超能力者の転入生(1)
超能力者
自分の思いが自分の能力になる。世界中で超能力者は増加していた
「なぁ、知ってるか?今日2年のとこに転入生が来るらしいぜ」
「どこでそんな情報手に入れてんねん…」
-願いは力になる-
「マジですか!?やったー!!錦戸先輩、昼休みに連れて来てくださいね!!」
「おいおい、まだ女って決まったわけじゃねーだろ。つか、俺が連れてくんの?」
-願い。それは人それぞれである-
「秀ちゃんは女好きだしな。俺もだけど」
「こういうのは女ってのが定番っしょ。メッチャかわいい女の子っていう」
-つまり、力も人それぞれである-
「そのこはアレなんやろか」
「どーでもいいっすけど、おれは」
「もし女がそうだったら珍しいよな!!」
「まだ女って決まってない言うてるやろ!!」
-超能力、自分の願いがカタチになる-
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「…ここ?」
青髪の少女、天泉蓮理は転入先の学校「霧月学園中等部」の門前に来ていた。
季節は梅雨、この微妙な時期に転入というのは誰だって違和感を持つことだろう。
「無駄に広くないか…ここ」
広い。絶対に学校じゃないだろうと思ってしまうぐらいの広さ+美しさだが、門にはしっかり学校名が書かれていた。恥ずかしい。ここに入るのは異常に恥ずかしい。
「とりあえず職員室か…」
なれない校舎をキョロキョロしながら歩いていると、あちこちから視線を感じた。
私、どっか変なのかな…心配していると、廊下の角から現れた人にぶつかってしまった。
「わっ…!」
「お?」
蓮理はポテッと尻を突いてしまった。目を開けると立っていたのは茶色い髪の男だった。
「す、すみません!Are you OK?」
「(は?英語!?)あぁ、ワリぃな。お前こそ大丈夫か?派手に尻ついてたぞ」
「私は大丈夫です。…あの、職員室ってどこですか?」
「職員室はこっちだ。ついてきな」
さっさと歩いていってしまった男に蓮理ははっとして追いかけた。意外と格好いい。
やっぱり第一印象って大事だよね。背も結構高いし、人気者かな?周りがキャーキャーいってるし。
そんなことを考えていると、不意に話しかけられた。
「お前、見た事ねーけどもしかして転入生か?」
「はい。2年の天泉蓮理です」
「そっか、お。ここが職員室だ。あとは大丈夫か?」
なんだかんだで意外と近かった職員室!迷った私がバカみたいじゃん!
心の中で叫んでみた。
「ぶつかったあげく道案内までThank youでした」
「いやいや。それじゃ、またな」
また…?不思議に思ったが転入そうそう遅刻もいやなのでとりあえず職員室に入った。
天泉蓮理の新たなスクールライフが始まっちゃいます…