竜召喚士の戦闘力
後半にあとがきが混ざっています。
一夜あけて炎がいつの間にか消えたころ。
男たちは目覚めた。
私からみて、ざっと戦闘力100ちょっと。
地上の人間なら、武装してこのぐらいだ。
「譲ちゃんは何者なんだい?」
譲ちゃん?
言われたことのない単語だ。
「現状視察もあらかた終わったので、今から事実をはなします。ちなみに、ここでの話は今後なかったことにしてください……ほんとうに、本当ですよ?」
「ああ、約束する」
迷子の世話係のように、いろいろしてくれた男の人が、代表して答える。
満身創痍な、他の人は意識のはっきりしない中、目を虚ろにしている。
「わたしたちの仕事は、過度の戦力差による残虐行為の防止です。我々エアスカイヤーは学生の一部分で研修的に世界中の秩序をある程度のレベルまで満たしています。その基準は“数字”。この世はある程度、数字で判断できますよね。例えば人の出せる力が200とすれば、戦車はどれくらいですか?」
「うーん、600くらいかな?」
「おしいです! 一般的な戦車は、大小問わずに300程度です。例えば手榴弾の一撃なんかであんなもん消せちゃいますから。ちなみにおじさんたちは百程度しかないのです」
「へぇ~、おじさんたちは死にかけだから、そんなに下がっているということなのかい?」
「根本的にあなたたちは弱いから、そんな簡単な理由じゃありません。例え万全な状態になっても、せいぜい105くらいになって、キャタピラに踏まれてぺしゃんこが関の山です」
小屋の周りに再び重い音が響く。
今度は“正体不明の敵”を、完全にねじ伏せるために多少の戦力を投入してきたようだ。
「じゃあ、今度こそ俺たちは死ぬのかな?」
「死にません! そのためにわたしたちがいるんですから!」
外に出て、ざっと周りを見に行こうとした。
「待てって! 子供なら許されるような場所じゃないんだぞ!」
制止を振り切って私は出ていこうと思ったけど。
納得できる数字だけ教えてあげることにした。
「言い忘れました。わたしたちについての詳しいことは秘密ですが、私の戦闘力はざっと――800です。ですから、心配はいりませんよ。銃弾をはじき返すことはできないけど、打たれる前に打ちますから」
さて、人間相手に物騒な者を出してくる人たちには少し痛い目にあってもらおう。
私単体の力は知れたところだけど、天空より現れるパートナーがいればざっと800くらい。
なので、心配はいらないのである。
計3台の戦車は全壊。歩兵部隊の装備も全て破壊。
おそらく“知っていた”であろう、私たちの存在から逃げるように敵は逃げていった。
次、襲ってくることはまずない。
なぜなら、私とは違うチーム名“くろムラサキ”が前に、ある国の要塞を一夜で半壊させたことがあり、自陣の守りを固める方が、目先の残り火を刈るよりも大切だからだ。
「えっへん」
胸を張って小屋に戻った。
これでも今年で十八歳。身長は二年で一センチくらいしか伸びなかったけど、立派な天空使いになれている……と思う!
天空魔法とは、文字の通り、空の下にある地上よりも、近くに天を感じることのできた人間が使えるいわゆる一つの特殊能力。より天――太陽に近いため、そのエネルギーをうまく変換できるような体質になった天界人が、私たちなのだ。
そのため戦闘力も、学校を卒業するころには主席の人などが千を超えてくることがある。
私のチーム“りゅう騎士”は、今のところ学年三位。
私の戦闘力も、さっき言った通り800くらいなのだ。
参考資料
ときまるの登場人物などの戦闘力一覧表:
下人(地上の人)――0~200
天界人(姫っちなど学生の範囲内)――500~1000くらい
中原真人(中一:能力解放時)――200×2^β
片瀬貞芽(両世界)――2
政道(先読み時)――50
赤威剱(戦おうと思った時)――100
赤威蕾(クラウドと出会う前)――50~180
フィーネル・ビット(解放時リミッターあり)――500+α(2500)
クラウド・ビット(リミッターあり)――500+α(1000)
シャイネ・ゼクス(耀の中の人)(四年前)――500~1000
田村由依(苺)(行方不明になる小学生時:素の状態のマックス)――1200
田村ユーリ(故)(由依の母親:イマジン)――約2400(核弾頭ミサイルクラス)
なので、もしも彼らが登場するなら、戦ったら(ときまるチームのほとんど)即死コース一直線。
戦場を駆け巡る人たち相手に現代っ子は敵わない!!
パワーアップもしくは、全体のパワーバランスを考えなしで共存は難しい……。
こんな感じで今後の展開をお楽しみに。
おそらく、最終的に彼らは絡みます。
ポイントは、上の表でリミッターなるもののない値が秘密なことかと!
きっと過去verでしか出番のない二人(と死者一名)の穴を埋められるはず!
……というより、その三人抜きで真正面からぶつかったら……、大変そうです。
ちなみに、本格的な“くろムラサキ”は“ときまるの三期”にあたるので、一通りいったら、再び中学生の話に戻ります。
一年経って、やっと再開。
のような。
ちがうような。
またよろしくおねがいしま~す。