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五人の居場所 第一幕

 すこしおかしなことになっていた。

 夕陽の反射する机は、鈍いオレンジ色をしている。腰掛けるイスは調節がうまくできていなくて使いづらいものだ。それは“まだ合わせていない”だけで私の席だ。そして私の唯一の私物といえるハンドバッグもすぐそばにある。

 ここは学校だった。

「なにも、起きてない。それに私以外誰もいない」

 またこうして私は塞ぎこんでしまう。

 一人でいるといつもそうだ。

 真っ逆さま急降下の思考が止まらなくなる――と思っていた。

「何を一人で考えているんだ? つまらなそうな顔をしていると、せっかくの美人が台無しだぜ」

 目の前には頭のおかしな少年がいた。でなければ、私にこんな風に接してくる人はいないから。

「はやくしてほしいものです。美少女を連れ去って行きたいなら素直になった方がいいと思います」

 そのすぐそばに前髪で表情がよく見えない少女がいた。

 そして駆け足とともにもう二人この場所に飛び込んでくる。

「遅すぎ!」

「はぁはぁ……別に興奮してるわけじゃないから!」

 息も切らさず腕を組んで声高らかな少女は、不満を一言で片づけ。

 一歩遅れて入ってきた、三人目となる少女は疲れた様子で――その後無言だった。

「だからどうしたんだよ由梨。まるで初めて会った、みたいな顔してるぜ」

「まさか襲ったんじゃないでしょうね。このケダモノ!」

「どんな誤解だよ。一分前くらいまで一緒にいただろ」

「じゃあ60秒もあるじゃない!」

 ショートカットの髪から覗く大きな瞳が少年を真っ直ぐに見つめている。いや、睨みつけていた。それもすこし頬を高揚させて、興奮気味に少年の方に少女が迫っているようにも見える。

「あの、私に何か用があるんでしょうか?」

 当然の事を聞いたはずなのに、目が点になって四人の視線が私の方に集まっていた。

 何かおかしなことを言ったのだろうか?

「お前も冗談をいうようになったんだな。少しだけ驚いたぜ」

「ほらケダモノ、あんたのせいで由梨まで可笑しくなっちゃったじゃない。どうしてくれるんですか!」

「ほらほら、またゆくべき道がずれてるよ~。そして私はすごく疲れてるよ~」

「次に進みましょう」



 昔からの友のように、五人は肩を並べて帰っていく。

 先頭は、勝手な思い込みでケダモノ扱いの少年と体を持て余した少女――でなく、一番元気なショートカットの子が並んでいる。残る女子がその後ろについて歩いている。

「重いぃ~、遠いぃ~。私の家遠いよ~」

 おっとりしている子が疲れを元にダレている。

 意図は読めないが、それを見て嬉しそうにしている前髪長少女が視界の端にいた。

「なら俺の部屋に来るか? ここから近いぜ!」

「うるさい! ケダモノ!」

「今のを解説すると、こうです。

 “どうしてまた私じゃないの? 私も疲れてるのよ。早く帰って休みたいのよ! あんたの家ならなおさらね!”という照れ隠し交えての本音」

 そっと解説して去っていく。忍者のような前髪長髪少女である。

「いや~さりげないね、さりげない。ただ、今の解説をちゃんとすると、こうだね。

 “うるさい!”は、単純に“うざいなあもう~”といういつもの感じをそのまま口に出しただけ。

 “ケダモノ!”は、“自分の家に来て、俺の部屋に来ると楽しいことになるぜ! いえ~い”を彼女が咄嗟に考えついたから口を滑らせただけだと思うなぁ~」

 回復してすぐ話しだした少女は、ふわふわした雰囲気とは別次元で話している。名探偵になり切っている、という感じだ。

 小さな遊びを終えた所に、先頭にいた少女がカッカッと近づいてくる。

「正解っ!」

 一番元気な少女が、満面の笑顔でそう叫んだのだった。


 ――思い出した。


 ショートカットのあの子の笑顔が、この中で一番可愛い。

 少年は女ったらしの甲斐性なしかもしれなくて。

 残る二人も似てるようで何一つ似ていない個性的な人たちだ。

 そう、私たちはこうゆう五人組なんだ。




 ***

 ある結末へたどりつく過程の中の一場面。

 とんだ茶番だわね、これは。

 それにしても少し数が多い気がするな。

 一人五分計算で、約ニ十分かからないとみんないなくならないじゃない。

 まあ、どうでもいいことだけどね。


 そういえば伝え忘れたことがある。


 クイーン以外は、みんな死じゃうんだよね――絶対に。


 それはやっぱり、悲しいことなのかな?


個人的な感想を一つ。


――新プロットだと今までのメンバーの出番遅っ!


また、どうかよろしくお願いします。

お店の棚卸などが終わったらまた書きます。

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