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02話

久しぶりの投稿です。

髪に黒い瞳の少女が鏡に写っている。艶やかなその髪は背中の中程まである。少しだけつり目で、体つきはやや細い。そして髪の間からは少し長い耳がのぞいている。

 その少女はがっかりした表情で長いため息を吐いた。その後「細かいことは気にせずに、得したと思うしかないよね」と諦めたような様子で笑顔を作った。





 どうも~突然異世界っぽい森の中にトリップしてしまったメグです。

 体が若返り始めてからもう一週間です。そして今、洗面所の鏡に写っている自分は十歳程の少女だった頃の姿。

 ……幼女ではない、少女です。

 十歳の頃は成長期がまだ来ていなかったので身長は140cm弱と低いですが、ペタンコですが、この年齢で止まってくれて良かったです。


 ……目を逸らすのをやめましょう。


 若返りについては三日で止まってくれたのです。

 しかしながら、更に衝撃的な変化が待っていました。

 体が小さくなるのが止まった次の日の朝、耳が伸びていたのです。

 そう、まるで小説やゲームの中のエルフ的な耳になってしまっていました。もうどうすんだコレ私二十歳過ぎてんだけど、合法ロリエルフかよって感じです。


慌ててリビングへ行くと、其処では30代前半に見える耳の長い麗しい男女がのほほんとしておりましたとさ。

「なんだか耳が長ごうなってしまったのう」

「そうですねえ」

「それにしても、これだけ若くなると婆さんとは呼べんのう」

「まあ!それなら名前呼んでくださいな、昔みたいに」

「そうじゃのう静恵。はっはっは、結婚したばっかりのころみたいじゃ。静恵もわしのこともと呼んでくれ」

「ふふふっ、龍治さん」

 てな感じで寄り添ってました。


 はじめは誰!?と固まってしまったけど会話から直ぐに祖父母だと分かりました。耳以外は白黒写真でしか見たことのない若かりしころのお祖父ちゃんお祖母ちゃんです。うん、長耳仲間になってました。

 ただ、二人とも真っ白になっていた白髪はそのままでした。そして地味にイチャイチャしています。ずっと同じ空間にいると、砂糖を吐きたくなってきます……


 それから三日経過して変化がないので、皆で話し合ってみた結果、諦めて、もうこの変化を楽しんじまえって考える事にしました。ハハッ。


 ピョコンと髪の毛の間からから出ている耳。若返ってしまった体。少しの変化ならまだしも、ここまで外見が変わってしまうと,なんだか本格的にもう元の場所には帰れない事を覚悟しなくちゃいけないかも知れない……?


 ま、お祖父ちゃんお祖母ちゃんにリオもいるし、今のところはあんまり不安や寂しさはないんですけどね。

 それに帰れないことをいつまでも悲しんではいられません。

 家と敷地があるとはいえ、此処はよく分からない森の奥深くな様で、森の生き物以外、人間とはまだ一度もエンカウントしていないのです。

 今はまだ家と畑にある食料、2日目に見つけた果実(少し食べてみたが身体に異常は現れなかったので幾つか収穫してキープしている。食感は林檎、味は熟れた白桃のような味でとても美味だった)でなんとかなっていますが、家の食料は無限にある訳ではないので、それが尽きてしまう時が来ます。ていうか動物性蛋白質が冷凍庫の中にしか残っていません。このままではどう考えても栄養が偏ってしまいます。


 人と会えないとなると、その先は森の恵みに頼っていくことになるでしょう。それを考えると早めに森の中のことを把握していかなければなりません。

 もちろん人と接触する方法も考えていかなけれぱなりませんが、まず食料が最優先になるでしょうね。


 というわけで此処で生きていくために考えること、やることがたくさんあります。だから悲しんでもいられないというわけです。

 それよりかは、変化や新しいことを楽しんでいく方が有意義かなってことで。


 さあ、今日は昨日発見した川に魚釣りに出かけることにしています。


 リオ~、一緒に行きましょう!


 そして野性動物が出てきたら追っ払って下さいリオ様!



誤字脱字等ありましたらお知らせ下さい。

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