表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説の女武術家が美少女エルフに転生したらこうなる  作者: コインチョコ
二章 御令嬢ラン・ゴールドシュミット
17/58

15 逃避行


そういえばあのミステリア(ヤロー)はどこへ消えたのだろう。

アヤカはそう思ったが、彼女を探している余裕はなかった。


唯でさえ体力のないランを連れ回しているのだ。


流石のアヤカでもランに気を使って歩く速度を抑えている。


拳に着いた血を洗って裏路地を出て表街道を歩いてはいるが、相手がアヤカ並みに頭の逝かれたイカれた奴らならそれでも襲撃されるのだが。


「ここなら、裏の方達もうかつには手を出せませんね」


「でも油断しないで。 構わず殺ってくるかもしれないわ」


ランは人混みに揉まれてすっかり安心して気を抜いているが、アヤカは反対に更に警戒心を強めている。


前世の記憶によれば、こういう人混みでこそ追う側は絶好の攻撃チャンスなのだ。


先回りして飲食物に毒を仕込んだり、あるいは遠くからの狙撃、ぶつかった振りをして刃物で刺す。


暗殺の方法はいろいろあるが、アヤカはこれらの手段を警戒していた。


アヤカがすべきことは、まずランに毒味していないモノはなにも口にさせないこと、遠距離の殺気に気を配ること、誰も近づけないことだ。


「………クッッッソ面倒いわね」


ボソッと呟いた言葉は喧騒へと溶けていった。





アヤカたちを建物の影から見張る男達がいた。


この男達は、先ほどアヤカに一蹴された者の残党だ。


リーダーだった男を殺されて、このまま逃げ帰ればどのみち自分たちも同じ目に合うだろうと考えた彼らは、恐怖で震える身体に鞭打ってアヤカとランを見張っていた。


バレたらリーダーのように殺されるとすら思っていた彼らだが、アヤカは一度倒した相手の命には興味を持たなくなる習性があるので、問題なかった、


「(あいつら、どんだけ気配隠すの下手なのよ。 二百メーカー(メートル)以上離れてるのに感情まで伝わってくる………ここまで来ると可哀想ね)」


なお、尾行はもうバレていることは彼らは知らない。


どうせ何も知らない下端だとアヤカは考えているので、泳がせて大物を誘き寄せようという算段だ。


「おい、バレたらまずいんじゃないのか……?」


「このまま帰るわけにもいかないだろ! なにがなんでもあいつらから目を離すなよ!」


アヤカの視点からすれば、現状は一人相撲のような状況だった。


ランはこの状態を露知らず、初めてのお外を存分に楽しんで買い食いをしていた。

ランはお金などもってないから全てアヤカの奢りだ。


「あ、ローレライさま! わたくし、あれが食べたいです!」


「良いわよ、私が毒味したらね」


「もうっ! 毒など入っておりませんよ! 失礼ですよローレライさま!」


「念のためよ。 念のため」


揚げた煎餅を欲しがるラン。

一つ購入してアヤカは雷鳴拳奥義の一つ、身体能力を高める〝雷鳴活性〟で味覚を強化して、毒が入っていないかチェックした。


怪しい薬や毒物の類いはない。


「はい。 残り食べて良いわよ」


自分が言えた試しではないが、揚げ煎餅とはなかなか渋い趣味してるわね、とアヤカは思う。


そういうアヤカ本人も、中身は百六十才超えたお婆ちゃんなのだが………。


頭を振って余計な考えを振り払う。


エルフならまだまだ若者なんだ。自分は若い。


「そう、わたしは若者よ。 人間のホサカアヤカとは違うのよ!」


「ローレライさま、どうされました?」


「なんでもないわ」


ミステリアと時同じくして、二人の買い食いは続いていた。


「…………あいつらいつまで食ってんだよ」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ