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第4話 理由
そんな不気味な赤ちゃんの成長を見守る事、一年。
驚異的な速さで喋れるようになった赤ちゃんは。
なぜか王座に座って、偉そうにしていた。
父と母はうっとりした様子でその姿を見つめている。
「さすが魔王様。赤ちゃんに戻られても、相変わらずお強いですわね」
「うむ、さすが私達の主だ。まさしく、長い間迫害されていた私達魔族の、最後の希望の星だな」
私は住んでいた地域の端に立っている、柵の元へ向かった。
へったくそな字で書かれていたので、ところどころかすれてよく読めなかったが、確かに「人間 立ち入り禁止」と書かれていた。
魔族の村だったんかいというツッコミをする以前に、真面目かというツッコミになった。