プロローグ
久しぶりに投稿しました。
今回は長く続くように頑張ります。
応援よろしくお願いします。
コア。それはこの世界で人種が多く使用する魔法媒体。
生まれてから十年の月日が経ったその年の、コアの祝福と呼ばれる洗礼式で神官からの祝詞を唱えられ与えられる自分専用の魔法媒体。
神様からの贈り物。
コアの直径はビー玉より二回り小さい球体。
その球体を用いて、
時には生活に役立てたり、
時には魔物相手に大魔法を放ち討伐したり、
時には国と国とが交渉の道具として使用したりと千差万別。
あらゆる角度、あらゆる観点からも、この魔法媒体『コア』は世界の根幹となっている。
時は2050年の春。Fランと呼ばれる謂わば下から数えられる大学を卒業した三階堂司。三階堂グループの御曹司。
だが、周りからは「三階堂の落ちこぼれ」と呼ばれていた。
それもそのはず。三階堂家長男 三階堂帝は政界からも覚えがよく、
三階堂グループの次期後継者としても腕を発揮し、
今では「税撤廃の裏立役者」としても日本中から歓声があがるほどだ。
三階堂家次男 三階堂皇は帝ほど表での評価はない。だが、それでも才には恵まれた。
皇は海外の一流大学を首席で卒業し、尚且つ博士号まで取得した。
博士号を取得する際の研究室では、未だ表彰までの道のりの途中ではあるが、
万能細胞が無から作れるであろう仮説を発表したことにより、
これまた界隈での期待度が高い。要は天才というものだ。
兄弟の中では特に才というものには恵まれずとも、
一般的には大学を無事卒業し、これから就職だという俗にいう平凡な男が事故死した。
交通事故ではない、意図的な事故。他殺だ。
兄弟ではなく、全くの赤の他人。模倣犯とでも呼んでも差し支えない。
どのような死に方をしたのはかこの際どうでもよい。
だが、兄達からの圧倒的な差があるにも関わらず、これから人生を謳歌するぞという新成人なのだ。
生に執着しないわけない。
彼も強く思ったのだろう。
(俺は死ぬのか・・・・まだ・・・生きたい・・・これからだったんだ・・・!・・・これからだったんだよ!!!)
事故があったことにより野次馬がそこら中で騒いでいる最中、
意識が朦朧としていてもはっきり分かるほどの光が司の周りを囲っていた。