ある日のことだった〜弐
…
その日は晴れていた。
青い空がどこまでも遠くて、眩しかったんだ。
昼寝に使っていた公園の背の高い草たちが刈られてしまい、隠れて寝ることができなくなっていた。
二、三日来ない間にこんなことになるとは思っていなかった。あまり人も訪れていない、放置された場所だと思っていたのに。しばらく近寄らないようにしようかと、考えている。
以前まだ今ほど暖かくなっていなかった頃、日光の熱で身体がぽかぽかして気持ちが良かったから熟睡していた時があった。
何かに身体を突かれた気がして目を覚ますと、側に子供がいた。その子に起こされたようだった。
きらきらした瞳でこっちを見ていて、なんとも面倒な事態に陥ったと思った。なんだか放って置くのも可哀想で、少し遊んであげた。
それ以来、ここで寝ているとその子供が来ていることがあった。起こされたり、眼が覚めると側にいたり。とにかく気がつくといたのだ。
よっぽど暇なのか、気に入られたのか。どちらか、そのどちらでもないのか分からないが、なんだか当たり前になってきていた。
子供のことが少し気がかりだ。
自分がここからいなくなったら、それも何も言わずに。あの子は悲しむだろうか、それとも何も感じないだろうか。
しばらく遊んでいたから、自分の中でも少し楽しかったのかもしれない。
ただこの場所で偶然会うだけのあの子に。
結論が出ないままその場から動かずにいた。
しかし公園に人がいなくても、その前の通りは少々人通りがある。あまり騒がしいのは得意でない。公園で眠っていて、何かいるだの、死んでるかもしれないだの、騒がれるのはごめんだった。
あの子どもには申し訳ないが、しばらく立ち寄るのはやめておこう。
そう決めて、その場を後にした。