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彼らは危険な裁きを下す  作者: 楠木 翡翠 / 黒崎 由夜
第1部 人間界専門学校編
7/33

#1

 ここは人間界。

 とある専門学校前の道路に血にまみれて横たわっている1組の男女いた。


 男性の名はアルバート・ミカエリス。

 女性の名はメグミカ・ダレス。


 彼らは介護福祉学科に通う生徒であり、同じクラスに在籍している。

 そのクラスでアルバートは学級委員長、メグミカは書記を担っていた。

 そんな中、事件は起きた……。



 †



 ある日の放課後。

 教室にはほとんどの学生が帰路についたあとのことである。


「メグー」


 メグミカが記録用紙を書いている時、1人の女性が彼女のところにやってきた。


「レイ、どうしたの?」


 彼女はペンを持ったまま、呼ばれた女性の方を向く。

 彼女の名はレイチェル・ディアス。

このクラスの副委員長であり、飛びっきりの美人である。

 レイチェルはメグミカから「レイ」と呼ばれている。

 彼女はメグミカの隣の空いている椅子に座った。


「もうアレイスト達がさぁ、やたらうちに絡んできて困っちゃう……」

「アレイスト達が? レイは美人で可愛いし、いいんじゃないの?」

「そういうメグこそアルバートとほわほわしてるじゃん!」

「ほわほわしてるって……」


 メグミカが次の台詞を言いかけた時、教室のドアが開いた。


「アルバード!」


 メグミカが開かれたドアの方を見ると、アルバートが立っている。


「おっ、レイチェルも一緒だったか。メグミカ、黒板を消していいか?」


 彼は教室に入り、彼女に問いかけた。

 ちなみに今日のテーマは『学科行事について』を話し合ったらしく、様々な行事が黒板に書かれている。


「うん。黒板に運動会って書いてあるでしょ? その前まで消していいよ」

「分かった」


 アルバードはメグミカに指示されたところまで消していく。


「ところで、レイはアレイストになんて言われてるの?」


 メグミカはレイチェルに何を言われたか訊いてみる。


「だって、『レイチェルちゃん、明日、前髪パッツンでツインテールにしてきてよ!』だって。いくらなんでも無理だよ」

「そうだよね……」


 メグミカはレイチェルの今の髪型を見てみる。

 彼女は栗色のロングヘアーをヘアアイロンで真っ直ぐにし、前髪はなく、髪を縛るとオールバックになってしまう。

 いざ、前髪を作ろうとしても今までセンター分けだったため、勝手に分かれるとメグミカは思った。


「まあね……。アレイスト達って最近、オタクが入ってるもんねぇ……。いい歳してゲームだなんてさ」


 彼女は呆れながら、ペンを机の上に置く。

 それを見たレイチェルはメグミカにこう言った。


「それより、メグは早く記録用紙を書く! さっきから全然書き進んでないよ! それと彼氏を待たせちゃ駄目だからね!」

「そうだよ。彼氏である俺を待たせるんじゃないぞっ!」


 それにつられてアルバードも彼女と一緒になって言う。


「彼氏っ!? まぁ、確かにそうだけど……」


 顔を赤くするメグミカ。

 それに対し、アルバートとレイチェルはコクコク頷いていた。



 †



 あれから、メグミカは彼らにそのようなことを言われたため、しぶしぶ記録用紙を書いていた。


「レイ、アルバート、終わったよ!」

「お疲れー、メグ!」

「お疲れ様、メグミカ!」

「じゃあ、私、先生に記録用紙を出してから帰らなきゃならないから、レイとアルバートは先に帰って」


 メグミカは荷物をまとめ、鞄と記録用紙を持ち、椅子から立ち上がる。

 次の瞬間、アルバートがメグミカの手から記録用紙を奪い取った。


「いや、俺が出す。メグミカはレイチェルと先に帰ってなよ」


 その時、メグミカとレイチェルは一瞬、ポカンとしていた。

 彼女らはすぐに正気を取り戻した。


「……そう……? じゃあ、お言葉に甘えて。レイ、帰ろ!」

「うん」


 メグミカとレイチェルは最後にアルバートにこう言った。


「じゃ、後でメールちょうだい!」

「また明日ね。アルバート、気をつけて帰ってね!」

「「アルバート、今日も1日お疲れ様!」」

「2人とも、お疲れ。また明日なっ」


 こうして、メグミカとレイチェルはアルバートに記録用紙の提出を頼み、先に帰路についた。


 レイチェルとメグミカが教室から出たあと、アルバートは教室の戸締まりをし、鞄とメグミカに頼まれた記録用紙を持って、教室から出ていった。



 †



 そして、翌日……。

 アルバートは誰よりも早く学校に行った。


「……」


 彼は窓際の席に座り、1人でぼんやりと外を眺める。


「あっ、アルバート、おはよう! 今日は早いんだね!」


 教室のドアのドアノブがカチャッと音を立て、メグミカが明るい声で教室に入ってきた。


「お、おはよ。もう、俺は……」

「アルバート、どうしたの? 悩み事なら相談にのるよ?」

「いや、別に……」

「じゃあ、なんなの!?」

「……」


 メグミカはぼんやりと外を眺めているアルバートの異変に気づいたのだ。


「でも、危ないよ! アルバートはまだ死んじゃだめ!」

「でも、俺は限界なんだ! メグミカやクラスのみんなにもう、辛いことや思いはさせたくない!」


 アルバードはメグミカにそう告げた瞬間、バチン! と音が響き渡る。

 彼女は左手で彼の頬を叩いた。


「何言ってるのよ! こんなことを言うのはアルバートらしくない! 今、死ぬなんて早すぎる! アルバートのお父さんとお母さんが悲しむよ……」


 彼女の頬は涙をつたっている。

 一方の彼も左頬をさすりながら、


「メグミカ……お前は優しいんだなっ……」

「うっ……うっ……」

「でも、メグミカはまた、素敵な彼氏を作れよなっ……」


 メグミカを優しく包むように抱きしめた。


「イヤ! 私はアルバートがいいの! 他の男子より……アルバートがいいの!」


 アルバートは首を横に振り、教室の窓を開ける。


「……さよなら、メグミカ……」


 アルバートは教室の窓から飛び降りた。


「イヤー!」


 彼につられるようにメグミカも教室の窓から飛び降りた。

2016/02/22 本投稿

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この会話の流れは……何だろう? 不自然というか、昭和時代に流行った自殺理由の様な…………?
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