さだめから見た登場人物 前半
どうしてRを付けたのだろう?
いちおうR指定のRのつもりで、実際は指定なし。
ようするに、タイトルの後ろに1,2,3ってつけるよりは何らかの頭文字を付けたほうがグッときそうだから。
のりでタイトルを一新した!
目の前にせんべいがある。
丁寧に箱に入れてあるから、それなりの土産物だろう。
パキッ、一つ手を伸ばしてみて食べてみると、味はよくわからなかった。
せんべいの味にご執心するつもりはないけど、箱をもう一度見てみる。
箱には、
『オリジナルの俺の歌を聞いてくれ。
いや、本当に効くのは無理だな。
それでも俺の魂が書き込まれたせんべいだ!
食べる前に必ず読んでくれよ!
それじゃあな!』
達筆な文字でチャラいことが書かれていた。
なにこれ? その一言に尽きるわね。他に言いようがない――。
はははは、どこが“それなりの土産”に見えるの、いや、見えたの?
一分前の私って相当なバカなの?
とかなんとか、とてつもなく暇な時間が過ぎている今日この頃――片瀬貞芽改め運命は週刊誌を立ち読みするフリーターよりやることのない感じです。
学校でも通えばいいのに、って麻依さんによく言われます。
おまけに、
「ニートがいる!」
「リアル悟○だ! 三回くらい地球の平和を守ったところで、一円すら稼いだことのない人と同じだ! でも“サー”は地球を救ってない分、スーパーニートだっ!」
楽しそうに人のランクを下げまくる双子。どちらもうるさい、めんどくさい、関わりたくない――――そういって突き放していると、人のことを何処かの金髪変身野郎と一緒にされるだけじゃ済まなくなるだろうから関わっておく。
「人のことを軍隊の掛け声みたいに呼ばないでっ! スー○―サイヤ人みたいな呼ばれ方もすごい嫌だよぅ」
「サーなら4まで行けるよな!」
「かなちゃん? “ふぉー”ってなに?」
「サーは大猿に変身!」
「するの!?」
「しないけど、月の力を受けるのさ!」
「かなちゃんおかしいよ? なにいってるの?」
「GTなんだよ!」
「???」
双子なのに、意志疎通はゼロらしい。生きている時代が二人の間でだいぶずれているんじゃないだろうかと思う。GTシリーズは再放送やってないし。そもそもリアル世代の私でもほとんど覚えてないし。
「散歩してくる」
「さーちゃん、ついてっていい?」
「ダメ」
「飴玉あげるからっ」
「いらない」
「かなちゃん黙らせるからっ」
「どうやって?」
少しだけ興味があった。いつも彼方のほうが前に出てくるため空気みたいな感じになってしまう未果の方。どこをとっても女の子している未果のことは、よく知らなかった。もしかすれば、男だか女だかよくわからない彼方よりも凄い秘密を隠しているのかもしれない。
「飴玉あげるの」
「ふーん」
「口の中に息が出来なくなるほど詰め込むと、かなちゃんは静かになります」
「……」
子供はいつでも本気なんだね。そう思うことにしよぉ。
機会があれば麻依さんにも教えた方がいいかな。
結局、四人で散歩に出ました。
自己主張の強い双子を麻衣が押さえつけ、られるのか?
とにかく散歩してみることにする。
想像もつかないほど暇なので、いろいろアレな情報も集まっているから、この機会に吐き出してみよう。
まずは神童高校。
私服のままさりげなく侵入することができない(主にくっついてきた双子のせいで)ので、学校周りをまわっていると知っている顔が見える。
体操服でランニング中の佐須来夏と斎藤剛志だ。
熱心なマネージャーが誰よりも先頭を走っているせいで、どっちが体を鍛えているのか分かりづらい。むしろあんたらが剣道やったら? という感じだ。
まずこの学校の剣道部員は強くないし、ある程度訓練を積んできた二人が参加すれば県予選ぐらい――――無理か……この地区にはもう一つ高校があるから。
時間とともに後ろとの距離を離していく二人。少し遅れてその二人についていこうとする小さいのがいるけど、きっと戦力外の一年生だろう。遠くからじゃはっきりとわからない。
ちなみに、ここから見ると、高校生くらいの身長をした斎藤がいて、その隣に本当の年齢通りの中学生くらいの来夏、その後ろに来夏と同じくらいの一年生、が見える。
鳥みたいな頭をした一年生……やや気になったけど、双子がうずうずしだしたので移動する。次は麻依の通う奏進へ。
ここは普通に入れる。
四人中二人は顔パスだ。
とりあえず剣道部を見に行く。
こっちの探偵クラブも休部状態になったらしいから、もしかしなくてもあの子はここにいるはず――耀の方が。
中をのぞくと、面越しに人間越えした二人組を発見。
聞いた話によると、夏の大会でこの部の部長が人外の生物に圧勝したらしい。
どうやって勝てたのかは知らないけど、ルールにのっとったスポーツならばあり得ない話でもない。
見たところ、暴力という名の身体能力を抑えた状態のクラウドと蕾は互角だ。
この世界の中原真人とでも思っておこう。
耀の姿はない、か……あてが外れたらしい。
この学校ついでにアホな方の私も気に掛けてみようか?
いや、いいや。別に興味ないし、どうせアホだし。顔同じだし。存在否定するとその人消えちゃうし。――怖い怖い。
こっちのさだめばっかであっちの貞芽は?
若干迷っている部分もあり、こっちの貞芽があっちの都合(昔の方の話を書き渋っているせいで)であんまり深いところまでかけていないから、先にある程度知ってもらおうかと思いまして。
むしろ貞芽ルートに入ると、こっちのさだめは100%出る幕なくなりますからね。
自分と同じ顔にご対面! そんな恐ろしいことはできません!
むしろ、後半で少し書きますけど、さだめを貞芽と勘違いした耀を書きたいです!
あということといえば、さだめがランダムワーク連載の影響で若干コメディータッチになっていますが、その質、シリアスな子ですね。
四年前の話で書いたかどうか記憶が前後してますが、少なくとも全うな手段で人と接していませんし、人のプライバシー侵害しまくりですし、個人で組織と同じだけの行動力もありますし……なにより、さだめの同級生は、みんな一番ダークな彼女の一面知りませんし。
初期設定――ここではいわゆる初期段階のプロットのことで、今後の展開、どこかの物語の展開とは大きな誤差が生じますが――――さだめラスボスですし。
それでは~