○ル鬼○っこの設定丸パクリじゃないですか!ていうか元ネタでも評判の悪い設定を何でわざわざパクるんですか!?」
犬『おい、他作品の批判は削除の対象になる恐れがあるぞ』
男「急にまともな意見!?アンタらのせいでしょうが!」
狩「ふふふ… ねえ、君」
男「え!? 僕ですか!?」
狩「『全国の人面犬』ってところへのツッコミを忘れてるよ?」
男「そんなダメ出しいりませんから!」
狩「『全国って!そんな全国規模で生息してるのかよオイオ~イ!』 …みたいな、ね」
男「代わりにやらんでいいですから!ていうかアンタもっと敵キャラらしくしてくださいよ!」
犬『おい、ちゃんとツッコんでくれないと困るぞ』
男「うるせーよ!お前どっちの味方だ!」
犬『そいつが既に完成していたとはな…』
狩「ふふふ、これさえあれば君達のいる場所はボクに筒抜けってワケさ」
犬『くそっ…! …ん? …この臭いは… ポチ男!?』
男「名前ダサッ!てか誰ですかソレ!?」
犬『私の親友の一人だ…。 貴様からポチ男の臭いがするということは…まさか…』
男「(… 一人って数えるんですか!? っていうツッコミは空気的にやめておこう…)」
狩「ふふふ、けっこう頑張って抵抗してきたけどねぇ」
犬『…! やはり、貴様…!』
狩「所詮は無駄な抵抗だったってワケさ。ふふふ…」
犬『… き、貴様ぁぁ…!』
狩「君のことも捕まえてあげるよ。あの人面犬のようにね…」
男「…アレ?こんなセリフ回しどこかで聞いた気が…」
犬『あの人面犬のように…?
ポチ男のことか…
ポチ男のことかーーー!!!!』
男「やっぱりそうだったー!これはマズイって!マジで消されるって!」
狩「ほう!なかなかの戦闘力だな! だがまだまだワシには遠く及ばぬわぁ!!」
男「キャラ変わってますけど!?ちゃんとキャラ定めてから来てくださいよ!」
犬『てめーは俺を怒らせた!!』
男「アンタどんだけパクるんですか!?ちょっとは自重してくださいよ!」
犬『うおおぉぉーーー!! 叫び声を上げると同時に、人面犬は疾風のごときスピードでハンターへと襲い掛かった!』
狩「ふふふっ!当たらないよ! しかしそんな人面犬の思いをあざ笑うかのように、ハンターは余裕の笑みを浮かべながら身を翻し、その攻撃を華麗にかわす」
男「何でアンタらが状況説明してんですか!そういうのは普通セリフと別のところでやるもんでしょ!」
狩「それはね、作者に"このシリーズは全編セリフだけで書きたい"っていうこだわりがあるからさ!」
男「知りませんけども!?」
犬『そう!だからここはお前が実況中継するのが最善の策なのだ!』
男「そんなもん策でもなんでもねーよ!」
狩「古舘伊○郎のようにね!」
男「お前うるせーよ!古舘伊○郎に謝れ!」
狩「ふふふっ! さあ、眠れ!」
男「あれは… 麻酔銃!?」
犬『舐められたものだな!そんなものがこの私に通用すると思うか!』
男「かわした!さすが犬の体だけあって動きが速い!」
狩「ふふふっ… そう、こんな攻撃が当たらないことくらい計算のうちさ」
犬『…何だと?』
狩「ボクの本当の狙いは… ほら、見てごらんよ」
犬『何…? !! 割れた麻酔銃の弾から…ガス!?』
狩「ふふふ!そのガスを吸ったものはもれなく体が麻痺するのさ!」
犬『くっ!ふざけたマネを…!』
狩「そして、妙に声が甲高くなるのさ!」
男「それヘリウムガスじゃねーか!あれ吸っても体痺れねーし!」
犬『うおぉ~、体が痺れるぅ~(甲高)』
男「声高っ!つーか痺れ方わざとらしっ!(甲高)」
犬『お前もな!(甲高)』
男「うわぁ、なんてこった! てか(甲高)(甲高)しつこいよ!(甲高)」
狩「ふふふっ!さあ、捕まえてあげるよ!」
犬『くっ!このままでは捕まってしまう! おい、お前!(甲高)』
男「え、僕!?(甲高)」
犬『お前は動けるようだな!?(甲高)』
男「本来ならアンタも動けるハズですけどね!(甲高)」
犬『お前が私の痺れを何とかしてくれ!(甲高)』
男「は!?そんなん無理ですよ!(甲高)」
犬『いや、できる!古代の呪術師の血を引くお前なら!(甲高)』
男「何その取って付けた設定!?(甲高)」
犬『バトルものではこういう設定がよくあるだろうが!(甲高)』
男「アンタ、バトルもの何だと思ってんですか!?(甲高)」
犬『うるさい!いいから何がしかやってみせろ!(甲高)』
男「んな無茶な!(甲高)」
狩「ふふふ… さあ、観念するんだね!(甲高)」
男「お前も吸ってんじゃねーか!バカなのか!?バカなのか!?(甲高)」
狩「しまったぁぁ!うおぉ痺れるぅ~(甲高)」
男「だから何で痺れるんだよ!? てかいい加減(甲高)打つのめんどくせーし!(甲高)」
犬『!! しめた!ガスの効果が切れてきたぞ!』
男「最初から痺れるハズはなかったけどな!」
狩「ま、まずい!(甲高)」
犬『奴はまだ痺れている!今がチャンスだ!』
男「逃げるんですか?」
犬『… いや。仲間達の敵を討たねばならん』
狩「…く、そ…!(甲高)」
犬『この人間の… ポチ男の… ヤ○チャの… 全ての人面犬達の怒りを込めた我が一撃を喰らうがいい!』
男「どっからヤ○チャ出てきたんだよ!お前ヤ○チャって言いたかっただけだろ!」
犬『天に滅せい、珍獣ハンター!!!!』
男「ラ○ウ!?」
狩「く… っそおおぉぉぉーーーーー!!!!(甲高)」
一
八 二
七 九 三
六 四
五
狩「ぐぅおおおぉぉぉぉぉーーーーー!!!!(甲高)」
男「これ完全にあの技じゃねーか!明治時代を舞台にした大ヒット漫画のパクリじゃねーか!!もうどうなっても知らんぞ!!!!」
犬『頬の十字傷がヤ○チャと一緒なのでな…』
男「だからヤ○チャ関係ねーんだよ!」
狩「く… ふふ、ふ…。 なかなか、やるじゃないか…(甲高)」
男「!? あの技↑を喰らってまだ生きてる!?」
狩「だが… ボク一人を倒したくらいじゃなにも変わりはしない…。 いずれ君達は捕まり… ジャキーンとしてギュワンギュワンな目に遭う運命なんだ…(甲高)」
男「ホントにそんな目に遭うのかよ!じゃあ最初に言ってたことは正しかったんかい!」
犬『… 私は決して捕まりはしない…。たとえこ○亀の連載が終了しようともな…』
男「例えおかしいだろ!確かにそれなら捕まらなさそうだけども!」
狩「…せ、せいぜい長生きするんだね…。 く、ふふふ… ふ… ウボァーーー!!!!(甲高)」
男「最後までパクリ倒しじゃねーか!いい加減にしろ!!」
犬『ありがとう。お前のおかげで助かった』
男「僕何もしてませんけど…」
犬『そんなことはない。お前がいなかったらどうなっていたことか…』
男「… まあ、そういうことでいいですよ」
犬『… お前、名前は?』
男「僕ですか? … タツヤ、です」
犬『そうか。改めて礼を言わせてくれ。 ありがとう、カズヤ』
男「カズヤじゃねーよ!今聞いたばかりで何故間違える!?」
犬『では、私は行かせてもらおう』
男「どこに行くんですか?」
犬『さあな…。だが、もう会うこともあるまい。 …さらばだ』
男「待ってください!
…あなたの名前は?」
犬『私か?
………
ヤ○チャだ』
男「嘘つけ!! もういいよ!」
はい、第五説「人面犬」編です。
ん~、実は今回もちょっと自信無いんですよねえ。クスリとでも笑っていただければ嬉しい限りです。
この話は、人面犬と珍獣ハンターのバトルにしよう、という構想をまず始めに思いつきまして… で、その中で例の「るろ○に剣○」の技をパロって使うことを思いつきまして…。 で、「それならいっそパロしまくりの話にしちまえ!」…ってことでこんな話になりました。今回ばかりはさすがにヤバイと思ってます。本当です(笑)
しかし… まさかヤ○チャがオチに来るとは作者にも予想外でした(笑)このシリーズはいつも作者の予想を裏切ります…。ってソレどんな小説だ(笑)