第三章
BGM: Sakura (Ketsumeishi)
レスリー:やっと着いたわね。
マリア:私、日本に来るの初めて。
レスリー:(笑顔で)私も!(ポケットから紙を取り出す)見て、私スケジュールを作ったの!あなたの5日間の旅を最高のものにするために!
マリア:いいね。見てもいい?…あの、レスリー?ちょっとこれ活動的過ぎない?
レスリー:ううん!きっとできると思う!
ママ:怪我しないようにね。学校は来週から始まるのだから。
レスリー:知ってるよ、ママ。
ママ:あなたは信用できないわ!いつも余計なことばかりするんだから!水のホースを全開にして学校の庭を台無しにしたの覚えてる?それと―
義理の父:レスリーのこと、もう少し信用してあげてもいいんじゃないの?
レスリー:私を名前で呼ばないで!あなたが私のことを名前で呼ぶの好きじゃないの!
義理の父:じゃあ何て呼べばいいの?
レスリー:ふん…クソガキ?
(マリアは笑う)
ママ:(レスリーとマリアに対し顔をしかめながら)私はスティーブンとちょっと出かけてるけど、あなたたちはなるべく家にいるのよ?
レスリー:はい、ママ。(マリアに対し小声で)もちろんです、女王陛下、私は棒を剣代わりに、そして石を盾代わりにしてジャングルのモンキーたちと戦ってきます。
ママ:彼女に何て言ってるの―
(マリアとレスリーは笑いながら走り去る)
BGM: Shichimencho
レスリー:動物園の入り口は一体どこなの?あら、あの柵登りやすそうだわ!中に入ろう!
マリア:入口を探した方が早いんじゃ―
(レスリーは走りながら「ユーフー!」と叫ぶ)
(レスリーは柵を登る)
レスリー:マリアもおいでよ!
(マリアも躊躇しながら登り始める)
警備員:こら、君たち!すぐに降りなさい!
(レスリーは柵の上にいる。彼女はマリアを引っ張り上げ、二人は柵を慌てて降りて逃げ出す。)
(レスリーとマリアは息を切らしている)
マリア:彼、いなくなったかしら?
レスリー:うん、いなくなったみたい。あら、かわいいゴリラ!ちょっと近くで見たいわ!
マリア:レスリー、気をつけて―
(レスリーはバナナをバケツから拾い、ゴリラに向かって走る)
レスリー:ゴリラ、これでも食らえ!(彼女は近くのゴリラにバナナを投げつける)
(バナナはゴリラの顔に正面から当たる)
(ゴリラは唸りながら、片目を開けてレスリーの方を見る)
レスリー:やばいわ、マリア!行くわよ!
(レスリーとマリアはバンパーカーに乗って、レスリーは運転し始める)
(レスリーとマリアは野原をぐるぐると周り、ゴリラは二人を追いかける)
(レスリーは少しスピードをつけて、柵を突破する)
(二人は林の中へと進み、何とか逃げ切る)
マリア:何て冒険的な一日!
レスリー:(笑いながら)そう?結構普通だったと思うけど。
(マリアとレスリーはアイスクリームを食べている。二人は珍しく追いかけられていない。)
男:ねえ、君たち。こっちにおいで!
(レスリーとマリアは振り向く)
男:僕のためにアクション映画に出演しないかい?給料ならたくさんあげるよ。
(レスリーとマリアは顔を見合わせる)
男:(レスリーの鼻の上を触りながら)あなた、絶対に素晴らしいアクション女優になれる。ちょっと考えてみてね?
(男は去る)
レスリー:アクション女優になるのはいいんだけど、もしできれば学校を卒業したいな…
マリア:(驚いた顔で)レスリー・ベーカーズがこんな真面目なこと言っているの信じられない。
レスリー:いや、本当に、って見て見て!あのイルカ、めっちゃかわいい!触りたいな!
マリア:(目を回しながら)レスリーはやっぱりレスリーだわ。
レスリー:ちょっと乗ってくるね!
(レスリーは水族館のプールに飛び込む)
スタッフ:こら、君!
レスリー:(手を振りながら)ちょっと乗ってみるだけです。おいで、マリア!
(マリアもプールに飛び込む)
(観客は笑いだす)
(レスリーはマリアの手をとり、二人はイルカに乗る)
(水族館のスタッフもイルカに乗り、二人の後を追う)
(観客の笑いはさらに強まる)
男:(急に上に向かって銃を撃つ)あの子を捕まえる!(彼はプールに飛び込む)
(レスリーとマリアはイルカに乗るのをやめ、プールの後ろにある小さな出口から出る)
(二人は階段を走り降りる。男はついてくる)
(レスリーとマリアは水族館から走り出る)
男:待て!そこで止まれ!
(レスリーとマリアは走り続ける。二人はサーカスの裏に入る)
(レスリーは大きな玉に乗りステージを横切る)
(マリアも大きな玉に乗りステージを横切る)
(男もまた大きな玉に乗りステージを横切る)
(レスリーが今度は糸の上を渡る)
(マリアも彼女の後を追う)
男:レスリー!見ろ!
(レスリーは振り向き、男がママの額に銃を当てているのを見て凍りつく)
レスリー:お願いだからやめて!映画に出演するから!
男:(悪そうに笑いながら)僕の願いは君をお母さんから奪うことだよ。彼女は何年か前に僕をふった。彼女はきっと後悔することだろう。さあ、こっちに来なさい。
(義理の父が男を倒す)
(レスリーはママのそばにいく。警察も到着する。)
レスリー:ママ、大丈夫?
ママ:(目から涙をこぼしながら)大丈夫よ、レスリー。
レスリー:(義理の父の方を向き)あ、ありがとう。今まで意地悪でごめんなさい。
義理の父:大丈夫だよ。
マリア:レスリー、気をつけて!
(バン!男はもう一回銃を撃つが、外す)
男:(警察に腕をつかまれながら)あー、君のことは許さないぞ!
レスリー:まあ、マリア、ありがとう。私、殺されるところだった!
マリア:(目から涙を流す)あなたが無事で良かった。
レスリー:(泣きながら)私もあなたが無事で良かった。(首を振りながら)私、ダサいわね。
レスリー:(腕を広げて)神様、この完璧な家族と友達に感謝します!(男の方を向く)神様、いつも平穏と平和を私たちに下さり、ありがとうございます。私もきっとあなたのことは許せないけど、私と私の義理の父を仲良くさせてくれたことには感謝するわ。
BGM: Seasons (Ayumi Hamasaki)