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番外編 都市変説妖怪定例会議

 

 今回の話は、いつもの倍以上の長さがある大長編になっております。十分な時間を確保した上でお読みください。

 


 

 ねぇねぇ… 「都市変説妖怪定例会議」って話… 知ってる?



 都市変説妖怪定例会議はね… 都市変説の十説突破を記念した番外編で…


 作中に登場した妖怪が集まって… 会議をするって話なんだけど…


 番外編だからってことで… 作者が好き勝手やっちゃって…


 まとまりがない上に… ものすごく長い…


 メチャクチャな話になってるんだって…



 怖いよね…






●番外編 都市変説妖怪定例会議






裂「皆さん、こんばんは。都市変説妖怪定例会議の時間がやってまいりました。

 進行役は私、口裂け女が勤めさせていただきます。どうぞよろしく」


下「アシスタントの、ベッドの下の男(新入り)ッス!よろしくッス!」


裂「よろしく。 あなたは、先輩の代役で急遽呼ばれたのよね?」


下「そうッス。先輩が怪我で入院してしまったんで…」


裂「そうらしいわね。確か全治3ヶ月とか…」


ミ「5ヶ月よ」


裂「? そうなの? …ミカちゃん、詳しいわね?」


ミ「… そりゃ詳しいわよ。…ウフフフフ…」


裂「… ミカちゃん、まさか…」


下「…( ヒソヒソ… …その、まさかッス…)」


裂「… そう…。 あの人も、いい加減にすればいいのに…」






裂「ではまず、出席の確認を取らせてもらうわね。


 まず始めは … メリーさん」


下「…メリーさんは、まだ来てないッス」


裂「… 一人目から遅刻とか、勘弁してほしいわ…」



 プルルル… プルルル…


下「あ、電話ッス」


裂「多分メリーさんね。 私が出るわ」


 ピッ


裂「はい」


メ「こんばんは、私メリーさん」


裂「でしょうね。 … 今日は皆で集まるって言ったわよね?今どこにいるの?」


メ「今駅を出たところなの」


裂「全然進んでないじゃない!何やってるのよ!」


メ「道が分からなくなっちゃったの」


裂「学習しないわねアンタ!?アンタが登場してからどんだけ時間経ったと思ってんの!?」


メ「よかったら、迎えに来てほしいの」


裂「行けるか!口裂け女とメリーさんが並んで歩くとかどんな絵ヅラよ!?」


メ「じゃあ、何か目印になるものを教えてほしいの」


裂「そんな目立つ場所でやってるワケないでしょ!」


メ「… あれもダメ、これもダメ。 私は一体どうすればいいの?」


裂「知らないわよ! とにかく!もう始まってるから早く来なさいよ!」


 ガチャリ ツーツーツー…


下「… お疲れ様ッス…」


裂「ハァッ、ハァッ… っ …とりあえず、先に進みましょう…」



 

裂「…じゃあ、二人目ね。


  二人目は … 口裂け女。 は、当然参加してる… と」


下「ちょっといいッスか?」


裂「? 何?」


下「木更津のほうの口裂け女さんじゃないッスよね?」


裂「だから木更津バージョンは無いって言ってんでしょうが! てかアンタまでボケんじゃないわよ!」


下「す、すいませんッス!」




裂「じゃ、三人目いくわよ。


 三人目は … コックリさんね」


下「コックリさんは、こっちから呼び出さないと来ないッスよ」


裂「そうね。 というわけで、すでに準備はしてあるわ」


下「準備がいいッスね~」


裂「こういうのはテンポが大事だから。 じゃ、さっそく始めるわよ」


下「了解ッス」






裂「コックリさん、コックリさん、おいでください」

下「コックリさん、コックリさん、おいでください」






コ… よ ば れ て と び で て ジ ャ ジ ャ ジ ャ ジ ャ ~ ン ! …


裂「ハク○ョン大魔王か!」


下「…今日も絶好調みたいッスね…」


裂「迷惑なことにね…」


コ… や あ 、 く ち さ け お ん な ち ゃ ん 。 ま た あ っ た ね …


裂「一度も会ったことないでしょ!」


コ… や だ な あ 。 き の う ぼ く の ゆ め の な か で あ っ た じ ゃ な い か …


裂「何勝手に出演させてんのよ!」


コ… ゆ め の な か で 、 ぼ く と き み が ど ん な こ と を し て い た か 、 し り た い か い ? …


裂「知りたくないわよ!どうせロクなことしてないんでしょ!」


コ… ぼ く は あ の ゆ め を み て い ら い 、 そ の ゆ め の な か で の で き ご と を お も い だ し な が ら 、 よ な よ な …


裂「やめなさい! アンタ結婚してるんだから、いい加減落ち着きなさいよ!」


コ… い っ け ね か っ こ わ ら い …


裂「次そんなセクハラ発言したら、けいこさんに言いつけるからね!」


コ… そ 、 そ れ だ け は か ん べ ん し て ! …


裂「だったら、少しはマジメにやんなさい!分かった!?」


コ… は ~ い …


裂「良し!」


下「…だいぶヒドイッスね、この人…」


裂「…作者も認める、都市変説史上最低のキャラだからね…」



 

裂「じゃ、次。


 四人目は … 追いかけババア」


婆「こりゃ!年寄りに向かってババアとはなんじゃ!」


裂「そういう名前なんだから仕方ないでしょうが!」


婆「最高でお婆ちゃん、最低でもお婆ちゃんと呼びんしゃい!」


裂「谷○子か!」


下「ちょっといいッスか」


裂「何よ!」


下「そのセリフを言った時は、まだ田村○子ッス」


裂「ソコどっちでもいいでしょ!」


婆「アンタ、腕あるのう」


下「恐縮ッス」


裂「認めなくていいから!」




裂「… …長い…」


下「出席確認程度にどんだけ時間かかるんスか…」


裂「全員いちいちボケるから、全っ然先に進まないわ…」


下「…頑張りましょうッス」


裂「… そうね。 …じゃあ次。


 五人目は … 人面犬」


犬「ここにいる」


裂「はい、出席… と」


犬「ところで君」


裂「? 何?」


犬「私のことを"匹"と数えなかったな。いい心がけだ」


裂「相変わらずの上目線!?」


犬「だが、まだ足りないな」


裂「は!?」


犬「←ここも"犬"じゃなくて"人"にしてもらわねば」


裂「そんなダメ出しいらないわよ!」


人「というわけで、変えさせてもらうぞ」


裂「勝手なことするんじゃないわよ!ああもう分かりづらいっ!」


人「そんなにカリカリするんじゃない。老けるぞ?」


裂「アンタのせいでしょうが! だいたい、アンタは人の顔をした犬なんだから、結局のところ犬なのよ!」


人「そんなに犬犬言うことないだろう! この、アバズレめが!!」


裂「誰がアバズレよ!いい加減にしないと殺すわよ!?」


人「な!? …さては貴様、珍獣ハンターだな!?」


裂「いちいちやかましいわね! ホラ、戻すわよ!」


犬「くっ!何てことだ…!」




裂「ああ~!疲れるわね、もう!」


下「登場する妖怪のほとんどがボケキャラッスからね…」


裂「作者に言って、ツッコミキャラを追加してもらうことにするわ!」


下「それがいいッス」


裂「次っ!


 六人目は … 怪人赤マント」


赤「はい、ここに」


裂「うん、出席ね」


赤「よろしくどうぞ」



 

裂「………」


下「………」


裂「… ボケないのかしら…」


下「… 赤マントさんは、そこまでハードなボケキャラじゃないッスからね…」


裂「… 大丈夫よね? …何か振ったりしたほうがいいと思う?」


下「… どうッスかね…。 服の話をすれば食いつくとは思うッスけど…」


赤「…あの~」


裂「…え!? … な、何か?」


赤「何でしたら、ボケさせていただきますが?」


裂「い、いえいえ!そんな気を遣っていただかなくても大丈夫よ!」


赤「左様でございますか」


裂「ええ!」




裂「… これはこれで、やりにくいわね…」


下「…うまいこといかないッスね…」




裂「…まあいいわ。次。


 七人目は … 三本足のミカちゃん人形ね」


ミ「はい、ここにいるわよ」


裂「そうね。最初からいたものね」


ミ「あ~、やっと私の順番になったわ~。 もう、みんな喋りすぎなのよ~」


裂「ごめんなさいね。どいつもこいつも目立ちたがり屋で」


ミ「別にアンタが謝ることないわよ」


裂「ありがとう。そう言ってくれると助かるわ」


ミ「ねえ、ところでさ」


裂「何?」


ミ「この会議って、あとどれくらいかかるわけ?」


裂「そうねぇ…。 出席の確認が終わったら各々活動報告をして、それから今後の活動予定を話し合うから… …もうしばらくかかるかしら」


ミ「あっちゃ~… そんなにかかるの?」


裂「何か問題でもあるの?」


ミ「いや… …英子がまた合コン行くらしいから、ついてかないといけないのよ」


裂「…英子ってこないだ言ってた、あなたが今いる家の?」


ミ「そう」


裂「… その子、どんだけ合コンすれば気が済むわけ?」


ミ「さあ? あれで結構理想が高いのよね~」


裂「そうなんでしょうね~」


ミ「程よい所で妥協しなさい って、いつも言ってるんだけどね~」


裂「少しは自分の歳考えなきゃね~」


ミ「そうなのよ~。付き合わされるほうも大変よ~」


裂「気の毒だわ~」


ミ「寝るのも遅くなっちゃうから、おハダも荒れるしさぁ~」


裂「あ~、分かるわ~。アタシも最近ヒドイのよ~」


ミ「えぇ~? サケちゃん、ハダ超キレイじゃ~ん」


裂「そんなことないわよ~。マスクしてるからいいようなものの、近くで見ると結構キてるのよ~」



 

下「… …あ、あのぉ~…」


裂「何?」


ミ「何?」


下「… お二人は、知り合いか何かで…?」


ミ「まあね」


裂「プライベートでも仲良くさせてもらってるわ」


ミ「都市変説のダブル美人といえば、アタシ達のことよ」


裂「まあ、当然アタシのほうが上だけどね」


ミ「お、サケちゃん言うね~」


下「…サケちゃん…?」


ミ「そうよ。口裂け女だから、サケちゃん」


下「… そうッスか…」


ミ「あ、ところでサケちゃん…」


裂「なになに?」


下「… あの、口裂け女さん…」


裂「何よ?」


下「…キャラ変わってるッス…」


裂「女友達と話してる時に、キャラなんか気にしてられないわよ」


下「… 今、一応本番中なんスけど…」


ミ「アンタ常識人ね~。ウチのバカ彼氏とは大違いだわ~。

 … 乗り換えちゃおうかしら!?」


下「…どうもッス…。 …とりあえず、このままじゃ先に進まないッスから…」


裂「え? …ああ!そうだったわ!すっかり忘れてた!」


ミ「まあ、しょうがないわね」


裂「ごめんね、ミカちゃん。また後でメールするから」


ミ「うん、待ってる♪」


下「どんだけ仲いいんスかアンタら!?」




裂「… コホン。 …気を取り直して…。


 八人目は … ベッドの下の男」


下「はい、自分ッス」


裂「はい、出席ね。じゃあ次」


下「エェ!? ちょ、ちょっと待ってくださいッス!」


裂「何よ?」


下「いや… …自分も何か喋りたいんスけど…」


裂「何言ってるのよ。本編でツッコミキャラだったアンタがボケられるとでも?」


下「いや、だとしてももうちょっと…」


裂「さっきのミカちゃんとの絡みで時間くっちゃったから、アンタに使う時間は無いのよ!」


下「それは自分の責任じゃないんスけど!?」


裂「はい、一回ツッコんだわね。 じゃあ次」


下「エェ!? そんな、あんまりッス~~~!!」



 

裂「さあ、もうそろそろ終わるわね。


 九人目は … 死ねばよかったのに …の、カーナビ」


下「………」


裂「ちょっと!やる気出しなさいよ!」


下「… 了解ッス…」


裂「まったく… もう一回いくわよ?


 九人目は … 死ねばよかったのに …の、カーナビ」


下「もはや生物ですらないッスね…」


裂「で、そのカーナビは今どこにあるわけ?」


下「車と一緒にここまで運んでる最中ッス」


裂「…段取りが悪いわね~」


下「持ち主との出演交渉に、思いのほか手こずったらしいッス」


裂「どうすんのよ?来るまで待ってらんないわよ?」


下「… そのカーナビが言うには… "展開カット"って技を使うと、途中の展開を飛ばせるらしいッス」


裂「何よそれ!?そんなふざけた技がまかり通ったの!?」


下「…みたいッス」


裂「…信じらんない…」


下「… で、どうするッスか?」


裂「… 待ってるだけ時間の無駄だしね…。 …しょうがない、その技を使いましょ」


下「了解ッス。 …じゃ、お願いしま~す」



 … … …



下「… はい、というわけで到着したッス」


裂「ホントにできちゃうの!? これはいくらなんでもヒドすぎるんじゃない!?」


下「…まあ、こうして思いがけず役に立ったわけッスから…」


裂「… あ、頭痛くなってきたわ…」




裂「… さあ、いよいよ最後ね。


 十人目は … トイレの花子さん」


花「は~い!」


裂「あら? あなた、トイレから出られたの?」


花「うん。こんかいは"ばんがいへん"だから、おそとにでてもいいんだって」


裂「そう、よかったわね」


花「うん!」


裂「… ねえ、ひとつ聞いてもいいかしら?」


花「なあに?」


裂「… あなたのキャラ、元に戻ってない?」


花「………


 あれは、あくまで"おち"ようのきゃらだから、こんかいはもとにもどしたんだって」


裂「… それ、誰が言ってたの?」


花「さくしゃさん」


裂「… ホント、適当なんだから…」





 

裂「さあ、ようやく出席の確認が終わったわ!」


下「長かったッスね~」


裂「長さ的にはもう十分な気もするけど… このまま終わったら会議じゃなくなっちゃうからね」


下「そうッスね」


裂「というわけで… 各自、活動報告をしてちょうだい。


 まずは、メリーさん! …は、まだ来てないのね…」



 プルルル… プルルル…


下「電話ッス」


裂「メリーさんね。随分タイミングがよろしいこと…」


 ピッ


裂「はい」


メ「私メリーさん」


裂「分かってるわよ。 で、今どこ?」


メ「今、あなたの後ろにいるの」


裂「! うぉうっ! いつの間にっ!?」


メ「あなたたちがダラダラやってくれたおかげで、何とか間に合ったの」


裂「ダラダラとか言うんじゃないわよ!間に合ってもいないし!


 … まあいいわ。 じゃ、メリーさん。活動報告をしてちょうだい」


メ「私は、これまで10人の人間と関わったの」


裂「あら、意外と精力的に活動してるのね」


メ「うち8人は、途中で挫折したの」


裂「打率2割!?一体何があったのよ!?」


メ「途中で道が分からなくなっちゃって…」


裂「アンタどんだけ方向オンチ!?」


メ「残り二人のうち、一人は本気で好きになっちゃって… …手が出せなかったの…」


裂「2割下回った! え!?ちょっとアンタ、マジで何やってんの!?」


メ「仕方ないじゃないの! …後ろを振り返った時の表情が、すごくカッコよかったんだもの…」


裂「妖怪のくせに、人間相手に恋なんかしてんじゃないわよ!」


メ「…他人を妖怪呼ばわりは、いくらなんでも失礼だと思うの」


裂「うっさいわね!」


メ「自分だって、道行く男に"私キレイ?"って聞いて回る痴女じゃないの」


裂「誰が痴女ですって!? アタシはそういう役回りなんだから仕方ないでしょうが!」


メ「ちょっとばかり美人だからって、調子に乗ってんじゃないの?」


裂「アンタそんな嫌な性格だったっけ!?」


メ「これ以上話すことは何もないの」


裂「ああそう!じゃあもういいわよっ!」



 

裂「… 一人目からコレじゃ、先が思いやられるわ…」


下「…ドンマイッス」


裂「… じゃあ、次はコックリさんね」




コ… … Z Z Z … …


裂「ちょっと!何寝てんのよ!」


コ… … あ あ 、 わ る い わ る い ! あ ん ま り た い く つ だ っ た も ん で 、 つ い …


裂「まったく! さっさと活動報告してちょうだい!」


コ… … さ い き ん は 、 オ ジ サ ン を よ び だ し て く れ る こ が す く な く っ て ね 。 あ ん ま り か つ ど う で き て な い ん だ ょ …


裂「… ま、今時コックリさんってのも流行らないしね」


下「学校側の規制も厳しいッスしね」


裂「おまけに、呼び出したのがこんなエロオヤジじゃ、そりゃ廃れるってものよね」


コ… た ま に よ び だ さ れ て も 、 さ え な い だ ん し が く せ い ば っ か り で さ ぁ ~ …


裂「… は?」


コ… そ う い う と き は 、 な ん や か ん や り ゆ う を つ け て か え ら せ て も ら っ て る か ら ね …


裂「全然やる気無いじゃないの!理由って何よ!?」


コ… コ レ が コ レ な ん で 、 と か …


裂「飲み会を途中で抜け出すサラリーマンか!」


コ… し ゅ う で ん な く な っ ち ゃ う か ら 、 と か …


裂「合コンを早めに切り上げたいOLか!」


コ… き ょ う は よ め の た ん じ ょ う び な ん だ 、 と か …


裂「愛人の家から帰る社長か!」


コ… く ち さ け お ん な ち ゃ ん 、 ツ ッ コ ミ の う で あ が っ た ね え …


裂「何よ急に!」


コ… ひ た す ら ツ ッ コ ん で い る だ け に み え る け ど 、 ぜ ん ぶ か い し ゃ の や く し ょ く に た と え て ツ ッ コ ん で い る 。 さ す が だ ょ …


裂「じっくり味わわないでよ!恥ずかしいじゃない!」


コ… は ず か し が っ て い る か お も か わ い い ね …


裂「気持ち悪っ!もういいから黙って!」



 

裂「次は… 追いかけババアよ」


婆「わしゃ、歳のせいか最近コシが痛くてのぉ…」


下「そりゃ大変ッスね」


婆「じゃから、動きに往年のキレが無くなってきとるんじゃよ」


裂「…そんなんで活動できるの?」


婆「なんで今、ジムで鍛え直してるとこじゃわい」


裂「ジムとか行ってんの!?」


婆「おかげで、最高時速110キロまで落ちたスピードを、130キロまで戻せたわい」


裂「十分速いじゃない!」


婆「ピーク時は150も平気で出せたんじゃがの」


下「…正に化け物ッスね…」


婆「しかも、そのジムのインストラクターがイケメンでのぉ~」


裂「は!?」


婆「このババアも、久しぶりに血がたぎってきよるんじゃよ!」


裂「何なのよ、どいつもこいつも!」


婆「今は、どうやってヤツのメルアドを聞き出そうか思案中じゃわい」


裂「アンタまで色ボケなの!?少しは自分の歳考えなさいよ!」


婆「何を言いよるか!女はいくつになっても女なんじゃぞ!」


裂「やかましいわね!」


婆「おヌシだって今は若いが、いつかはワシのようなババアになるんじゃからな!」


裂「アタシは妖怪だから歳取らないわよ!バーカ!」


下「ちょっと、二人とも落ち着いてくださいッス!」


婆「おヌシは黙っとれ!」

裂「アンタは黙ってなさいよ!」


下「エェ!?何で自分が怒られるんスか!?」



 

裂「… さ、落ち着いて先に進みましょ」


下「… はいッス」


裂「次は、人面犬ね」


犬「… 悪いが、私はほとんど活動できていない」


裂「どうして?」


犬「…最近、ハンター共の追跡が厳しくてな…。 昔のように気楽に動けなくなってしまったのだ」


下「…まあ、仕方ないッスね」


犬「だが、何もしていないわけではないぞ」


裂「? というと?」


犬「いつハンターに遭遇しても大丈夫なよう、新しい必殺技の修行をしている」


裂「必殺技!?」


犬「そうだ。 聞きたいか?」


裂「… 何となく、嫌な予感がするんだけど…」


下「… 聞かせてくださいッス」


犬「そうか。 まずは、肉球から気の波動を撃ち出す必殺技で…」


裂「… …それは、何か掛け声はある?」


犬「あるぞ。 …か~… …め~…」


裂「やっぱりね! もうこれ以上はいいわ!」


犬「他にもあるぞ? 自分の身体の一部を巨大化させてだな…」


下「…その必殺技の名前は何スか?」


犬「ゴムゴムの…」


下「はい、もういいッス!」


犬「そうそう、こないだ時間を5秒ほど止める技も使えるようになって…」


裂「どんだけ必殺技覚えてんのよ!アンタ何者!?」


下「…で、その必殺技は…?」


犬「うむ、世○(ザ・ワー○ド)という…」


裂「ついにジョ○ョネタ来ちゃった!」


下「ジョ○ョファンに怒られるッス!」


犬「他には…」


裂「やめなさい!これ以上喋ったらいよいよ著作権に引っかかるから!」




裂「次っ! 次は、怪人赤マント!」


赤「はい。 私は、8枚のマントをお客様に販売いたしました」


裂「…やっとまともに活動してるヤツがきたわね…」


下「内訳はどういった感じッスか?」


赤「オレンジが4点、虎柄が2点、ストライプ柄が1点、黄色が1点、でございます」


裂「…オレンジがずいぶん売れたのね?」


赤「はい。オレンジはリアル評価が上々だったもので」


下「…リアル評価?」


赤「作者の友人の評判が良かったそうでございます」


裂「どんな裏事情!?」


下「… ところで、黄色は聞いたことないんスけど… どんなものなんスか?」


赤「はい。 こちらは、まずお客様に死んでいただきまして…」


裂「ふむふむ」


赤「その後、私のショ○ベンで死体を黄色く染めるのです」


裂「汚っ!」


下「よくそんなのが売れたッスね!?」


赤「あまりに下品なので、本編ではボツにしたネタだそうです」


裂「で、何でそれを今出すワケ!?」


赤「番外編ですから」


裂「番外編だからって、何でもアリってわけじゃないのよ!」



 

裂「じゃ、次はミカちゃんの番よ」


ミ「私は、さっき言ったとおりよ」


裂「英子って子の家にいるのよね?」


ミ「そ」


裂「じゃあ、特に活動という活動はしてないのね?」


ミ「そうね~。 不幸にするったって、そもそもあの子そこまで幸せでもないし…」


裂「…それも悲しいわね…」


ミ「お風呂とかも使わせてもらってるし… 普通に仲良くなっちゃったし… オッパイの触り心地いいし…」


裂「何してるのよミカちゃん!?」


コ… え え !? オ ッ パ イ !? …


裂「出てこなくていいのよオッサン!」


コ… う ほ っ ! こ ん ど 、 ぜ ひ よ び だ し て ほ し い な ! …


裂「ちょっと!いい加減にしなさいよ!」




ミ「… …ねえ、アンタ…」


コ… ? 何 だ い ? …


ミ「…今は、アタシの出番よね…?」


コ… … え ? …


ミ「あんまり出しゃばったマネすると…


   … 殺 す わ よ ? 」




コ… … す 、 す い ま せ ん で し た ぁ ~ ! …


下「… …ミカさん、さすがッス…」




裂「じゃあ、次は… ベッドの下の男、アンタよ」


下「自分は新入りなんで、報告するほどの活動はまだ何もしてないッス」


裂「あら、そうなの? …困ったわね…」


下「先輩のケータイ番号知ってるッスから、電話してみるッスか?」


裂「病院で電話はマズイんじゃないの?」


下「…そうッスけど… この際しょうがないッス」


裂「…まあ、そうね。 読者の皆さんはマネしちゃダメよ」



 … … …



 ピリリリリ… ピリリリリ…


 ピッ


男「はい、どちらさん?」


裂「もしもし、アタシよ」


男「ああ、口裂け女ちゃんか」


裂「そうよ。入院中なのに電話して悪いわね」


男「いいってことよ。 こっちこそ悪いね、せっかくの集まりなのに参加できなくて」


裂「気にしないで。 …で、悪いんだけど、活動報告をしてもらってもいいかしら?」


男「ああ。 …つっても、特に報告するほどのことはねぇぞ?」


裂「あら、そうなの」


男「おう」


裂「病院のベッドの下には潜らないの?」


男「… 足の骨、両方折れちまってるからな。動けねぇのよ」


裂「あらまあ、大変ね」


男「そうなんだよ…」


裂「でも、ちょっと嬉しいんじゃないの?」


男「あ?」


裂「病院のナースさん、好きなだけ見られるじゃない」


男「ああ!そうなんだよ! いやぁ~、やっぱナースはいいよなぁ~!」


裂「そうなの?」


男「おうよ! ミカちゃんもいないから、好きなだけ見られるしなぁ」


 「… それで?」


男「こないだなんか、チラっとパンツも見えたしよ! 今後は病院のベッドを中心に活動してこうかなぁ!? ガハハハハ!」


 「……… ふ~~~~~ん………」


男「? 口裂け女ちゃん?」




ミ「… 違うわよ…」


男「!!!! ゲェッ!? み、ミカちゃん!?」


ミ「ウフフフフ… …せいか~い…」


男「… あ、あ、あの… … ど、どっから聞いてた …かな?」


ミ「そうねぇ~… ミカちゃんがいないから、好きなだけナースを見られる … って辺りからよぉ~…」


男「… いや、あ… …あれは、ほんの冗談で…」


ミ「ウフフフフフフ… 


 … ねえ… …何ヶ月がい~い?」


男「え!? … な… …何が、でしょうか…?」


ミ「入院期間よぉ~…。 …何ヶ月延ばしてほしい?」


男「い、い、い、い、いや… …それは…」


ミ「…会議が終わったら、お見舞いに行くから…


   待 っ て て ね ? 」


男「………




   … はい」


 ガチャリ ツーツーツー…




ミ「…ありがとぉ~…。 …ウフフフフフフフフ…」


裂「…ミカちゃん… とてつもない戦闘力だわ…!」


下「…先輩… ご愁傷様ッス…」




裂「じゃあ、次はそこのカーナビの番ね」


カ― 活動履歴をロードします ―


下「そういえば、カーナビさんはこれが今回初ゼリフッスね」


裂「そう言えばそうね」


カ― 3件見つかりました ―


裂「…それほど多くはないわね」


下「詳しい説明をお願いするッス」


カ― 1件目… カップルを、山道から彼女の家まで案内しました ―


裂「要するに本編ね」


下「次お願いするッス」


カ― 2件目… 大怪我を負った男性を、病院まで搬送しました ―


裂「…大怪我を負った男性…?」


下「… 先輩のことッス…」


裂「この車で運んだの!?」


カ― 彼女を怒らせなけりゃよかったのに ―


裂「アンタ、あの段階ではまだ登場すらしてないじゃない!」


カ― 番外編ですから ―


裂「何でもかんでも番外編で片付けるな!」


下「まあまあ…。 …じゃ、ラストお願いするッス」


カ― 3件目… メリーさんを集合場所まで乗せました ―


裂「メリー!アンタ何やってんのよ!?」


メ「おかげで助かったの」


裂「生意気に楽してんじゃないわよ!」


メ「何事も有効活用しないともったいないの」


裂「やかましいわ!」


下「…じゃあ結局、ほとんど身内相手にしか活動してないんスね…」


カ― 車じゃなければ、もっと色々活動できたのに ―


裂「もういいわ!次っ!」



 

裂「じゃ、最後は花子さんね」


花「は~い。 花子はトイレで、いろんなおはなしをきいたよ」



裂「… あのね、花子さん」


花「なあに?」


裂「あなたの役目は、人間をトイレに引きずり込むことなのよ」


花「………


 … だって…」


裂「私達は、人間から怖がられる存在でないといけないの」


花「………」


裂「人間の話を聞くだけじゃダメなのよ。分かるよね?」


花「うるっさいわね!」


裂「エェ!?」


花「こまかいことで、やいやいやかましいのよ!」


裂「いや、別に細かくは…」


花「なんで花子ばっかりおこられなくちゃいけないのよ! どいつもこいつも、ろくなかつどうをしてないくせに!」


裂「分かった!私が悪かったわ!」


花「だいたい、こわがられるそんざいってなによ!? まいかいまいかい、くっだらないはなしばっかりじゃないの!」


下「花子さん、それは言いすぎッス!」


花「あんたはだまってなさいよ!トイレにひきずりこんでやりましょうか!?」


下「ひえぇぇ!」


裂「花子さん! キャラ!キャラ変わってる!」


花「…はっ!?




 ……… … てへっ♪」


裂「… はい、OKで~す…」


下「… 花子さん… …OKだそうッス…」


花「は~い!」


裂「…やれやれだわ…」





 

裂「よし!これで活動報告も終わったわね!」


下「… 今回、やたら長くないッスか…?」


裂「…登場人物が多すぎるのよね~…」


下「…まだ続けるんスか?」


裂「最後に、今後の活動予定を発表して終わりよ」


下「じゃあ、ようやく終わるんスね」


裂「そうよ。 いい加減長いから、こっからはサクサク行くわよ!」


下「了解ッス!」


裂「テンポ良くね! まずはメリーさんから、始めっ!」


メ「私は、とりあえずGPS機能付きのケータイを…」


裂「少しは自分で努力しなさい! 次っ!」


コ… オ ジ サ ン は 、 こ ん ど え い こ ち ゃ ん の お へ や に お じ ゃ ま し ま す …


裂「よし決めた!けいこさんに言いつける! 次っ!」


婆「わしゃ、あのイケメンインストラクターとデートがしたいのぉ~」


裂「それは単なる願望でしょうが! 次っ!」


犬「私は、止められる時間を最大9秒に…」


裂「ジョ○フの血でも吸ってなさい! 次っ!」


赤「私は、このまま売り上げを伸ばして、ゆくゆくは本社勤務に…」


裂「まず売り上げを伸ばす方法を考えなさい! 次っ!」


ミ「…病院であのバカを可愛がるのよ…」


裂「殺さない程度にね! 次っ!」


下「あ、自分は…」


裂「アンタはいい! 次っ!」


下「エェ!?また!?」


カ― 今後の予定を検索します ―


裂「テンポが悪い! 次っ!」


花「花子、いままでどおりじゃだめ?」


裂「OK!」






裂「よし!ようやく全工程が終了したわね!」


下「…最後だいぶ雑だったッスけどね…」


裂「いいのよ!読者はとっくに飽きてるんだから!」


下「それ言っちゃダメッスよ!」


裂「いいから! じゃ、ぼちぼち締めるわよ!」


下「…了解ッス」






裂「… では、以上で都市変説妖怪定例会議を終了します。長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。

 進行役は私、口裂け女と」


下「ベッドの下の男(新入り)でお送りしましたッス」




裂「それでは皆さん、またどこかでお会いしましょう。 さようなら…」










 

コ… さ ~ て 、 じ か い の と し へ ん せ つ は ~ ? …


裂「何やってんのよアンタは!?」




メ「私メリーさん」


裂「アンタまで勝手に喋ってんじゃないわよ!」


メ「この前、話題のツ○ッターを始めてみたの。


 すごく楽しくって便利だから、今度からターゲットに近づく時はツ○ッターを使おうと思ってるの。


 でも… もしターゲットがツ○ッターをやってなかった時は… …どうすればいいの…?」


裂「知らないわよ!従来通りの方法でやりゃいいでしょ!」




メ「次回のお話は…


 メリーさん ブログ開設」


裂「アンタの日常なんか誰も興味無いわよ!」


メ「口裂け女 素人AV出演」


裂「するか!ブッ殺すわよ!?」


メ「コックリさんに逮捕状」


裂「やけにリアルだな!」


メ「追いかけババア 追いかけるのをやめる」


裂「そうなったらただのババアじゃないの!」


メ「人面犬 精○と時の○屋へ」


裂「何本格的に修行してんの!?」


メ「SHOP赤マント 全国展開」


裂「リスク高すぎるでしょ!」


メ「ミカちゃんの殺人未遂」


裂「ミカちゃん!やりすぎちゃダメだってば!」


メ「ベッドの下の男 銀幕デビュー」


裂「できるか!大人しくベッドの下にいなさい!」


メ「廃車」


裂「どんなタイトルよ!?」


メ「トイレの花子さん in トウ○ョウガー○ズコレ○ション」


裂「だいぶ大人の階段上ったわね!?」


メ「の、10本なの」


裂「多すぎるでしょ!見てらんないわよ!」



 

コ… じ か い も ま た 、 よ ん で く だ さ い ね ~ 。


 じ ゃ ん 、 け ん 、 ぽ ん ! ウ フ フ フ フ フ … …


裂「いつまでやってんの!

 せっかくだから全員一緒に! せーのっ!」


全員「もういいよ!!!!!!!!!!」

 


 

 はい、十説突破記念番外編の「都市変説妖怪定例会議」でした。

 いやぁ~ … 長いっ!(笑) こんな長い話を読ませてしまって申し訳ないです。


 この話のアイデア自体は連載開始時から考えてました。連載が10回を突破したら、それまで登場した妖怪達を全員集合させた話を書こう、と。まあ、いわゆるオールスターですね。

 久しぶりに登場させたヤツもいるんで、懐かしいやらうっとうしいやら(笑)複雑な気分でした。 ですが、書くぶんにはとても楽しかったです。好き勝手やれたんで。

 しかし今思うと… 口裂け女をツッコミ役にしといて良かったなあ、と思いますね(笑)彼女がいなかったらどうなってたことか…。ホント、お疲れ様でした。


 今回の話の中のセリフには、本編でのセリフを流用したものが多数散りばめられております。興味があったら探してみてくださいませ。

 では、今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。皆様からのご意見・ご感想をお待ちしております。


 ちなみに次回予告の内容は、当然ながら全部ウソですんで(笑)

 


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