第四説 追いかけババア
ねぇねぇ… 「追いかけババア」って話… 知ってる?
○○県にある… 国道○○号線って道路はね…
民家も街灯も無いから… 夜中は真っ暗になるの…
夜中にその道路を車で走ると… 後ろから「追いかけババア」が追いかけてきて…
もし追いつかれちゃうと…
必ず事故に遭って死んじゃうんだって…
怖いよね…
●第四説 追いかけババア
女「今日はありがと~。すっごい楽しかった」
男「ははは、それはよかった」
女「ねぇ、この後はどうするぅ?」
男「え? …いや…それは… え~っと…」
女「ちょっと!何いやらしいこと考えてんのよ、このスケベ!」
男「エェ!? …ははは、厳しいなぁ」
女「… ねえ…ちょっと… この道ヤバいよ…」
男「? …どうして?」
女「…知らないの? ここね… 夜中に車で走ると『追いかけババア』が…出るんだって」
男「追いかけババアって… 車より速く走るっていう都市伝説の?」
女「うん…」
男「…ははは、まさかぁ」
女「でもすごいウワサになってるんだよ。私の知り合いも見たって…」
男「…大丈夫!たとえ出ても俺の愛車でブッちぎるから!」
女「愛車?このポンコツ軽自動車のこと?」
男「エェ!?」
女「こんな車でブッちぎるとか正気で言ってる?」
男「…厳しいなぁ」
女「……… !!!! あ、あ、あ…!!」
男「…? どうしたの?」
女「…バ… バックミラーに…!!」
男「え…? !!!! …ま、まさか…! ウソだろ…!?」
ダッ… ダッ… ダッ… ダッ…
ダッダッダッダッダッダ…!!
ダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
女「キャアアアアァァァァァ!!!!」
男「お……… 追いかけババアだ!!」
婆『そうです! ワダスが、追いかけババアです!』
女「イヤアアァァァ!!
志○け○のモノマネしてるぅ!」
男「悲鳴上げるトコそこかよ!確かに俺も思ったけど今はいいだろ!」
女「つかみとしては若干弱い!」
男「そういうこと言うなよ!今回作者にはこれが限界だったんだよ!」
婆『お二人さ~~~ん! 待ちなしゃれ~~~!』
女『イヤアアァァァ!!
滑舌わる~い!』
男「ソコどーでもいいんだよ!悲鳴上げるポイントいちいちおかしいよね!?」
女「ババアキャラ定着させようとしてる!」
男「キャラとかじゃなくて正真正銘ババアだよ!」
婆『こりゃ!年寄りに向かってババアとはなんじゃ!』
男「うるせーよ!さっき自分でもババアって言ってただろーが!」
男「くそっ!まさか本当にいたなんて…!」
婆『これこれ、そこの少年や』
女「イヤアアァァァ!!
もう少年って年でもな~い!」
男「やかましいよ!どうせ文章だけなんだから分かりゃしねーだろ!」
女「今年で27歳!」
男「言わなくていいんだよ!だいたいこの設定いらねーし!」
婆『あれま、若く見えるけどねぇ』
男「乗っかんな!」
女「お世辞でしょ」
男「…それはそれで何か腹立つな」
婆『これ!待てと言うに!』
男「ざけんな!今止まったら何されるか分かったもんじゃねー!」
婆『何もしやせんわい!』
男「そんなの信用できるかよ!」
婆『だいたい、そんなに急いでドコへ行くつもりなんじゃ?』
男「アンタがいねートコならどこだっていい!」
婆『それならあのホテルなんてどうじゃい?』
女「イヤアアァァァ!!
アタシの方こそ何されるか分かったもんじゃな~い!」
男「うっせーから!お前もう喋んな!」
婆『あのHOTELなんてどうじゃい?』
男「何で言い直した!?」
女「イヤアアァァァ!!
インターナショナルババア!」
男「お前うるせーよ!何だインターナショナルババアって!?くだらねーことにいちいちリアクションすんな!」
婆『あのHOTELは意外と安いんじゃよ。サービスもいいし』
男「やたら詳しいな!行ったことあんのかよ!」
女「イヤアアァァァ!!」
男「うるっせーっての!どうせ『意外にお盛んなお婆ちゃん!』とか言うんだろ!」
女「意外にお盛んなお婆ちゃん!」
男「正にその通りだったよ!そこは裏をかいてくれよ!」
男「ババア!追っかけてくんじゃねーよ!だいたい何の用だ!」
婆『落とし物を届けに来たんじゃよ』
男「嘘つけ!こちとら車なのに落とし物するわけねーだろ!」
女「あれ?何か落としましたっけ?」
男「信じるなよ!変なトコ純粋だな!」
婆『白い貝殻と小さなイヤリング』
男「それ森のく○さんじゃねーか!そんなもん持ってねーし!」
女「あらお婆さん、ありがとう」
男「乗っかんなって!」
女「お礼に歌いましょう」
男「歌わんでいい!!」
女「ララララ~ラ~ラ~ラ~ラ~~~♪」
婆『ララララ~ラ~ラ~ラ~ラ~~~♪』
男「歌うなぁぁ!!!どんだけノリいいんだお前ら!?」
女「ねぇねぇ、あの子ちょっとノリ悪くない?」
婆『だよね~』
男「給湯室での陰湿なOLのイジメみてーなことすんな!」
女「例えたねぇ~」
婆『例えたねぇ~』
男「じっくり味わうな!恥ずかしいから!」
男「これでもう用は済んだだろ!とっとと消えてくれ!」
婆『そうはいかんのじゃよ!』
男「何でだよ!」
婆『おぬしらスピード違反じゃろがい!』
男「オメーのせいだけどな!」
女「じゃあちょっとゆっくり運転しようよ」
男「何でだよ!空気読めよ!」
女「せっかくのデートなんだから、少しでも長く一緒にいたいでしょ!?」
男「急になんだよ!さっきまでそんなカンジじゃなかっただろーが!」
婆『いわゆるツンデレってやつかねぇ?』
男「ババア詳しい!さっきからちょいちょいノリ若いな!」
女「こうしておけば、たいていのバカ男は落とせるのよ」
婆『なるほどねぇ』
男「本人の前でそれ言うか!お前もう絶対誘わねーからな!」
女「あら、そんなこと言っていいの?まだ何もしてないのに」
男「そんなこと言われて何かできるほど堕ちてねーよ!」
婆『しかたないのう。ここはこのババが一肌脱いで…』
男「脱がんでいい!より深みに堕とす気か!?」
女「どん底に堕ちたらさらに掘れ!」
男「清○か!いらんこと言うな!」
男「このままじゃキリがねー!どっか逃げられる場所はねーのか!?」
女「もう少し行けばアタシの実家があるよ」
男「おお、でかした!初めてまともな事言ったな!」
婆『おやおや、いいのかい?』
男「何がだよ」
婆『さすがに彼女の実家じゃ何もできんじゃろ?』
男「さっきからなんなの!?そんなに俺に手出しさせてーのか!?」
女「いいのいいの、どのみち何もさせるつもり無いから」
婆『あれま、悪い女だねぇ』
男「お前もう降りろコノヤロー!」
女「こんなトコで降りろとかマジ最低じゃない?」
婆『だよね~』
男「お前が最低とか言う!?ババアもいちいち乗っかんなくていいから!」
男「いつまで追っかけてくんだよ!もういいだろ!」
婆『そう言うでない。少しは年寄りの話し相手をせんか』
男「車と同じスピードで走るババアの話し相手なんか願い下げだよ!だいたいこっちは運転中だから話し相手なんかしてられる余裕はねーっつーの!」
女「イヤアアァァァ!!
ツッコミくど~い!」
男「うるせーな!テメーらがボケ倒すから俺がツッコむしかねーんだろ!」
女「このパターン割と久しぶり!」
男「確かにな!作者急に思い出したんだろ!…って余計なこと言うな!」
女「お前もな!」
男「お前って何だコラぁ!!いい加減キレるぞ!」
婆『まあまあ、落ち着かんか』
男「お前は黙ってろよ!」
婆『お前って何じゃコラぁ!!』
男「カブせてきた!」
女「う~ん、ナイスコンビ」
男「感心するな!」
婆『いやいやお嬢ちゃん、アンタのパスが良かったんじゃよ』
男「認め合うな!」
女「言うなれば?」
婆『キャプ○ン翼の?』
女「ゴールデンコンビ?」
男「掛け合うな!例えるな!!」
婆『もしくは?』
女「テニスの王○様の?」
婆『ゴールデンペア?』
男「打ち合わせでもしてんのかオメーら!?」
女「エーイ」
婆『エーイ』
男「ハイタッチするな!!!!もうお前ら二人だけでやってくれよ!」
女「お前って何だコラぁ!!」
婆『お前って何じゃコラぁ!!』
男「そのパターンもういいよ!」
女「… え? ここで終わり!?」
男「違う!その『もういいよ!』じゃない!」
婆『そろそろ終わってもいいと思うけどねぇ』
男「そんなこと言うなよ!作者一生懸命考えてんだから!」
女「でもお婆ちゃん、今回ちょっとインパクトが無くない?」
男「やめろ~!」
婆『このままじゃ終われないってやつかい?』
女「ある意味もう終わってるけどね(笑)」
男「いい加減にしねーか!ここまで作者イジりする小説聞いたことねーよ!」
男「オイ!まだ着かねーのかよ!」
女「あ、そこの信号右ね」
男「マジか!もっと早く言ってくれよ!」
女「しばらく行くと、私が人生初のデートで行った公園があるから」
男「今その情報求めてないよね!?つーか他の男の前でそんな話するとかどんだけ!?」
婆『これこれ、そう目くじらを立てるでない』
男「だっておかしいだろがよ!」
婆『女の心は海より深いんじゃよ』
男「この言葉のどこにそんな深さがあんだよ!」
婆『好きな男の腕の中でも違う男の夢を見る、と言うじゃろ』
男「それアレじゃねーか! …え~っと… 思い出せねぇ!作者しっかりしろ~!」
女「ウェンディーカンヒーホーミーエ~~~ンジャ~~~~~♪」
男「グチャグチャじゃねーか!お前も覚えてないんかい!」
婆『私の中でお眠りな~さ~い♪』
男「だからいちいち乗っかんなよ!だいたい今眠ったら居眠り運転になるわ!」
女「…は?何そのドヤ顔。つまんないよ?」
男「ドヤ顔なんてしてねーし!」
女「小説じゃ顔は見えないからね。言ったもん勝ちよ」
男「言ったな!それなら俺にだって考えがある! 皆さ~ん!この女すっごいブサイクですよ~!!」
女「あ!何デタラメ言ってんのよ!」
男「ホントですよ~!この世のものとは思えないほどブサイクですよ~!」
女「… この男はそんな女にいやらしい事しようとしていた不埒者ですよ~!」
男「分かった!俺が悪かった!」
婆『アンタら仲いいねぇ~』
男「どこがだよ!ほのぼのするな!」
女「… あ!あれがアタシの実家だよ!」
男「よっしゃ!これなら何とか逃げ切れる!」
婆『おやおや、やっとこさオチかい?』
男「オチとか言わんでいい!バラすな!」
女「オチなの?」
男「そうだよ!いい加減アキてきただろ!」
婆『確かにそうだねぇ』
男「…なんか複雑な気分だな」
女「作者もいよいよネタが尽きたみたいだし」
男「そういうこと言うなっての!つーか今回作者イジり多すぎじゃね!?」
婆『そんじゃ、アタシもそろそろおいとましようかね』
男「やっとかよ… つーかホント何しに来たんだ…」
女「ばいば~い」
男「挨拶しなくていいから」
婆『そ~れ、Bダ~~~ッシュ!!!!』
ドドドドドドドドドドドドドド………
男「…やっと行ったな。っていうかマ○オ知ってんのか…」
女「すっごい足速いね。もう見えなくなっちゃった」
男「あの走りで手加減してたってのか… とんでもねぇな」
女「足加減ね」
男「ソコどっちでもいいだろ!」
男「ふうっ… やっと着いたな…」
女「ただいま~。誰かいる~?」
婆『おや、お帰り。 ふふふ、今日もアタシの勝ちだねぇ』
女「も~、お婆ちゃんってば速すぎ~」
男「思いっきり身内じゃねーか!もういいよ!」
女「… え~っと… コレは?」
男「ココで終わり!はい皆さんご一緒に!
もういいよ!」
女「もういいよ!」
婆『もういいよ!』
はい、第四説「追いかけババア」編です。
実は今回あんまり自信無いんですよ。これといったネタもないままノリに任せて書いちゃったもんで…。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
てか思ったんですけど… この話、追いかけババアである必要無くないですか?(笑)書き終わった後に気付きました…。作者しっかりしろ~!