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第一説 メリーさん

 

 ねぇねぇ… 「メリーさん」って話… 知ってる?



 電話がかかってくる度に、だんだん自分のいる場所に近づいてきて…


 最後に… 自分の背後まで来て… その時に後ろを振り向いちゃうと…


 殺されちゃうんだって…



 怖いよね…






●第一説 メリーさん






 プルルル… プルルル…


 ピッ


「はい、山田(仮名)です」


『もしもし、私メリーさん』


「(え!?これって…)」


『今からあなたの家に行くの』


「…!」



『今駅前にいるんだけど、ここからどうやって行けばいいのか教えてほしいの』


「駅前!?駅前にいんの!?待ち合わせ感覚!? つーか教えるワケねーだろ!」


 ガチャリ ツーツーツー…




「何なんだよ…」




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「…はい」


『私メリーさん。今あなたの家に向かってるの』


「な…!」



『でもやっぱり道が分からなくなっちゃったの』


「なんでだよ! だったらせめて事前に調べとけよ!」


『昼間と夜ではだいぶ景色が違うの』


「やってたのかよ!意外と用心深いんだな! っつーか昼間にウロウロすんじゃねーよ!」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「…何」


『私メリーさん。今あなたの家の近くにいるの』


「(…道分かったのか?)」


『目印のコンビニまで来たのに家が見つからないの』


「明るいところに堂々と行くんじゃねーよ! でも事前に下見した甲斐はあったんだな!」


『この近くのはずなの』


「…もしかして、あんたが今いるのって、セ○ン?」


『そうなの』


「…家の近くにあるコンビニはロー○ンなんだけど…」


『そうなの?』


「うん」


『………』


「………」


『まぎらわしいことは、やめてほしいの』


「俺に言うんじゃねーよ!アッチの経営者に言えよ!」


『そうするの。じゃあ今から行ってきまーす。 …てオイオ〜イ!』


「まさかのノリツッコミ!?何がしてーんだお前は!」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「何」


『私メリーさん。あなたの言った通りだったの』


「あ、そ」


『やっぱり頼りになるの』


「やっぱりって何だ!お前俺のなんなんだよ!」


『ごめんね、着くまでもうちょっとかかりそうなの』


「気にすんな。 …いやいやおかしいだろ俺!来んじゃねーっつーの!」


『もうちょっとだけ待っててくれるかなー?』


「いいともー!  言ってる場合か!こういうベタなネタはやめれ!」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「…今度は何」


『私メリーさん。ちょっと聞きたいことがあるの』


「何だよ」


『自分を"さん"付けで呼ぶのって実際どうなの?』


「どーでもいいよ!つーか今聞くことかソレ!?」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「何だ、いい加減にしろよ!」


『もしもし、俺だけど。何、どうしたの?』


「あ、鈴木(仮名)!? いやスマン何でもない」


『そうか? 大丈夫かよオイ』


「大丈夫大丈夫… 悪い、今ちょっとたてこんでんだ。後で俺からかけ直すわ」


『そか。じゃあまた後でな』


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「…うん?」


『…話し中とか、やめてほしいの』


「お前かよ!いいだろ別に!俺にだって都合があんだよ!」


『空気を読んでほしいの』


「オメーにだけは言われたくねーよ!」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「あ!?」


『私メリーさん。今月電話代ピンチなの』


「知らねーよ!じゃあやめちまえもう! つーか電話代払ってんのかよ!」


『払ってるの。携帯で通話しながら移動してるの』


「携帯持ってんのか」


『うん。IDOの最新型携帯なの』


「IDOとかもう存在すらしてねーよ!」


『移動しながら話すだけに』


「全然うまくねーんだよ!」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「…ぁい」


『私メリーさん。もうすぐあなたの家に着くにょ』


「口癖変えんなよ!読者に分かりづらいだろうが!」


『第一話ということでまだキャラが定まってないにょ』


「余計なこと言うな! ていうかお前今後出演予定無いから、キャラとか気にしなくていいんだよ!」


『そうなにょ?』


「そうなの!」




 ガチャリ ツーツーツー…


「切れた!」




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「何だよもう!」


『私キャシーさん』


「いきなり改名すんな!読者に分かりづらいことはやめろっての!」


『アンケートの結果が悪くなって打ち切りになっちゃうから?』


「それはバク○ンだろ!よく知ってんな!お前ホントに妖怪か!?」


『…会ったこともない相手を妖怪呼ばわりは、いくらなんでも失礼だと思うの』


「急にまともなこと言うなよ!なんか俺すげー嫌なヤツみてーじゃん!」


『大丈夫。私はあなたが本当は優しい人だって知ってるの』


「その恋人目線やめろっての! つーかここのくだり大丈夫か!?著作権的な問題とか大丈夫か!?」


『大丈夫じゃないの?』


「不安!作者すっごい不安!」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「何だよ!」


『私メリーさん。今あなたの家の前にいるの』


「げ、着いたのか」


『玄関の鍵を開けてほしいの』


「そこはうまいことすり抜けてこいよ!」


『それと、お帰りのキスをしてほしいの』


「新婚夫婦か!第一お帰り言うのおかしいだろ!」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「何だ、まだいたのか」


『私ご存知メリーさん』


「ご存知とかいらねーから」


『今あなたの家の階段を登ってるの』


「結局玄関すり抜けてんじゃねーか…」


『だって私妖怪だもの』


「自分で言った!お前さっき妖怪呼ばわりは失礼とか言ってたよね!?」


『そんな昔のことは忘れたの』


「つい数分前だよ!」


『あなたに会うまでの時間はすごく長く感じるの』


「やめろっての!これ恋愛小説じゃねーんだから!」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「…あい」


『Yes!私メリーさん!』


「どこぞのクリニックか!」


『今あなたの部屋の前にいるの』


「来んなよ!帰れよもう!」


『今のうちにエロ本とかを片付けてほしいの』


「つまんねーこと気にしてんじゃねーよ!つーかまず出しっぱなしにしてないしね!?」


『…やらしいの』


「やかましいわ!」


 ガチャリ ツーツーツー…




 プルルル… プルルル…


 ピッ


「…あん?」


『私メリーさん。




   今、あなたの後ろにいるの…。
















 ねえ、私キレイ?』


「話変わってんじゃねーか! もういいよ!」

 


 

 とあるお笑いコンビのコントを見て思いついた話です。

 自分でも書いてて楽しく、非常に書きやすかったですね。

 第一話ということでちょっとだけ気合い入れて書きました。皆様からのご感想をお待ちしております。

 

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