そうだ、公園に行こう
…
また雨が降っている。
雨は冷たいのに、不思議と体は温かい。そのせいで酷く冷たい雨が降っているだろうと感じるのだ。
寒いとは感じなかった。そして何かが乗っているのか、寝転がった私の体は少し重い。身体全体が重く、身動きがとれない。
灰色の空、雲しか見えないこの景色も、もう見飽きるほど見ている気がする。どうしていつもこんな景色なのだろう。
顔を何かに触られて、目を開ける。
開けたはずなのに、暗く何も見えない。誰かの手のひらが乗っているような、そんな感触だった。
私の顔を覆い尽くすくらいはある、大きな手、父の手がどんな手か忘れてしまったけど、それよりももっと大きい気がする。
不思議と懐かしく、優しい気持ちになり、まぶたが重くなってきて、また眠りに落ちた。
◎
目覚めると昼過ぎもいいとこで、家には誰もいない。
今日は確か夕方にはかねやんがご飯を作りに来てくれるとか言っていた気がするから、それまでまた片付けをしないと。
かねやんはこれから時々うちの様子を見に夕飯を作るためだけに来てくれることになった。私が頼りないせいだが、父からちょっとばかし給料が発生しているらしい。
それにしても父もしんちゃんもいないなんて、どこに行ったのだろう。不思議と片付けをする気にならなかった。
ーーそうだ公園に行こう、
突然そんなフレーズが聞こえたの、頭に浮かんだのか、とにかく選択肢として浮かんだ。
今日くらい片付けをしなくたっていいだろう。期間も延長された、そして外出許可も出た、私は自由だ。
私はかねやんが切る前には帰ろうとそそくさ家を出た。
公園に行ってみると、そこにもしんちゃんの姿はなく、探していた男の子の姿もなかった。会うにはまだ怖さが心に残ったまだったのだが、それでもやっぱり会った方がいい、話した方がいい。
悩んだ末に決意したというのに。この公園には誰もいない、まさに閑散とした田舎の公園だった。
いつものしんちゃんの場所に座り込み、誰かが来るのを待った。誰も来なくても、ここは居心地がいいのだ。よくここで昼寝をしていたものだ。
ぽかぽか寝心地がよく、私は体育座りのまま意識が沈んでいった。




