ドラゴン
この短編は一応今回で終わりになる。もしかするとまた何か書く気になるかもしれない、ということにしておいて、ダラダラとエタらせておくことにする。
最後に人間が最も恐ろしいモンスターだ、みたいなのを書こうかとも思ったが、馬鹿馬鹿しくなったのでやめた。そういうお話が好きな方にはソロモンの指輪の最終章をお勧めする。
確かにある種の人間は悪魔や悪鬼の元ネタじゃないかとか、姿形だけ整えれば、いい感じになるんじゃないか、と思うことは結構ある。考えてみれば恐ろしい話ではある。
西洋の悪魔は確かに恐ろしいが、どこか一本抜けているところがあり、ある種道化的な要素も持っている。だから組し易いとか、ユーモアがある、ということではなくて、それが邪悪さというものの本質を的確に表現している、ということは言えそうだ。また、カネ、カネ、と言って他者を虐げ、争いばかりしている様子は、指輪物語に描かれているゴブリンとそう変わらない。
人間は、これより悪い物がなかなか想像できないぐらいの最悪の武器、誰も管理や使用結果の責任を取ることができない悪夢のような核兵器まで作ってしまった。確かにそんな理論を発見した知能や、作った技術は誇れるのかもしれないが、現在までどうしようもない状況が延々と続いている。
もっとも近い未来に起こりそうな脅威は、東側の体制が緩んだり崩壊することで起こる核拡散によって、オウムみたいな新興宗教やイスラミック・ステートのような性質の悪い小国規模の組織に核兵器が渡り、テロの手段として使われるのではないかということだ。アメリカなどの大国でも、頭が年を経る毎にとんでもないのが出てきている気がするが、レーガン → ブッシュJr. 、そしてついにトランプときた。さすがにトランプも核のボタンは押さないと思うが、恐らくアメリカはトランプに輪をかけた奴がいずれ出てくると思う。現在の文明も、案外あっさり滅ぶ可能性はある。
かなり脱線したが、今回書こうと思っていたのはドラゴンの話だ。ドラゴンもRPGでは人気のあるモンスターで、ファンタジーにも良く出てくる。人間が単独では敵わないような強力な戦闘能力を有していることも多いし、ゲームによってはラスボスだったりする。
西洋の中世のファンタジックなドラゴンは、例えば洞窟に住んでいて、人間から奪った金銀財宝をどういう訳か溜め込んでいて(カラスが光物を集める感じなのだろうか)、口から炎や毒の息を吐いて攻撃してくる、というようなのが一つの典型だ。RPG的には、ホビットの冒険のスマウグみたいなのが代表として挙げられる。
ミヒャエル・エンデは果てしない物語で、このような西洋式の竜はいやらしく下品だとか言って、東洋風の空飛ぶ竜を別種の竜と定義し、肯定的に主要キャラクターに採用している。某人気有名日本アニメのオープニングで、でんでん太鼓の子供を乗せて空を飛んでいるような奴だ。あるいは玉を7つ集めると出てくる龍の地球版とか。確かに西洋の竜は何となく汚らしい感じのモンスターで、クエストの討伐対象でしかない気はする。
ネバー・エンディング・ストーリーに出てくるのは白子と言うか白竜で、映画でもなんとも言えないぬいぐるみが口をパクパクやって喋っている。今見るとしょぼいといえばそうだが、あのレトロな感じはそれなりに面白いし、あれはあれで良さはあるとは思う。エンデは映画の内容に怒り心頭だったらしいが、あのヌイグルミ等の出来が問題なのではなくて、本の中から竜が一緒に出てきて、いじめっ子をやっつける、みたいな、原作にないチープで幼稚な展開のせいだろう。
西洋の欲深い討伐対象の竜と違って、東洋の竜は確かにもっと尊厳があるような気はする。これは、竜が幻の生き物やモンスターというよりも、自然そのものや神的なものと見なされていたからだろう。インドにはナーガというヘビの神様がいるが、東洋の竜がヘビ的な細長い格好をしているのも、それが神的なものだからということなのだろうか。川なども竜にたとえらるので、ドラゴンクエストが実際は治水だった、みたいなことはあるのかもしれない。
そういえばFEには 1・3・4 にナーガがドラゴンとして登場している。形態はどれも西洋的なドラゴンになっていて、いろいろとごちゃ混ぜのキメラではある。(※ただ、4 については全身像を見た記憶がなく、首は長かった印象があるので、もしかすると東洋型の竜なのかもしれない。敵役のドラゴンはまちがいなく西洋式だった)DQでは 1 のラスボスになっているが、1 以降はDQというタイトルは引き継いだものの、ドラゴンはそこそこ強い雑魚敵で出てくるだけだ。ただ、DQでは西洋タイプも東洋タイプもどちらの竜も敵として登場はする。しかし残念ながら、特に何か特別な区別がされたり、特徴が設定されている感じはなく、ただ形態が違う別種のモンスター、というだけだ。翼竜タイプ(ワイバーンとか)のモンスターもドラゴンの一種として扱われることがあるが、どういう訳か知能が低いイメージがある。FEでも初作の飛竜は、竜族が退化して人間の家畜に成り下がった姿、という設定になっている。
東洋の竜は自然がモチーフになっていると思うが、西洋の竜にも実は元になったと考えられるものがある。竜の特徴である洞窟に住む、辺りの設定も関係するかもしれない。現在では滅びた古の超大型爬虫類、恐竜だ。
洞窟を探検していて恐竜の骨を見つけてしまったら、それは西洋の竜のような存在を想像せずにはおれないだろう。炎の息を吐いたりする、などという現実にはありえない設定は付加されてしまったが、こうして竜の伝説が生まれた訳だ。
恐竜というとものすごく大きいイメージがあるが、地上で最も大きかったという雷竜系の化石も、実際に見てみると、確かに大きいが、これぐらいの大きさの生き物なら確かにいたかもしれない、ぐらいの感じではある。体長は大きいのだと20メートル、20トンは超える。もし生きて群れで動いていたらそれは壮観だろう。日本にも恐竜博物館はあるし、定期的に巨大恐竜の化石展示は行われているので、ぜひ一度は現場で見て頂きたい。
恐竜の研究も今では進んでいて、骨の欠片一つから、その恐竜の種類などをかなり正確に推定できるまでになっている。昔の話を読むと面白いが、今ほどのデータや経験もなく、手探りで復元をやっていた時期に、トンデモ恐竜というのか、変な位置に角やら手足やらがあるキメラ恐竜が作られていたこともある。発掘のやり方も雑で、大事な化石や現場を破壊したりもしていたらしい。
恐竜が絶滅した原因は現在でも謎とされている。隕石の落下による気候変動や、いろんな説があるが、恐竜が生きていた時代は今よりずっと温暖で、植物の繁り具合も現在よりはるかに豊かだったのはまちがいない。気候が変わって食料が減ったり、変わっていく環境に適応しきれずに、次第に数を減らしていって滅んだのかもしれない。こんなふうに書くと、何となく恐竜が適応能力の低い、残念で劣った動物のように聞こえるかもしれないが、人類などより、恐竜が地球上に生きていた期間のほうが、よっぽどずっと長いことを恐竜の名誉の為に記しておく。
恐竜は太古の生命で、わからないことも多く、いろんなトンデモ説やホラ話のようなことも言われてきたが、最近は研究も進んで、わかってきたこともたくさんあると思う。マンモス復活プロジェクトではないが、恐竜もいつかジュラシックパークみたいに、再現される日が来るのかもしれない




